草の間から見えるスミレ。春の低山と言えばまずこの花ですよね。
こちらも春の定番エゾイチゲ。日当たりの良い登山道にはたいてい咲いている気がします。
ミヤマエンレイソウも少数ですが咲いていました。チラチラと木漏れ日の射す林床に咲いている様子は、どこか儚げな印象があります。いよいよ始まったお花の季節。ほんの短い間ですので、しっかりと楽しみましょう。
もうすぐほろこびそうな淡い緑色。ツルアジサイの若葉です。
自己主張の激しい真っ赤な葉はナナカマド。まだできあがっていない葉緑素を紫外線から守るために赤い色をしているのだそうです。
こちらはオオカメノキ。葉っぱと一緒に花も開きつつあります。真っ白で爽やかな花を咲かせる、春を代表する花の一つ。
若干雲が出ましたが、それでもかなり良いお天気。さあ、今日はどのあたりをうろついてみようか・・・と昨夜から色々楽しみに考えていたのですが、残念ながらやんごとなき事情があり、真っ直ぐ下山することになりました。
昨日より一層雪融けが進んだ沢。渡る箇所がさらに限られていました。もう少しでスキーを履いたままでは渡れなくなるでしょう。
帰り道、忠別ダムから見た山々。右の大きな山が旭岳で、その右側の裾野を奥に向かって歩いてきたわけです。朝よりも雲が薄くなってきました。もっと山の中で過ごしたかった・・・
急斜面を避けて夏道よりも大きく右に迂回しながら登っていきます。振り返ると白雲小屋の奥にトムラウシが見えています。
ここまで登れば白雲岳の火口底までは一直線。さて、幻の湖は現れているでしょうか・・・?
あった!ありました!きれいに出ています。
取り合えず山頂に登っちゃいましょう。高いところから見るほうがきれいですから。
ほら。目線を高くすると空の青が映ってきれいに見えます。後に控える東大雪の山々も良い感じ。
火口壁を伝うようにもう一登り。
白雲岳山頂到着!ここから見るトムラウシは絵になりますね。
先ほどとはまた少し違って見える幻の湖。
旭岳方面を眺めると、ご存じ残雪とハイマツのストライプ。まだ雪の方がはるかに多いですが。
ひとしきり写真を撮ったら、雪を伝って湖の畔まで行ってみます。間近に見るのもきれいですね。
水の底には植生が見えています。湖が干上がり夏になると、ここはイワウメのお花畑となるのです。
さらに雪を伝って山頂の反対側へ。(マナー的に)雪が繋がっている時にしか来られない場所なので、あまり見ない角度の白雲岳です。
後を振り返ると、はるか下方に白雲小屋が見えていました。ここ、一直線に滑って降りられたら楽でしょうねえ・・・。
で、降りちゃいました。たぶん今年最後のスキー滑降。一気に滑り降りて気持ちよく締めることができました。
夕闇迫るトムラウシ。結局今日は誰も小屋に来ないようです。この風景を独り占めできるなんて、この上ない贅沢ですよね。
小旭岳を後にして、次に向かうのは小白雲岳です。正面に見えている一番高いのが白雲岳で、その右側に控えるちょっとした高まりが小白雲岳。ほぼ平坦な斜面をゆるゆると登っていきます。
振り返ると小旭岳は山というより丘に見えます。右手の高まりは後旭岳。
それにしてもなんと真っ平らな場所なのでしょう!ただでさえ平らな高根ヶ原の上に雪が積もり、微少な凹凸さえも均されているため、驚くべき平坦さになっています。
小白雲岳の麓に到着。ここから見ると小白雲岳が岩の積み重なったちょっとした丘であることがよくわかります。右手からぐるりと巻いて小白雲岳山頂に立ち寄っていくことに。
小白雲岳山頂にはほとんど雪がありませんでした。冬の間ここはかなり強く風が吹き付ける場所なのでしょう。
小白雲岳から白雲岳を見上げて。左の出っ張りが山頂です。ここから真ん中の雪を伝って登ろうかとも思いましたが、一旦小屋に寄って荷物を置いていくことにしました。
小白雲岳山頂の端の方には若干雪が残っていて、融けて水たまりを作っていました。ということは白雲岳山頂にも湖ができているかもしれません。
白雲岳の斜面をトラバースしながら真っ直ぐ白雲小屋へ。
13時10分白雲小屋到着。白雲小屋の煉瓦色の外壁が青空によく映えています。快晴の土曜日ですから、もしかしたら賑やかな一夜になるかもしれません。
朝7時40分旭岳温泉発。太陽がギラリと射し、空気はすでにぬるくなっています。雪面もグサグサです。しばらくスキーコースを登り、第一天女ヶ原でコースを外れます。ここでコンパスを小旭岳に合わせ、あとはとにかく真っ直ぐ進むだけ。
地形図を見ると青い水線の入った沢が何本かありますが、渡るのに苦労するのはむしろ記載のない小さな沢です。音を立てて水が流れていて、7割方水面が見えています。渡れそうな場所を見つけるのに上下を偵察する必要があります。
二つ沢を渡ると溶岩堤防に囲まれた庭に出ます。このあたりの感じは、ロープウェイを挟んで反対側の瓢沼に似ています。
溶岩流に沿って登っていくと、エゾマツの間から旭岳が見えました。この角度からの旭岳は見慣れない表情をしています。
さらに登って振り返ると、こちらも面白い表情の岩壁。盤の沢の台地を反対側から見た様子です。
登り切るとそこは真平らな広場になっていました。かなり広い広場です。正面に目指す小旭岳が見えてきました。
左を向くと間近に旭岳。遮るものは何一つありません。
反対を見ると化雲岳を中心に、左に凡忠別岳、右に小化雲岳。
真正面に小旭岳があるので、どうしても真っ直ぐ向かって行きたくなりますが、雪庇の発達した尾根は上部から巻かなければなりません。
小旭岳の裾を流れる沢形も、左から巻いていく方が楽でしょう。
小旭岳と後旭岳のコルに到着。ここまで来れば小旭岳へはわずか。
10時10分小旭岳到着。山頂には背の低いハイマツが広く露出しています。そこから振り返ると、旭岳と後旭岳が仲良くならんでいました。
右手には白雲岳。その右に侍るのが小白雲岳。一息入れた後は小白雲岳を目指します。