2005-11-19
滅びゆく高山植物を守るための市民フォーラム
という催しが北海道大学内で行われるというので、札幌に滞在中なのを幸いと参加してきました。フォーラムは朝10時30分から夕方17時までという長丁場。大学の授業って毎日こんな感じに長かったっけ。思わず10数年前を思い出しながら、とはいえ学生時とは比較にならないほど熱心に話を聞きました。聞き込んできました。
内容は、もう驚くばかりの盛りだくさんさです。パネルディスカッションあり、事例報告あり、講演に至っては三つもあります。これだけ詰め込めば一日いっぱいかかるのも納得というもの。
なかでも利尻山の登山道補修に関する話は興味深いものでした。利尻山には縁がなく残念ながらまだ登っていないのですが、登山道の侵食・崩壊が激しいという噂は聞いていました。現状は想像以上の荒廃ぶりです。それに対して、昨年から土嚢設置による登山道補修が試験的に行われているそうです。補修の成果は今後の追跡調査にかかっていると思いますが、大規模工事によらない登山道補修を行ったこと自体が評価されるべきでしょう。
また、礼文島のアツモリソウ保護についての事例報告の中で、「礼文には沢山の研究者が調査に訪れるものの、その成果が還元されているとはいえない」という指摘がありました。これは大雪山でも言えることで、研究者と地元をどう結びつけるかは、やはり普遍的な課題なのです。以前書いたように、私たちはこの問題にしっかりと取り組んで行かなくてはなりません。
最後に一言、参加者の中に若い人が少ない、というよりはイナイ…。平日昼間に行われているわけでもないのに、どうしてなんでしょう?そもそも山に若い人がいませんもんね。自然公園や山岳の諸問題を考える上で、この現象は意外に大きな障害になるかもしれません。若い人、もっと山においで。
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