田植が延期になりぽっかりと空いた時間を利用して、多忙のために行くのを諦めていた「大(Oh!)水木しげる展」を旭川の道立美術館で見てきた。まさに「忙中閑あり」である。
午後三時頃、美術館に入り、入場料¥1,000を払う。入り口にいた女性がすすめるので、「音声ガイド」という機械を¥500で借りることにした。チョコレートをひとまわり大きくしたようなサイズで、作品に付けられた番号を押すと、水木しげる氏本人が作品や当時の時代背景やその頃の思い出などを自身のことばで語る。
入館時間が遅かったため、音声ガイドを聞きながら、作品を見て回るうちに閉館時間が来てしまい、アナウンスに追い出されるように展示室を出るはめになった。じっくり見てまわるためには、半日必要だろう。
さて肝心の内容だが、時間が足りなかったことでもわかるように、かなり充実したものだった。太平洋戦争で南方戦線に送られて片腕を失ったり、現地の人と仲良くなって食べ物を恵んでもらったりして親切にしてもらい、現地で除隊して残ろうと本気で考えた話。帰国後も紙芝居の作者や貸し漫画の作者などで極貧生活を送り、「こんなに働いても貧乏な仕事が世の中にあるのか」と奥さんを呆れさせたという話などが、漫画で描かれていて、ついつい引き込まれてしまう。
貧乏生活時代は「腐りかけたバナナを安く買ってきて夫婦で食べるのが唯一の楽しみだった」という話は、50%引きの台湾バナナや「とよのか」イチゴをいつも食べている身にとっては、とても他人ごととは思えなかった。
旭川近辺の方は要チェックだ。
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