2011-03-09

長い長い尾根をたどって渚滑岳

東内大部山から下山後、滝上町に移動して道の駅泊。翌朝国道を南下して渚滑岳へ向かいます。五区三十五線川の北側尾根を使って山頂を目指します。

出発前に一つ驚かされたことがありました。国道脇の除雪帯に、車が一台、既に駐めてあったのです。旭岳とか三段山とかメジャーどころならいざ知らず、こんな山でしかも平日にまさか他の登山者がいるとは思いも寄りませんでした。同じ日に同じ山に登るなんて、積雪季にはもしかしたら初めての経験かもしれません。

え、ということは、トレースをたどって登れるってことですか?いつも踏み跡のない雪をラッセルしてばかりなので、嬉しいというより戸惑いの方が大きいようなどうも複雑な気分です。とりあえずありがたく跡をたどらせていただきます。

山頂まで基本密な樹林帯です。特に前半部は間を縫うのが億劫なほど。標高600m付近では斜度も増し、スキーでは登るのに苦労する状況になります。先行の方はスキーを脱いでツボ足になったようです。私は脱ぐのも面倒なので、両手で手頃な木の幹を握り、えいやっと体を引き上げつつ登りました。少なくともこのあたりでは完全にスノーシューの方が有利です。

標高点746mを越えると相変わらず木々の密度は高いものの、斜度が落ち着いてくるので多少マシになります。行く先が見えるようになるので気分的にも楽です。見えているのは標高1000m弱の尾根の分岐。あそこまで登れば山頂が見えてくるはずです。

標高800mあたりで、先行の方と出会うことがきました。ここまでトレースをたどらせていただいたお礼をして先頭を交代します。誰かの跡をたどるというのはこんなに楽なものなのですね。本当に助かりました。

標高点974mを越えると、木の間越しに山頂部が見えました。すっかり登りやすくなってきましたし、俄然やる気があふれてきます。

淡々と標高を上げ、標高点1212mを通り過ぎ、ダケカンバが尽きるともうそこは山頂部。残りはもうわずかです。

強い風が当たる山頂に到着。周囲は雪雲に囲まれているのですが、ここだけぽっかりと雲の隙間となっていました。

遠くの山々を見ることはできませんでしたが、登ってきた方向だけは見えていました。長い長い尾根だったなあ。一人で黙々と登って3時間半もかかるのですから。ツアー本番は早めに出発しないとダメですね。雪が締まっているといいのですが。

下りの前半はスキーが活躍。山頂から標高点1212mまでは5分、そこから同974mまでは20分、計25分しかかからず、しかもそこそこ滑りを楽しむこともできました。途中で先行の方(今は後行の方となりましたが)とお別れのご挨拶。

その先はシールを着けたり外したり登り返しがあったり木の間を縫ったりで苦労します。さらに登りでエライ苦労した標高600m付近を滑り降りるのに辛い思いをさせられます。滑ると言うよりはずりずり降りると言う感じ。あれだけ木が密生しているとターンなんて端から無理。ガシガシ木にぶつかってスキーもかなり傷んだだろうなあ。やっぱりこの山はスノーシューが適しているんでしょうね。判断ミスでした。
 
一日たっぷり体を動かして満足感の大きい山行でした。

4 件のコメント:

もっち さんのコメント...

スキーでしたら、下見は登りで終わりにして
南の美味しいという斜面を滑ったらよろしかったのに。
往路だけでは気がとがめる?
では、オサツナイ川からのコースの下見ということにして。
川に下りてから車までが長いでしょうが、それでも、ね。

集合は、午前5時になりますか?

DOEI Takuma さんのコメント...

かなり迷ったのですが、滑り降りた後の林道と国道に出てからの歩きを考えると、尾根の方がまだマシという結論に達しました。

集合時刻は変更ですね。

もっち さんのコメント...

大震災があって山へ行くのが後ろめたい、って人もいるようですね。
私は、節電も寄付もしますが、山へも行きます。
何でも自粛すると景気が悪くなって逆効果だと思うのです。

そうだ、これから1か月の間、山の費用の2分の1を義援金に回そう。
行けば行くほど、寄付が増える。
どんどん山へ行こう。なんか違うかな?

そうそう、手続を踏めば義援金は寄付控除の対象になるんですね。
誰かさんのなん~万分の一かもしれないけど。
これを機会に日本に寄付の文化が根付けばよいと思う。

DOEI Takuma さんのコメント...

実際に災害に遭われた方ほど、他の地域で普通の生活が営まれていることに安心感を覚えるようですね。
私たちにできるのは彼らが帰ってくるべき日常をきちんと維持しておくことなのだと思います。

どんどん山へ行って、どんどん寄付をする。
素晴らしい考えだと思います。