きのう、忠別岳避難小屋から高原温泉へ下山しました。18日にクチャンベツ登山口から五色ヶ原・五色岳を経て忠別岳避難小屋に泊まり、19日に忠別小屋からトムラウシ山頂を往復、20日に高根ヶ原・白雲岳避難小屋経由で下山という予定でしたが、19日は雨と強風のためトムラウシ登頂を諦め、一日停滞となりました。
天気図をとるために持っていったラジオで終日ニュースを聞いていると、トップはほとんど、トムラウシでの大量遭難についてのものでした。ニュースを聞いていて抱いたのは「何も変わっていないなぁ」という思いでした。
関心のある方は「時期外れのツアー登山」というタイトルで、2001年6月に佐久間が書いた記事を読んでみてください。
関連記事としては以下のものもあります。
異議あり!「百名山」
今回の遭難事件(これは「事故」ではないと考えます)の本質は、利益第一主義の旅行業界の体質だと、私は考えています。航空機や鉄道の事故と同様に、利益を重視すると安全は軽視されざるを得ません。以下は憶測に過ぎませんが、ツアーリーダーなりガイドなりが、悪天候のなか出発を決行したのは、安全よりも会社の損失を減らすことに判断が傾いた結果だと思います。
これから刑事・民事の裁判を通じて事実が明らかにされていくと思いますが、今回の大惨事の責任を現場のガイドのみに押しつけ、会社の責任を軽視するような判決が出されることのないよう、強く望みます。
以前穂高の山小屋で働いていた頃、高山病で亡くなった方の遺体搬出を手伝ったことがあります。モノになってしまった人の身体の、筆舌に尽くしがたい独特の"重み"は、いまでも忘れることが出来ません。亡くなった方々や御家族、救助にあたった関係者の無念さを思うと、二度とこのような悲劇を起こしてはならないと、強く思います。
亡くなった方々のご冥福をお祈り申し上げます。
2 件のコメント:
私がしばしば貴重な情報を得ている「三段山クラブ」さんの「cafe三段山」で本件について、議論が展開されています。
新事実が明らかになるごとに事実を整理しながら、多数の方が情報を寄せ合って意見を述べているので(管理人さんや常連さんに批判的、敵対的な方も含みます)、考える材料が豊富です。
佐久間さんのウォッチング03・10・22「「いのち」と「おカネ」」もガイド側の話として引用されています。
さて、私は02年の教訓として、とりあえず雨具に撥水スプレーをすることにします。
しばらくしてませんでした。
一から装備の見直しをしています。
貴重な情報ありがとうございます。時間のあるときに見てみたいと思います。
本来、「いのち」と「おカネ」は天秤にかけてはならないもののはずなのですが……。ガイドとしては肝に命じなくてはならない事件です。
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