2005-11-30

東京にて

はるばる来ましたぜ、東京。冬になりどんよりした天気が続く北海道とは違い、真っ青な空が広がっていました。そして、予想通りに暖かく、ぽかぽか陽気です。地元のニュースでは「真冬並みの寒さ」と言っていましたが、三代続いた生粋の道産子にとっては「陽気」以外のなにものでもありません。散歩するには最高の一日です。

で、12月になったというのに紅葉が見事です。たとえばこの銀杏。明るい黄色と澄んだ空色がいい塩梅ですねえ。9月の半ばに大雪山の高山帯で最初の紅葉に出会ってから2ヶ月半。これが今年最後の紅葉見物になりそうです。

東京に来た目的は自然公園研究集会に参加することでした。会場は東京大学農学部。時間は午後1時から午後5時まで。せっかくこんなにいい天気だというのに、4時間屋根の下にいて、終わる頃にはすっかり暗くなっていることでしょう。そう思うともったいない気もします。住宅街の細道をくねくね練り歩きたい衝動を抑え、いざ場内へ。

研究集会はかなりの盛況でした。学生さんを含めると80人以上いたそうです。当初の予測よりも多かったらしく、準備した部屋からあふれかえらんばかりでした。自分と同じ興味を持つ人が全国から集まってきていると思うと、心強いような競争心が高まるような不思議な気になります。せっかくなので、ちょいと人脈作りに精を出して来ました。集会の内容については、またいずれ。

2005-11-29

わーい飛行機だあ

明日は東京へ行く日。国内線にはほとんど乗ったことがないもので、ちょっとどきどきしています。

海外に出るには選択肢はほぼ飛行機しかありませんから、国際線に乗るのはどうという気もしないのです。でも、国内の移動で飛行機を使うのは違和感というかなんというか不思議な気がします。18切符でいいよな…とか、フェリーでもいいし…とか、いっそのことヒッチという手も…などど思ってしまうもので。

でもまあ、せっかく乗るのですから、1時間ちょっとの空の移動を楽しんできましょう。

2005-11-27

お食事会

今年の夏山プログラムをつらつらと数えてみると、6月から10月までで全29ツアーが催行され、のべ101名様にご参加いただいていました。6月は例年にない残雪でツアー中止が続出し、7月は団体さんの引率や本州からいらっしゃる個人のお客様の予約でいっぱいだったことを考えると、29回という催行数はかなりがんばったものに思えます。そして、私たちのツアーに参加してくださる方が沢山いらっしゃることに、驚きと感謝の気持ちでいっぱいになります。

今日はそんな感謝の気持ちをこめて、今年の夏山プログラムにご参加いただいたお客様をお食事会にお招きしました。東川町のはずれにある静かなお店で、おいしいお食事と山の写真のスライドショーをお楽しみいただくという趣向です。
何度もツアーに参加してくださっているお客様もいらっしゃいますが、山ではなかなか長時間お話できません。こういう機会に時間を気にせず沢山お話しできると嬉しいものです。ふと気がつくと、あっという間に終了の時刻になっていました。

私と佐久間にとってはとても楽しいお食事会でしたが、皆様には素敵なひとときをお過ごしいただけたでしょうか?いつも山の格好でしかお会いしない私たちが、普通の服を着ている姿をご覧いただけただけでも、価値はあったのかなあと思います。

スノートレッキング詳細決定!

 お待たせしました。冬のスノーシュープログラムの詳細が決定しました。
詳しくはこちらをご覧ください。

2005-11-26

六本木アークヒルズ

 先日講演を聴きにいった「六本木アークヒルズ」のようすを『大雪ジャーナル』にアップしました。のぞいてみてください。

2005-11-25

東京出張

そもそも東京には今まで一度しか行ったことがありません。たしか十年ほど前、サッカーの試合を見に行って一泊しただけです。どこを観光するでもなく、ぶらぶらと歩いて時間をつぶし、夜の試合を見て次の日の昼には帰ってきた記憶があります。いや、だって、別に、特に行きたい場所なんてなかったんです。で、東京に関わったのはそれが全て。

それ以来、行く用事も行きたい気持ちもなかった縁もゆかりもない東京に、なんと月末再上陸することになりました。自然公園関係の興味深い研究会が開かれるということで、どうしても参加したい気持ちが重い腰を上げさせたのです。前回とは違い、今では東京に友人もいますし、登山用品店も見てきたいですし、ちょっと楽しみにしているところです。

研究会の詳細についてはまた後日。

2005-11-24

「希望の新芽」はわたしたちの手のなかに

 タンザニアのゴンベ国立公園で45年間に渡ってチンパンジーの研究を続けてきたジェーン・グドール博士が来日した。国連の平和大使もつとめる博士の講演を、11月20日、東京の「六本木アークヒルズ」へ聴きに行った。『「希望の新芽」はわたしたちの手のなかに』と題して行われた講演の要旨をまとめた。

2005-11-22

知らなかったその2

先日参加してきた「滅びゆく高山植物を守るための市民フォーラム」で、興味深い話を小耳に挟んできました。

北海道の条例で、“登山道外の歩行が禁止できるようになる”というのです。来年4月、アポイ岳が適用第一号になるとか。全くの初耳でした。今まで、登山道外を歩くことはマナー違反ではあっても法律にはなんら背くものではありませんでした。それは国立公園の中でも、特別保護地区でも同様です。ですから、登山道から外れ植生を踏み荒らしている登山者に対しても、その行為を禁止することはできなかったのです。もしそんな条例が施行されているとなると、これはかなり画期的なことです。

少々調べてみると、「北海道希少野生動植物の保護に関する条例」のことのようです。条文を読んでみると、「生息地等保護区」の中の「管理地区」の中の「立入制限地区」に立ち入ってはならない、となっています(第31条・第32条・第33条)。ずいぶん複雑な地区指定の過程が必要なものです。罰則もしっかりついていて、違反すると6ヶ月以下の懲役か30万円以下の罰金(第54条)を科せられます。

アポイ岳では、絶滅寸前のヒダカソウを保護するために、平成18年4月から立入制限地区を設けるとのことです。登山道以外を全て立入制限地区に指定することで、結果として登山道から外れることが違法となります。

実際にはほとんどの登山者が登山道を外れるようなことはしませんし、外れている場合でも一言注意すれば大半は理解してくれます。ですから、この条例が有効であるのは、意識的に登山道から外れる人達に対してでしょう(たとえば盗掘業者のような)。また、稀少な動植物を本気で守っていく意思があるのだ、とアピールする役割もあるかもしれません。

いずれにせよ、今後のアポイ岳と条例の運用から目が離せません。

2005-11-21

知らなかったその1

おとつい旭川で「第7回 大雪山フォーラム」が行われていたとか。札幌で新聞を読んで初めてこういう催しがあったことを知りました。告知のポスターやチラシも見ていないですし、噂さえも聞いていませんでした。しばらく東川を留守にしているので、地元の話題にすっかり疎くなっているようです。

フォーラムの副題は「大雪山を世界遺産に」となっています。というわけで講演者には斜里町長の名が。はたしてこの日本で、自然地域を世界遺産に登録することが本当に良いことなのか?知床の現状について、ぜひとも当事者のお話を伺いたかったものです。

今週末は久々の東川。黒岳や富良野ではスキー場がオープンしたらしいですし、旭岳の状況が気になるところです。

2005-11-19

滅びゆく高山植物を守るための市民フォーラム


という催しが北海道大学内で行われるというので、札幌に滞在中なのを幸いと参加してきました。フォーラムは朝10時30分から夕方17時までという長丁場。大学の授業って毎日こんな感じに長かったっけ。思わず10数年前を思い出しながら、とはいえ学生時とは比較にならないほど熱心に話を聞きました。聞き込んできました。

内容は、もう驚くばかりの盛りだくさんさです。パネルディスカッションあり、事例報告あり、講演に至っては三つもあります。これだけ詰め込めば一日いっぱいかかるのも納得というもの。

なかでも利尻山の登山道補修に関する話は興味深いものでした。利尻山には縁がなく残念ながらまだ登っていないのですが、登山道の侵食・崩壊が激しいという噂は聞いていました。現状は想像以上の荒廃ぶりです。それに対して、昨年から土嚢設置による登山道補修が試験的に行われているそうです。補修の成果は今後の追跡調査にかかっていると思いますが、大規模工事によらない登山道補修を行ったこと自体が評価されるべきでしょう。

また、礼文島のアツモリソウ保護についての事例報告の中で、「礼文には沢山の研究者が調査に訪れるものの、その成果が還元されているとはいえない」という指摘がありました。これは大雪山でも言えることで、研究者と地元をどう結びつけるかは、やはり普遍的な課題なのです。以前書いたように、私たちはこの問題にしっかりと取り組んで行かなくてはなりません。

最後に一言、参加者の中に若い人が少ない、というよりはイナイ…。平日昼間に行われているわけでもないのに、どうしてなんでしょう?そもそも山に若い人がいませんもんね。自然公園や山岳の諸問題を考える上で、この現象は意外に大きな障害になるかもしれません。若い人、もっと山においで。

2005-11-16

シャッターチャンスは逃さない

ここ最近ずっと札幌でデータ解析作業をしていますが、昨日久々に東川に帰りました。東川町役場で開かれた会議に出席するためです。

帰るとなると、せっかくですから大雪山のお姿を拝みたくなるというもの。

早朝札幌を出発してから深川あたりまでは、降雪あり濃霧ありでそれはひどい天候でした。ところが、旭川から東神楽に入ったあたりで青空が見えだし山を覆っていた雲が消えたのです。おお、白く輝く大雪山。十勝連峰もいと美し。空の色も山肌も雲さえも、すっかり冬の気配です。冬らしい良い眺め。これはぜひ一枚押さえておかなくては。

でも結局、写真を撮るのはあきらめました。会議前の打ち合わせが始まる時間がぎりぎりまで迫っていたのです。それに「会議は午前中で終わるし、そのとき撮ればいいや」と思って。ちらっと不安もよぎりましたが、「大丈夫」と思って。

2時間ほどで会議を終え、見上げた空はまだ青く晴れていました。それでは、と絶好の撮影スポットに移動したところ、なんと山の方面にだけ厚い厚い雲が。ああ無念。

せっかくなので、いつもはほとんど撮らないキトウシの写真を。収穫が終わった田んぼと茶色に枯れたカラマツが初冬の雰囲気を漂わせています。この空が山まで続いていてくれれば…。

今日の一言「シャッターチャンスを逃さないように朝は余裕を持って出発する」

2005-11-13

里にも来た

1週間道東をめぐり、1週間札幌でデータ処理をし、昨日久々に東川に帰ってきました。ちょっとした飲み会があり、良い気分で寝床に入り、今朝起きてカーテンを開けてびっくり。
とうとう積もりましたなあ。今年はスキーとアウターを新調したので、じゃんじゃん冬になっていただきたいところです。

2005-11-10

立体登山道

9月に行った登山道侵食調査のデータ解析をようやく始めました。デジカメで登山道の写真を撮り、パソコン上で合成して立体モデルを作るという調査で、去年と今年の立体モデルを比較すれば、侵食によって流された土の体積がわかるという仕組みです。大雪山での写真撮影が終わり、今週から立体モデル作りに入りました。このモデル作りには、実はとても高価なソフトウェアが必要です。もちろん個人では買えませんので、北海道大学・地球環境科学研究院 所有のものを使わせてもらっています。そんなわけで、今週は毎日研究室通いです。

「登山道の立体モデル」といっても想像するのは難しいかもしれませんので、作業中の図を持ってきました。パソコンでちまちまちまちまと目の痛くなるような細かい作業を延々続けると、ようやっとこんな図ができあがります。これ、立体的になっているのわかりますか?登山道を斜め上から見下ろしているところです。で、立体モデルなので、視点は自由に変えられます。真横・真上から見るのはもちろん、地面の下からのぞき込むこともできます。

ぐるぐる回して楽しんでいても何なので、次の作業に入ります。お次はパソコン上の架空の登山道に線を引きます。登山道の上と下に青い線が何本も平行に引かれているのがわかりますか?この線に沿って架空の登山道を輪切りにして、それを横から見ると…

こうなります。登山道に引いた青い線の数だけこの輪切りが作られますから、線を引けば引くほど登山道の凹凸を詳細に知ることができるのです。

今日までで進んだのはここまで。これから昨年のデータとの比較に入る予定です。ちまちまちまちま目が疲れる作業が続きますが、頑張れ。頑張る。

2005-11-06

密やかに更新中 その2

道東山旅編、また密かに更新が進んでいます。やっと10月27日斜里岳・28日羅臼岳分ができあがりました。詳しくはそれぞれの日付をごらんください。
29日に知床五湖にも行っているので、その分も書く予定です。

2005-11-05

氷河期の生き残り

東川町の広報誌「広報ひがしかわ」の中に「大雪山の素顔」というコーナーがあり、東川在住の山関係者が山に関するあれこれを月替わりで書いています。もちろん私たちも執筆陣に名を連ねます。年に一度ずつですが私たちの軽妙洒脱かつ重厚長大な美文名文が掲載され、大人気を博しているようです。たとえば、10月31日に佐久間が書いた文章は最新号に載ったものです。熱い要望にお応えして、わたしが書いた分も出しておきますね。

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 夏の夜。夕涼みがてら街灯の灯る温泉街を散歩することがある。夜というのは不思議なもので、歩き慣れたはずの坂道の見慣れたはずの風景がいつもとどこか違って見える。日中、登山者で賑う歩道にも、ひっきりなしに車が往来する車道にも、今は誰もいない。少々心細くなってきたそのとき、突然森の中から不思議な音が聞こえてくる。何か金属をこすり合わせたような甲高くて短い音。それは・・・?
 愛らしいナキウサギちゃんだ。旭岳温泉街周辺の森はナキウサギの住処なのだ。



 大雪山においてはナキウサギは身近な動物の一つである。鳴き声はたいていの山で聞くことができるし、ちょっとの時間と根気があれば姿を見ることもそう難しくはない。中には登山道のど真ん中にのこのこと出てくるヤツもいる。足下の岩の隙間から上半身だけ出して周囲を覗っている姿を見たときには、可愛すぎて失神しそうになってしまった。そう苦労しなくても会えるニクイヤツ、温泉街にもやってくる身近なアイドル、それが大雪山におけるナキウサギ像だ。

 しかし、全国的に見ればナキウサギは珍しい動物である。日本での生息域は大雪山を中心とする北海道のごく一部に限られる。そもそも「氷河期の生き残り」などと呼ばれ、二つ名からして稀少感をたっぷり醸し出しているではないか。過去の寒冷期に北海道と大陸が陸続きとなったときに渡ってきたはいいが、それぞれが海峡で隔てられた今となっては帰れなくなってしまった、という悲劇がその由来だ。そう考えると、大雪山にナキウサギが住んでいることは、単に珍しいというだけの話ではないことがわかる。背後には長い長い地球の歴史が横たわっているのだ。

 ナキウサギも無駄に愛くるしいわけではない。今度、ナキウサギの声を聞いたなら、彼らが大雪山に住み着くまでに経てきたはるかな道程に思いをはせてみてはどうだろうか。

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普段とは文体を変えて書いていますので、ちょっと感じが違うでしょ?

2005-11-03

密やかに更新中

道東山旅編、密かに更新が進んでいます。まずは10月25日雌阿寒岳・26日摩周岳分ができあがりました。詳しくはそれぞれの日付をごらんください。
27日斜里岳と28日羅臼岳の分は、まずは写真だけ載せてあります。これも明日明後日には仕上げてしまいたいところです。

2005-11-02

プログラム報告更新しました

 10月23日「西クマネシリ岳」の山行報告を山樂舍BEARホームページにアップしました。
詳しくはこちらをご覧ください。