3月8日(土) 瑠辺蘂山
3月9日(日) 旭岳・姿見
3月15日(土) 旭岳・ガマ岩
3月16日(日) 班溪幌内山
3月20日(木・祝) 旭川最西端
3月22日(土) 雲居山
3月23日(日) お鉢平
3月29日(土) 摺鉢山
3月30日(日) 坊主山どうですか、この見事な晴れっぷり!15日(土)の雨を除くと、ことごとく晴れか快晴。いいです、いいですよ、いいんですよ!このまま週末毎に晴れる周期でずっといっちゃってください!
昨年4月のツアーでは図下部の白丸(2007.4.1)から歩き出し、山頂まで青破線と赤実線をたどり片道4.6kmでした。今日は図中部の白丸(2008.3.29)まで車で行くことができ、山頂までは赤実線のみの片道2.7km。歩行距離を比べると、実に4割減という結果です。時間的にも片道約1時間の短縮。往復2時間も短くなるなら、体力的にはほとんど別の山のようなものです。
国道から林道が分岐するところがわずかに除雪され、車1~2台駐車できるスペースができていました。おそらく他の登山者は来ないでしょうが、一応ぎりぎり詰めて駐車しておきます。
林道をたどって歩くこと小一時間。見上げれば木々が白く雪化粧しているのが目に鮮やかです。雲がちな空ですがときおり太陽も顔をのぞかせ、雪をキラキラ光らせていて、こんな景色を見るのも久しぶりで嬉しくなってしまいます。
ぐっと近寄ってみると、今日の雪はちょっと面白い着き方をしていました。本体はふんわり丸々と、そこから針のような結晶が幾本も突き出ている。息を吹きかけるだけでハラハラ落ちて、枝にしっかりくっついているわけではないようです。
林道から外れ尾根に取り付いた後は、おおむねこんな感じの樹林帯が続きます。基本的にスキーで直登できる斜度で、わずかに緩くなったり急になったりを繰り返して標高を稼ぐのです。
標高1450mあたりで、尾根が細く平らになり、高山帯の雰囲気をまといだしたら、山頂まではもう一息。さっきまで悪くないお天気だったのに、すっかりガスの中ですね・・・
山頂直下の急傾斜は右から大きく巻くのが良いようです。でも・・・
もうハイマツを踏まないでは通り抜けられないほど雪融けが進んでいました。それでもできるだけ雪だけをたどって登り、ここが有明山山頂。所要3時間25分。歩きやすい雪のおかげで、ほとんど汗をかくこともなく登ってこられました。
樹林帯を歩いていて、雪にできた丸い窪みの中に、小さいカリントウのようなフンが固まっていたら、それはエゾライチョウのフンです。独特の形をしていますから、すぐに見分けがつくでしょう。雪面が丸く窪むのは、雪の中にうずくまって暖をとった跡なのだそうです。
曇りのち晴れの天気予報通り、出発時の空は薄暗い雲に一面覆われていましたが、30分も歩かないうちに陽光が射し、見る見る晴れ間が広がっていきます。
地形と地形図を見て適当にルートを決め登っていくと、スノーシュー・スキー・ツボ足のたくさんの足跡。誰しも考えるルートはそう変わりないようです。標高点554.9mに達すると視界が開け、正面に目指す突角山が。・・・まだしばらく登らないとなりませんね。
しばらく木々のない開けた尾根が続き、ここまでまだ1時間ほどしか歩いていないというのに、早くもこんな景色を見ることができます。旭岳から黒岳にかけての山塊がどっしりと鎮座しています。
ここから樹林帯の稜線をひいひい言いながら登っていきます。 山頂に近づくに連れ徐々に細くなる尾根の真ん中に大きなダケカンバが二本。まるで阿形・吽形のようにも見えます。
突角山の山頂は左右に狭くて、細長く緩い形をしています。たくさんの足跡とイスを掘った跡が先週末賑わっていたことを思わせます。反対方向からスノーモビルが上がってきた跡もありますね。
展望は抜群です。山頂に至ると最初に目に入るのが天塩岳。左から、前天塩岳・西天塩岳・天塩岳。普段あまり目にしない、ちょっと面白い角度で見えています。
もちろん表大雪・北大雪もばっちり。石狩川を挟んで、雄大な風景が広がっています。
登りはたくさんの足跡で賑やかだったので、下りは違う尾根を帰ることにしました。山頂から見て南にある標高点903m側に下り、同715m・579m・556mとたどります。地形図を見て、思うがままにルートを変えられるというのは雪山ならではの楽しさです。おかげで人の気配のない静かな下山を満喫できました。
こんな最高の晴天だというのに残念ながらツアーが中止となってしまったため、泣く泣く一人でやってきた旭岳。山頂を踏み、間宮岳を経由して、大塚へと向かうコースを歩くことにしました。 それにしてもなんて行楽日和な青空だこと・・・
いい具合に湿った雪はシールの効きも良く、八合目を越え岩場のトラバースに入る直前までスキーで登ることができました。頑張ればそのまま山頂を踏めそうでしたが、ここからはスキーを担いで歩いていくことに。
山頂に着いてもやっぱり空は青いまま。何度来ても旭岳山頂は気持ちが良い場所です。いつになく遠望も効き、トムラウシの隣には遠く日高山脈がくっきり見えていました。しばし休憩したら、裏旭に向かって滑り降ります。次に目指すは間宮岳。
と、その前に、夏には行けない熊ヶ岳の火口底を通っていくことにしますか。多少登り返さなければなりませんが、雪のある時しか登山道を外れることはできませんから。
熊ヶ岳から間宮岳まではすぐ近く。平らな山頂にぽつんと置かれた標識には、まだたっぷりとエビのしっぽが張り付いていました。旭岳山頂のものはすっかり無くなっていましたが、こちらは堂々たるものです。
間宮岳からは、熊ヶ岳の肩を舐めるようにして大塚の麓へ下ります。一見スキーにぴったりのように感じられる緩い斜面も、ウィンドクラストが溶けつつあるような半端な雪の状態に、滑り降りるのは大変苦労させられました。
大部分で深い沢形が残っているピウケナイ沢。渡りやすい箇所を見つけて対岸へ渡ると、目指す大塚は間近となります。後に控える安足間岳がまた格好いいこと。
標高差200mをぐいぐいと登り返して岩がちな大塚の頂きに到着。裾合平を隔てて旭岳・熊ヶ岳の連なりが見事です。
見下ろす小塚。ついでに小塚の山頂も踏んでおこうか?とも思いましたが、それはまた今度にしましょう。強い直射日光とかなりの上り下りに疲れてしまいました。
裾合平の広い雪原を姿見駅に向かって歩いている途中、頭上をすうっと飛行機が横切っていきました。そしてその後、旭岳の真上に白い飛行機雲が現れます。なんとも長閑な風景・・・今日も一日よく歩きました。
山頂から見渡すと、凌雲岳・黒岳にはもうほとんど積雪が見られず、黒い山肌が露出しています。
間宮岳の平坦な山頂では、雪が融け地面が出てちょっとした水たまりができていました。
北大雪・有明山から、表大雪はもちろん、十勝連峰・富良野岳までを一望のものにできる山がいったいいくつあるというのでしょう?
上川中学校で行われた「大雪山の魅力を再発見する」という講座に講師として招かれ、1時間ほどお話しをしてきました。
久しぶりに入る中学校の建物。そこここから若い元気な声が聞こえてきます。参加者は生徒さんが7名、先生他6名の計13名。こぢんまりとした図書室で、こぢんまりと講座が執り行われました。
無事に(?)おつとめを終え校舎を後にすると、グラウンド越しに夕映えの大雪山が目に飛び込んできました。普段あまり見ることのない角度からの大雪山です。きれいなこの景色は、まるで一生懸命準備したご褒美に思えました。
冬には一般的に登られているという南東尾根を使って山頂を目指すことにしました。 登山口となる林道分岐から、真っ青な空の下の南東尾根。朝あれだけ寒かったのに、もうすっかり暑いほどの気温になっています。太陽の力おそるべし。スキーを履いて、早速登りにかかりましょう。
ところが!まさかこんなに雪が少ないとは!日当たりの良い南東向きの尾根だけに、場所によっては斜面のほとんどの部分で笹が出ていて、雪を伝って登ることが難しい有様。ときに笹の上を歩きして、なんとかこの斜面を登りきりましたが、これでは帰りが思いやられます・・・
さらに悪いことに、びっしょり湿った雪が、シール一面にくっついて歩きにくいこと!落としても落としてもまたくっつく悪条件の中、頑張って標高を上げ、エゾマツ帯からダケカンバ帯に移行するあたりで、ようやく雪も落ち着いてくれました。
登るに連れて、どんどん増す傾斜。ダケカンバ帯が終わりハイマツが現れるあたりで、スキーをデポして行くことに。振り返ると、たどってきた南東尾根がはるか眼下。広がる森、青い空。
ハイマツ帯の急傾斜を一登りすると、平坦な山頂部に飛び出します。ここからがまた辛かった・・・。一足踏み出して雪面に乗り、次の足を踏み出そうとするとグサッと雪が崩れてスネまで埋まる。この繰り返しが果てしなく続いたのです。一見歩くには楽そうな高山帯ですが、半端に固められた雪が災いしました。これなら深雪のラッセルの方がどれだけマシか。
でも、こんな景色が見られるのですから、力も湧いてこようというもの。振り返ると間近に雌阿寒岳・阿寒富士。
8合目標識からの本当に辛い道のりを終え、9合目標識から見上げる雄阿寒岳山頂。あまりの大変さに、もうここで引き返そうとも思ったのですが、山頂から向こう側の景色も見てみたいし、なんとか力を振り絞ることに。
そしてようやく、本当にようやく付いた雄阿寒岳山頂!おめでとう!
頑張った私をねぎらうかのように、どこまでもスッキリと続く青空。藻琴山・摩周岳・斜里岳・屈斜路湖・パンケトー・ペンケトーが一望の下。これは登ってきた甲斐があったというものです。