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2008-07-22

ポロシリ岳

8月のオリジナルプログラムの下見を兼ねて、7月19日から21日にかけて行われた幌尻山荘フォーラム&08第1回幌尻山荘排泄物運搬事業に参加した。フォーラムと排泄物運搬事業については別の機会に述べるとして、取り急ぎ登山コースのようすのみ報告する。今回は特別なイベントのため、入林ゲートから取水ダムまでバスで入れたが、一般の登山者は、入林ゲート脇の駐車場に車を止めて、林道を取水ダムまで歩き、そこからの登山となる。

ここが入林ゲート脇の駐車場。すでにたくさんの車が止まっている。奥のほうには中型バスもある。車の台数から山荘の混み具合がだいたい想像できる。

ここからは許可車両のみが入れる。一般登山者はここから歩きはじめる。

林道終点の北電取水ダム。ここからは徒渉と巻き道歩きを繰り返しながら額平川を詰めて行く。

徒渉のようす。それほど増水はしていなかったが、深いところでは股下までの水位がある。背負子にくくり付けられているのは、排泄物を運ぶための一斗缶。2日後にはこれに内容物を入れて、沢を下ることになる。

ごらんのように両岸が切り立った地形のため、増水しやすい。

水量が多くて、水流のなかを歩けないときは、少し高い場所を嵩巻くことになる。

三時間ほどの遡行でたどりついた幌尻山荘。築40年の立派な山小屋だ。

2日目の清掃登山は雨のなかの出発に。2時間弱の登りでたどりついた「命の水」。ここで水筒の水を満たしてさらに急な登りを行く。

さらに歩くこと2時間で新冠コースとの分岐に到着。深田久弥氏はこちらから登ったらしいが、36キロの林道歩きを嫌がって、百名山ハンターのなかにもこの道を登る人はまずいないらしい。

ここが「日本百名山」幌尻岳山頂。視界はほとんどない。

戸蔦別岳へと向う縦走路。右側は北カールへと切れ落ちる急斜面。

戸蔦別岳山頂。残念ながら視界はない。

稜線からの下りはかなりの急斜面。雨で足下が滑りやすいので慎重に下る。

ようやく見えてきた六の沢出合。ここからも何度かの徒渉を繰り返して山荘へ戻る。

やっと見えてきた水力発電用の導水管。出発からすでに11時間以上経っている。終日霧雨のなかをあるいたため、全身びしょ濡れになってしまった。明日は排泄物を背負って、来た道を引き返すのみ。

2008-06-30

乞うご期待

目前に迫ってきた7月5,6日の白雲岳避難小屋泊高根ガ原散策プログラム。予告編をちょっとだけ……。

登山口からすぐのイソツツジの群落はすでに咲きはじめている。


例年なら一面雪におおわれ、急斜面のトラバースが続く第一花園だが、ことしは雪解けがひと月ちかく早いおかげで、小さく分断された雪渓が残るだけ。


おっ、あったあった!大雪山オリジナルのジンヨウキスミレ。


そして、女王様もすでにお目覚め。


第三雪渓がすでにこんなに小さく!夏道がほとんど出ているので、安心して上り下りができる。


第四雪渓も雪の上を歩くのはほんの一部分だけ。


赤岳から小泉岳へむかう稜線上にはお待ちかねのホソバウルップソウが花をつける。


あとは参加した方だけのお楽しみ。ご予約はお早めに!

2008-06-27

北海道最高峰・旭岳の朝焼け

夕焼けを堪能した後、そのまま旭岳山頂で朝を待つことにしました。せっかくですから朝焼けも見たいと思いまして。

とはいえ、旭岳山頂は野営指定地ではありませんから、夜を明かすといってもテントを張ることはできません。寝袋やマットを使って横になることもすべきではないでしょう。

ではどうするか。まず、薄いダウンの上下と雨具を着こみます。手袋など体につけられるものは全てつけます。そして座布団状の小さいマットに座り、体にツェルトを巻き付けます。山頂標識に背中をあずけたら、それでお終い。これなら日中休憩するときとほぼ同じ状態ですから、環境に対して余計なインパクトを与えることはありません。

何にも邪魔されない星空をぼんやり眺めているうちに、気がつけば半月が登ってきて月明かりがほのかに辺りを照らします。でも、「素敵な夜だなあ・・・」なんてのんきに構えている余裕は全くありませんでした。なにせ、風が強い!遮るもの一つない山頂で、終始強風に煽られ続けていたら、寝ようにも寝られるものではありません。何度かうつらうつらしただけで後は震える体をさするばかり。夜明け前に計測したところ、平均風速N8.7m/s。気温1.5℃。もうすぐ氷点下じゃないですか!

そして迎えた2時30分。東の空がほんのり明るんできたのを見て、ついに黙って座っていられずに立ち上がってウロウロ。

徐々に明るい領域が広がっていく空。赤く染まる地平線。きれいとか美しいとかいうのはなく、早く太陽が出て暖かくなることだけが頭を占めています。

3時50分。ついに現れた太陽は黒岳の真後ろから。もっと光を!熱を!

徐々に輪郭がはっきりしてきた白雲岳。遠くは一見霞んでいるようでいて、実は雄阿寒・雌阿寒や斜里岳・海別岳、はたまた羅臼岳らしきものまで見えていました。

昨夜の雲はどこへやら。朝焼けのトムラウシです。あちらこちらと移動して写真を撮りまくっていたこともあり、この頃にはだいぶん体が温まってきました。

北を眺めると間近に安足間山。どんどん太陽が上がってきています。

東大雪の山々が影絵のように連なって。ニペソツも石狩岳も音更山も。

低いガスに包まれた旭川・美瑛方面。そこに映る影。それは巨大な旭岳の影です。じっと見ているとその影が徐々に短く小さくなるのがわかります。

時計の表示は4時30分。朝焼けはとっくに終わりましたが、北海道最高峰からのこの景色、もう少し楽しんでから下ることにしましょう。

2008-06-26

北海道最高峰・旭岳の夕焼け

夕方までに事務仕事を終え、すっきりとした気分で向かうは旭岳。 真っ青な空が広がる今日、北海道最高峰の山頂から沈む夕陽が見たかったのです。

18時に姿見駅を出発。夕陽に照らされていつもより赤茶けて見える山肌を登ること1時間。

金庫岩まで登ると、太陽は今にも沈みそうになっています。19時17分の日没まで、あと15分くらいしかありません。金色に輝く雲をいつまでも眺めていたかったのですが、まずは山頂に立たねば。急げ!

とはいえ背後に桃色の雲が漂っているのを見れば、どうしても足が止まってしまうもの。さっきまで見えていたトムラウシは今や明るい雲の中です。

山頂到着は19時10分。ほっ、間に合った。さあ、日の入りの様子を見るぞ。撮るぞ。

刻一刻と変わる色に、どの方向の写真を撮ればいいのやら。細かい設定は全部カメラ任せにして、とにかくシャッターを押しまくれ!夕陽を背負う旭岳山頂標識のシルエット。

地獄谷にかかる薄雲はオレンジ色に照らされ、風に流されていきます。

19時16分、まさに日の入り直前。太陽がその姿を地平線に隠そうとする瞬間。

日の入りから1時間以上がたち辺りがすっかり暗くなっても、太陽が沈んでいった方向はうっすら明るいまま。20時30分。真夏の短い夜の始まりです。

2008-06-19

夏至直前!表大雪・大周遊コース47kmを一日で

6月21日の夏至も間近。昼の時間が長いこの時季、せっかくですからそれを活かして長距離山行をやってみようと思いたちました。日程が取れたのは6月19日。こちらのサイトによれば、旭川市近辺のこの日の日出時刻は3時48分、日没時刻は19時16分となっています。計15時間28分とその前後数十分が明るい昼間となるわけです。さて、この時間を使ってどこを歩こうか・・・

白羽の矢が立ったのは、 旭岳から白雲小屋・五色岳・化雲岳を経て天人峡に下る周遊コース。例年トムラウシ縦走のときに使うコースです。縦走時には2泊3日かけるのが一般的でしょう。今回は日帰り装備で荷が軽いし、15時間以上あるし、頑張れば1日で歩けないこともない、と安易に決行することにしました。さていったいどうなることでしょう。

前日の扇沼山ツアーから帰宅したのが18時。夕食・入浴を済ませ、急いでその日の事務仕事を片づけて、23時就寝。もっと早く寝たかったのですがいたしかたありません。で、翌2時起床。3時間しか眠れませんでしたが、大仕事を前に気持ちが昂ぶっているのか、眠気は全く感じません。2時30分発。さすがにまだ真っ暗です。夜の帳を切り開けて、一路旭岳温泉へ。

旭岳温泉に車を置き、3時32分いよいよ出発です。公共駐車場で車中泊している方々も既に起き出してきています。人のことは言えた義理ではありませんが、皆さん早起きのようで。空は朝焼け。天気予報によると夕方までは晴れ、その後曇りだし、夜には雨が降るとか。降り出す前に歩き終えたいものです。まずは黒々と見えている旭岳を目指しましょう。

今日はとんでもない長丁場ですから、最初は抑え気味にと思っていましたが、やたらと体が軽いのでペースは足任せ。どんどん歩くことにしました。4時38分姿見の池着。太陽はとっくに出ている時刻ですが、池周辺が薄暗いのは旭岳に遮られているから。10分ほど休憩を取り、旭岳の登りに入ります。

やっぱり今日は調子がいいようです。足も心臓も肺も、どんどん登れと言ってきます。徐々に太陽が当たり始める山々を眺めながら一気に登り、5時43分旭岳山頂着。これで今日の登りはあらかた終わり。後は細々した登りが残っていますが、高根ヶ原を始め概ね平坦なルートです。だいぶん気が楽になりました。

北海道最高峰・旭岳の山頂から、今日のコースを予習しておきましょう。まずは旭岳の東斜面を下り、写真左手から巻くように正面・白雲岳の裏側へ回り込みます。そこが白雲小屋。

その後は、南側に広がるこの山並みの、

赤線部分をぐるっと歩いて帰ってくるわけです。正面左気味に忠別岳、正面に化雲岳、赤線右端が天人峡となります。こうして見ると、あらためて長いですね。本当に一日で歩ききれるのでしょうか。不安になってきました。

まあ、考えていても仕方ありません。ここも休憩は10分。すぐに出発します。

後旭野営場・間宮岳・お鉢平と俄然登りが少なくなった登山道を快調に飛ばして6時43分北海岳着。さすがにこの時間帯になると太陽がすっかり高くなりました。空も青々。いいお天気です。

初めて表大雪を縦走した時にお鉢平を回りながら身震いするような感動を味わったものですが、今日はそれに近い気分です。仕事柄、お鉢平周辺は年に何度と無く歩くので、どれだけ好みのコースと言ってもその感動は慣れて薄れていくものです。でも今日は超長距離を1日で歩くという“初めての”挑戦ですから、“初めて”このコースを歩いたときと似た心持ちになったのかもしれません。

北海岳から北海平を経て白雲分岐までは、これまた上り下りのほとんどない気持ちの良い山域です。もちろん早く歩き抜けるにも適しています。白雲分岐を越えると、目指す白雲小屋が見下ろせます。ここから見る小屋と遠くのトムラウシはいつ見ても絵になります。いつもと違って武者震いがおこるのは、今見えている景色を今日中に歩ききらなければならないからでしょう。さすがにトムラウシまでは行きませんが、その手前の稜線をこれからぐるりとまわるのです。

白雲小屋着は7時35分。出発から4時間経過しました。今日は4時間1セットと考え、1時間に1度小休憩10分、4時間に1度大休憩20分と考えています。1セット目で白雲小屋、2セット目で五色岳、3セット目で天人峡というのがおおまかな目標です。白雲小屋は最初の大休憩ポイント。ここまでは予定通りです。小屋脇のベンチに座って靴を脱いで足を労り、しっかり行動食を食べてエネルギーを補給して。

2セット目は高根ヶ原から始まります。白雲小屋までは日帰りでよく訪れますが、高根ヶ原から五色岳までの間は泊まりのときしか歩いたことがありません。いよいよ未知の領域に一歩を踏み出すことになります。高根ヶ原で知り合いと出会い、わずかに立ち話。本当はもっとお話したいところですが、なにせ先を急ぐ今日。後ろ髪引かれる思いでお別れしました。

それにしても高根ヶ原から忠別岳までのこのコースはなんと大雪山らしいことか!日帰り装備で荷が軽いこともあり、この平らで広く続く稜線をいつも以上に気持ちよく歩くことができます。途中で一度小休憩を入れ、忠別岳着は9時54分。 トムラウシがぐっと近づいてきました。その前に見える崖の上の、これまた平らな稜線を後で歩くことになりますが、その前に忠別岳の下りと五色岳への登り返しが待っています。

何年か前までは厚いハイマツのカーテンに閉ざされていた忠別岳から五色岳の区間。場所によっては四つんばいになって身を低くしなければ通り抜けられないほどでしたが、白雲小屋番の方たちのおかげで今やすっかり楽して歩けるようになりました。まだまだ快調に五色岳着。11時01分です。4時間2セット目の終了にはまだちょっと早いですが、場所もいいしここで2回目の大休憩にします。折々行動食は食べつつ来ていますが、もうお腹がペコペコです。お昼ご飯っと。

気がつけばトムラウシはこんなに間近になりました。人間の足ってすごいですね。旭岳から見たときはあんなに小さかったのに・・・

五色岳から化雲岳までは化雲平を通ってこれまたほぼ平坦な道のり。道中ずっとトムラウシが見守ってくれます。最後にちょっと登って12時13分化雲岳着。ここまで来てようやく安心できました。化雲岳から天人峡までは日帰りで下ったことがあるので時間が計算できるからです。お昼にここなら日のある内に余裕で下山することができます。

化雲岳からやや進んで、小化雲岳周辺から旭岳方面を見ると、こんな感じ。今朝から歩いてきたのは・・・

赤線通り。左の旭岳から中央白雲岳のうしろをぐるりまわって、右手忠別岳を越えやってきたわけです。朝、旭岳から見たのとちょうど反対側を見ています。よくまああんなところから歩いてきたものです。

小化雲岳からの下りで若干疲れを感じ始めました。もう楽しい高山帯は終わりますし、天人峡まで長い長い下りですし。歩くことに飽きだしてきたというのもあります。第一公園には14時32分着。ちょっとペースが落ちてきているか?

第一公園から天人峡までの下りに至って、溜まった疲れが表出します。それは体力的な問題と言うよりも多分に精神的な問題のようで、一つは景色が単調になったこと、もう一つは虫が多いこと!いつも持っている虫除けのハッカも防虫ネットも、今日は荷物の軽量化のため持ってきていなかったのです。うぅ~ん。という羽音を耳元に聞きながら樹林帯を歩くのは、今日でなくたってイヤなものです。虫を追い払うのにげっそり疲れ果て、天人峡到着は15時57分でした。旭岳温泉出発から12時間半弱。ほぼ4時間3セットの予定通り歩くことができました。

やれやれこれで長かった一日も終わり・・・といかないのが今回の周遊コース。旭岳温泉に車を置いて歩き出したので、旭岳温泉まで車を取りに行かなければならないのです。そう、つまり天人峡から旭岳温泉まで歩いて登るという大仕事が最後に待っているというわけ。今ならまだ天人峡発旭岳温泉着の最終バスに間に合う時刻ですが、やはりここまできたら最初から最後まで自分の足で歩ききって地図上に完全な円を描きたいもの。それに日没まではまだまだ時間があるのです。最後のもう一頑張りと行きましょう。

天人峡を出た直後にパラパラ雨が降り出し、今日の天気予報は完全に的中したようです。そしてやはりずっと虫に悩まされながらの登り道。体力的な疲れもピークに達し、完全に足下だけを見つめて機械的に交互に足を出すだけ。ガンバレ、モウスグ、と自分を励まし、そして18時11分、ついに目的地旭岳温泉に到着しました。もうヘトヘト・・・。

ゴールした瞬間、偉業達成に涙が出るほど感動するかと思って期待していたのですが、鬱陶しい虫から解放されたことだけしか頭に浮かびません。それほど最後の虫攻撃は激しかった。それまでの素晴らしい景色やなにやらが虫一色に塗り替えられてしまった感じです。やれやれ。まあともあれ無事完歩することができました。めでたしめでたし。ちなみに帰り道、車のアクセルを踏むのに難儀するほど足に疲れが出ていたのはナイショです。

では今日のおさらい。今度挑戦したいという奇特な人には参考になるかもしれません。

今日歩いたコースを地図で見るとこの通り。この赤い線をずーっと歩いたことになります。見事に一つの輪になっていて、これを見ると頑張って良かったと思えます。

行程は、

03:32 旭岳温泉 発
05:43 旭岳 着
07:35 白雲小屋 着
09:54 忠別岳 着
12:13 化雲岳 着
14:32 第一公園 着
15:57 天人峡 着
18:11 旭岳温泉 着

所要時間 14時間39分
歩行距離 47.2km
累積標高 ±3209m

所要時間は14時間39分、休憩時間を引いた実歩行時間は12時間13分です。歩行距離は約47km、かなり歩きましたね。累積標高も3000mを越えました。きちんと1周することにこだわらないなら、始発のロープウェイを使い姿見駅発、ゴールを天人峡温泉にすれば結構楽に歩いてまわれるのではないでしょうか。時間的にはまだ余裕がありますから、途中の休憩をもう少し長く取ってもいいかもしれません。

食料・水はいつもより多く準備しました。消費したのは、スポーツドリンク1.5リットル、水1リットル、お湯0.75リットル。中でもお湯が大活躍で、休憩時にコーヒーや紅茶になって気分転換させてくれました。食べた食料は、ゼリー飲料5コ、カロリーメイトみたいなの7袋(1箱に2袋入っているので計3.5箱分)、チョコバー2本、菓子パン2コ、ミックスナッツ少量、飴少々。長い行程、甘いものばかり食べてるとほとほと飽き果てるので工夫が必要です。

こうやってまとめを書いていると、疲れはどこへやら、またどこか遠くに歩いていきたい欲望がむずむずと頭をもたげてきます。さて来年の夏至にはどこのロングトレイルを歩こうか・・・

2008-06-12

カミナリ一過、快晴のニペソツ山

石狩岳登山口で車中泊をして翌朝。4時少し前に目を覚ますと、頭上には雲一つ無い真っ青な空が広がっていました。 絶好の登山日和です。ニペソツ山の登山口へ急げ!

朝食・移動・準備でなにやかにやと時間を食い、歩き出したのは5時40分になっていました。せっかく登山口に泊まったのに少しもったいない気もします。

長い長い樹林帯の登りはちょっとした岩場まで。岩場を越えると一気に視界が開けて、この景色!なんという青空!これだけで充分貫禄を備える前天狗です。

コース中唯一雪の残る天狗のコルを越え、前天狗へ登る途中。振り返ると小天狗。その奥に昨日歩いた石狩岳~音更山の稜線。 昨日歩いたコースを眺められるというのはいいものです。

昨日とはうって変わって青空バックのトムラウシ。周囲にたくさんの山が見えますが、やはり一番目が行くのはこの山。特別な魅力を持った山です。

ナキウサギ賑やかな前天狗の岩場。ゆるやかに波打つ岩れき帯は独特の景観を呈しています。そして、この岩場を登りきると・・・

ニペソツ山!ここまで来て初めて見える山頂。ここまで来ないと見ることができない山頂。何度来ても、前天狗に出る直前のわくわく感と、出た直後のどきどき感はたまりません。

今まで隠れていた十勝連峰も見渡せるようになります。この段階でほとんど360度の展望が得られるのですから、前天狗は所要時間的にも展望的にも登山対象となる独立した山と言ってもいいでしょう。

そこからさらにもう一つ別の山に登るかの如く、遠く聳えるニペソツ山。この山が如何に奥深い山であるかがよくわかります。

天狗岳から下る途中のニペソツ山。よく使われる構図ですが、それも納得のこの山容。重量感があって、それでいて高度感もあって、しかも端正で。なんならここで引き返してもいいほどの満足感が得られます。

いったん下ってからの登り返しは、最後に待っていた最大の急登。でも見た目から考えるほどの時間はかかりません。

山頂近くから振り返ると、天狗岳・天狗平・前天狗がどっしりとそこにあります。この連なりを歩いてきたのかと思うと感慨無量です。

ニペソツ山山頂に到着。まだ8時50分。下界の基準だとまだ朝が始まったばかりのこの時刻に、既に山頂にいるというのは、何とも言えない素敵な気分です。

山頂からの景色はこちら↓の動画でどうぞ。

video

2008-06-11

石狩岳-音更山周遊コースに雷鳴が轟く

月末にツアーで登る石狩岳の下見に行ってきました。せっかくなので単純に往復するのではなく、石狩岳から音更山までぐるっと周遊することにしました。

登り始めは8時30分。まずはシュナイダーコースを利用して石狩岳山頂を目指します。時折ポツポツ降る雨に雨具を着ようか悩みながらも、名物の急登を両手を使ってぐいぐい登ります。

傾斜が緩くなったかと思うと音更山に続く稜線に飛び出し、その瞬間間近に迫る石狩岳。劇的な石狩岳との出会いは、シュナイダーコース最大の見せ場とも言えるでしょう。さっきまで山頂を覆っていた雲は素晴らしいタイミングでどけてくれました。青空までのぞいています。

どんどん見えてくる山景色に気をよくして、一気に石狩岳山頂着。やはり雲がちではありますが、十分に遠望が効きます。向かいの表大雪が見事。

山頂標識が置かれているのは地形図の標高点1966m。すぐそこに見える同1967mまでは10分弱の道のりですから、ついでに行ってきます。

ほんの少し場所を変えただけで、これだけ景色が変わります。川上岳・ニペの耳・ニペソツ山がグンと近づきました。ぽかぽか太陽も照ってきたのでここでお昼休憩。

沼ノ原越しにトムラウシも良く見えます。今日は佐久間担当の沼ノ原ツアーが行われていて、今ちょうど沼ノ原のあたりにいる時刻でしょう。こっち見てるかな?おーい!

お昼ご飯を食べたら、ここからが今日の本番。音更山へと縦走路を繋ぎます。この稜線をずっと歩いていくのです。以前歩いたときには霧雨で全く景色が見えなかったので、今日は楽しみです。

石狩岳からの下りと音更山への登りがありますが、その間はほとんど平坦な稜線です。たまりません。左右が切れ落ちているので景色も抜群です。音更山直下から振り返って石狩岳。

音更山に登り返しているあたりから、どうも雲行きが怪しくなりカミナリに巻かれることが予想されました。といっても音更山近辺は身を隠す場所も逃げる場所もない高山帯です。ここでカミナリに鳴られると大変危険です。唯一、相対的に安全といえるのは、はるか眼下のコル。この長い縦走路の中で、あそこだけわずかに樹林帯になっています。

写真も撮らずに走るように下っている途中、ついにポツポツ降り出しました。すでにカミナリ雲の中に入ってしまったようです。急げ急げ。登山道がダケカンバに覆われているのはほんの短い区間だけ。10m程度です。息せき切ってそこに飛び込み、強まる雨脚にさらされながら雨具を着こみ、地面に座り込んで身を低くします。途端、かなり近くでゴロゴロゴロとイヤな音が聞こえました。瞬間的にあたりが明るくなります。稲光です。1秒・2秒・・・9秒。まだそんなに近くない。光と音の時間差を計測しながら小一時間。カミナリが落ち着くまでじっとしていました。一番近かったのは、光ってから鳴るまで2秒。生きた心地がしないとはこのことです。

びゅーっと冷たい強風が何度か吹くと、雨は上がりカミナリも鳴りやんでくれたようです。 カミナリ一過、抜けるような青空が再び現れました。十勝三股の向こうにクマネシリの山々がすっきりと見えます。ああ、生きてるって素晴らしい。

十石峠付近からのニペソツ山。今日はこのまま登山口で車中泊し、明日ニペソツに登る予定です。明日の天気はどうなるかな?

十石峠から十勝方面への下りは初めて歩くコースです。ダケカンバの疎林、苔むした林床と、最初のうちは快適と言えますが、後半は延々これでもかというくらいの笹藪漕ぎ。反対側のコースはあんなに素敵なのに・・・。

最後は林道歩きで締め。歩きごたえのある周遊コースでした。

2008-06-09

高原温泉

15日の高原温泉・沼巡りの下見に行ってきました。雪解けは例年より二週間ほど早い感じ。ダケカンバも芽吹きはじめ、このままの気温が続けば、一週間後には新緑も見頃になりそうです。→もっと読む

2008-06-06

雨の美唄山

演歌かムード歌謡のようなタイトルです。

日曜日のツアーの下見に美唄山へ行ってきました。なんでも、登山口に向かう林道が落石のため途中で閉鎖されているとか。どのくらい余分に歩くことになるのでしょう・・・

情報通り、通行止め。登山口から6~7km手前になります。通行止め解除の予定は立っていないそうなので、しばらく美唄山はお手軽な山ではなくなるということですね。

林道はずっと清流に沿っていくので、ときおりこんなプチ滝も見られます。

長い林道、途中でお花が気を紛らわせてくれます。ほとんど見る機会のないオドリコソウに出会えて、ちょっと興奮。あんまり低い山に行くことがないもので・・・

1時間強でようやく登山口に着いたころには、すっかりお昼となっていました。お弁当を食べていざ登り始めましょう。しばらく行くと目指す美唄山が見えてきます。今日は雨の予報にも関わらず、ここまでほとんど降っていません。

幅広の林道のような登山道をてくてく登り、かなり標高を上げたところでいわゆる登山道らしい登山道に入ります。お花もここからが本番。これは初めて見る花のような・・・ナデシコ科?オオヤマフスマ?

稜線に出れば、視界も意外と良く、遠くまで見渡せます。

そして山頂到着。お疲れさま。余分な林道歩きが無ければ本当にお手軽な低山という感じですが、今日は適度な運動をさせてもらいました。

おや、ポツリポツリ降り始めたかな?どうりで白い雲がはい上がってきています。本降りになる前に下るとしましょう。

暑寒別岳

暑寒別岳の雪解け状況を見てきました。
→もっと読む

2008-06-05

(大雪山以外で)最高のトレイル・雌阿寒岳

せっかく道東まで来たのに、雄阿寒岳だけ登って帰るのはもったいないということで、キャンプ場で一泊して雌阿寒岳も登っていくことにしました。まだ歩いたことがない阿寒湖コースから山頂を目指します。

早朝の登山口。林道の分岐点の片一方にゲートがあり登山届けポストが置かれています。ついさっきまで朝靄に包まれていました空はすっかり真っ青になりました。

しばらく林道を歩くと、ほどなく道は細くなり森の中へ。 「山頂まで○Km」の看板が500mごとに立っているので、いい目安になるでしょう。「山頂まで4km」から傾斜が急になり、そこを登りきると、

いかにも「火山」な面構えの面々。視界の効かない樹林帯を抜けて、いきなりこんな山が間近に現れるのですから圧倒的な存在感です。これから左端・剣ヶ峰の左側斜面をトラバースして行くことになります。

登るに連れてハイマツが増えていき、どんどん景色が良くなります。このあたりは快調に飛ばせますが、たまに立ち止まって振り返ってみましょう。ハイマツの海の向こうに雄阿寒岳と阿寒湖が見事。

ハイマツのトラバースが終わり、砂礫地に出た瞬間、あたりは一気に火山の様相を露わにします。この広がり!山を歩いていて久々に声を上げてしまいました。火山帯の荒涼とした広々とした風景が、私は大好きなのです。初めて表大雪のお鉢平を歩いたときの感動が蘇る・・・

自然に鼻歌が出る火山帯の登り。気が付けばもう山頂直下に来ています。火口をのぞき込むと、エメラルド色の水色が神秘的な青沼がちょこんとあり、その後には阿寒富士。

山頂到着は8時20分。平日ということもあり、まだ誰もいません。この風景独り占め・・・。ぐるり見渡すと、南の方には雲海が出ています。北西方面には北大雪・東大雪・表大雪ときれいに見えます。

東方面の景色はまさに究極。いや至高。足下に荒々しい火口があり、少し先に阿寒カルデラがあり、さらに奥には屈斜路カルデラの一端が。長年にわたる火山活動が作り上げた複雑な地形を一望できる素晴らしい山頂です。一日中だって眺めていたいと思わせてくれます。

そうは言っても早めに帰らなければならないのが辛いところ。30分ほどで山頂を後にして帰途につきます。せっかくなので剣ヶ峰には寄っていきます。観測装置が置かれている分岐点から往復で20分程度と手軽に登れます。

剣ヶ峰山頂は高度感たっぷり。はるか眼下にこれから下る登山道が見えています。ハイマツの緑が美しいですね。

はっきり言って、かなりお気に入りになったこのコース。往復するのも楽しいですが、こちらから登ってオンネトー側に降りると、より変化があっていいのではないでしょうか。大雪山以外で好きな山を一つ挙げろと言われたら、私は迷わず雌阿寒岳と答えるでしょう。広々として荒々しい火山帯が好きな方にはオススメのコースです。

2008-06-04

初夏道、雄阿寒岳

道東は雄阿寒岳に行ってきました。来週末にツアーがあるのですが、実は雄阿寒岳を夏道から登ったことがないので、遅ればせながら下見というわけです。
(冬に別ルートから登った記録はこちら

朝5時に旭川を出て、4時間弱で登山口到着。9時には歩き始めることができました。 登山口から目指す山が見えるというのはなかなか感動的ですね。しかも阿寒湖のきれいな湖面越しだなんて、長距離ドライブの疲れも吹き飛びます。

湖畔の道はエゾオオサクラソウが花盛り。この時季に咲くのってちょっと遅い気もしますが、まあきれいなら問題なし。

阿寒湖・太郎湖・次郎湖と、大小の湖がやはり目を楽しませてくれます。太郎湖のこの水の色・・・何色と表現すればよいのでしょう。つい見入ってしまう色合いです。

湖づくしの後は、淡々と樹林帯を登り、ずいぶん時間をかけてやってきた5合目。この辺りからハイマツが現れ、ようやく視界が広がります。気になるのは、標識の「ここまで来たら8割クリア」という一文。5合目なのになぜ8割?8割なら8合目では?どうも釈然としません。これについては後ほど別記事で詳しく。

6合目を過ぎると、背後に阿寒湖が広がるのが見えます。登山口以来久々の阿寒湖。山から海やら湖やらを眺め下ろすというのは独特の風情があるものです。

気象観測所跡まで来るとここが8合目。あたりには背の低いハイマツしかなく、360度ぐるりと見渡すことができます。雌阿寒岳・阿寒富士も。

山頂までは8合目から一旦下らなければなりません。さあ、いよいよ雄阿寒岳まで一登り。

三角点のある山頂からは、東側の景色が特に素晴らしいです。真下にパンケトー、その奥に屈斜路湖、その脇に藻琴山。右に視線を動かすと、斜里岳・カムイヌプリなんかも見られます。大雪山も見られるはずなんですが・・・西側は雲が多く、今日はお預けとなりました。

登山口~1合目の水辺の景色と5合目~山頂の高山帯からの景色がともに素晴らしい雄阿寒岳でした。

2008-06-01

しとしと雨の中、ニセコ沼巡り

せっかくはるばる足を延ばしたので、マッカリヌプリ(羊蹄山)だけで帰ってくるのももったいない話。今秋の下見としてニセコ沼巡りも歩いてくることにしました。

マッカリヌプリ下山後、道の駅で情報収集したり倶知安の町で買い出しをしたりして、暗くなる直前に登山口となる五色温泉着。やはりここも風が強く、車がゆさゆさ揺れる中ご就寝。

翌早朝、深い霧の中を歩き出します。ここを歩くのはほとんど20年ぶりでしょうか。懐かしいような、なにも覚えていないような。どこからともなくほんのり硫黄の香りが漂ってきます。

標高1000mにも満たないにも関わらず、やたらと雪が残っていて、さすがニセコは豪雪地帯と思わされます。イワオヌプリと小イワオヌプリとのコルは岩がごろごろ。晴れていれば素晴らしい景色が見えることでしょう。

そこからぐっと下って硫黄川を渡ります。残雪が多い割には水量が少なく、難なく対岸へ。不思議なことに、樹林帯より低い川沿いがイソツツジ・ガンコウランなどが咲く高山植物帯になっています。

川を越え下った分登り返して、沼巡り一つめの沼、大沼。笹や木が邪魔して、見えそで見えない焦らし焦らされの沼です。

登山道に覆い被さる太いダケカンバに悪戦苦闘しながら、再び下っていくと大谷地。木道が敷かれ、所々ミズバショウなどもありますが、谷地というよりは笹原になってしまっています。ここで一旦車道に出て一区切り。

後半戦は沼二つめ、神仙沼から始まります。神仙沼は沼巡り中唯一水際まで行ける沼。休憩するならここがオススメ。周囲の湿原には散策用にぐるり一周する木道が設けられています。束の間の晴れ間にほっと一息。

でもあっという間に深い霧がやってきて。三つ目の沼、長沼ではなんだか怪しい雲行きに。

強風に加え、雨も降り出したチセヌプリ山頂。ここも景色がよさそうなのに・・・。

チセヌプリを下ると、また車道に出て、お次はニトヌプリ。ニトヌプリを越えると巨岩のただ中の湿地帯へ。なかなか雰囲気出てます。

雨脚が強くなり、最後は走るように五色温泉へ下山しました。大雪山周辺にはないタイプのコースで、晴れていたら楽しいことでしょう。秋の紅葉シーズンにツアーを組んでみようと思っています。

2008-05-31

マッカリヌプリ(羊蹄山)で強風にあう

7月頭にツアーで行くマッカリヌプリ(羊蹄山)。結構遠い山なので、いつ下見に行く時間がとれるかと思っていましたが、週末の泊まりのツアーが中止となり急遽行けることになりました。

真狩から見上げるマッカリヌプリ。お天気はいまいちでしたが、いちおう山頂は見えています。このままもってくれればいいのですが・・・

独立峰の周囲を4等分するようにつけられた登山道のうち、南向きの真狩コースを登ります。キャンプ場の奥にある登山口から4合目くらいまでは樹林帯。3合目あたりで木々の間から山頂を目にすることができます。まだ道のりは長いですな。

4合目から8合目まではダケカンバの巨木が目立つ九十九折り。視界が開け、下界を見下ろせるようになるので、疲れも吹き飛びます。

流れゆく雲の下に真狩の町が見えています。最近話題の洞爺湖が意外なほど近くにあることに驚きです。

8合目から山頂まではようやく高山帯。ガレあり、雪あり。避難小屋を左に見ながら最後の登りを終えると火口壁に飛び出し、向こう正面に山頂。この雄大な眺め、初めて登った時に受けた感動は今でも忘れられません。火口底には雪融け水の池ができています。

火口壁を時計回りで一周しようとしたものの、避難小屋跡からわずかに進んだ辺りで、これ以上進むことができなくなりました。

というのも、とてつもない強風が吹き荒れていたためなのです。8合目あたりから風が強いとは思っていたのですが、まあ歩くことはできました。でもここはちょうど風の通り道となっているのか、最大瞬間風速はご覧の通り25.4mᦁ