層雲峡の外れ、北大雪に屏風岳なる山があります。標高は1800mに届かず大雪山の中にあってはそう目立つ山ではありませんが、ぜひこの山に登頂したいという熱烈なリクエストがとあるお客様から寄せられました。夏山登山道はありませんので、スノーシューを使って下見に行くことにしました。
出発は大函の駐車場から。トイレの横から延びているニセイチャロマップ林道をたどり奥へと進みます。
まだ雪に覆われている林道には、ヒグマの足跡とスキーのトレースが仲良く並んでついていました。そこにもう一つスノーシューの跡をつけていきます。
5分ほどで橋を渡ると林道が分岐します。新大函林道に進路を取りやや引き返すような方向へ。積雪と斜度を勘案して適当な場所で林道を外れ標高点878mを目指します。
標高点878mからしばらくは針葉樹が優占する緩い尾根が続きます。標高1100mあたりで斜度が出てきて、それにともなってようやく山頂付近を目にすることができます。地形図を確認すると、左から登ってきている尾根が平らになるのが標高1700m。一つ手前の小さめの尾根と合流するのが標高1600mあたり。まだ一登り二登りあります。
標高1350m付近から見上げる尾根筋。尾根上に樹木がなくなりすっきりと歩きやすくなってきました。ここからの標高差150mほどが今日一番きつい登りです。
急登を終えて標高1550m付近で斜度はぐっと緩くなりました。雪庇が大きく発達しているので、できるだけハイマツの側を歩くようにしたのですが、ズブズブずぶずぶ雪が腐っていてスノーシューを履いていても腰までハマってしまいます。ハイマツから幅1mくらいは同じ状態ですから、腐れ雪を避けようとすると今度は雪庇の先端に近づいてしまいます。
仕方ないので尾根の西側にルートを取ることに。こちらは雪庇を踏み崩す心配こそありませんが、その代わりハイマツを漕がなければなりません。ハイマツを踏んでいくのでスノーシューを脱ぎ、そのせいで時折現れる雪にはスネくらいまで埋まりながら歩く羽目になりました。
それでも標高を上げていくにつれ、ハイマツの背が低くなり雪も少なくなり、徐々に歩きやすくなります。標高1750mで東西に細長い山頂部に出ました。
あまりお天気はよくありませんが、一瞬ガスの合間から黒岳を中心とする表大雪の山々が垣間見えました。
山頂部には踏み跡があり、そこそこの登山者が訪れていることがわかります。
登ってきた尾根を振り返って。こうして見ると結構な急登ですね。
山頂部を進んでいる途中、左手に深い谷を挟んで平山を中心とする北大雪の山並みが見えていました。
山頂直前。長かった道のりもあとわずか。このあたりはかなり雪が残っています。もちろんズブズブです。
屏風岳山頂到着。歩いてきた方向を振り返って。なかなか立派な山容です。感じとしては武利岳に似ている気がします。すぐ側にある山ですし、もしかしたら成り立ちが同じなのかもしれませんね。
所要時間は4時間弱でした。雪が締まっていればもっと楽に登れると思います。左右にすっきりと切れ落ちた山容なので展望はかなり期待できそうです。残念ながら今日はガスに巻かれてほとんど眺めを楽しむことはできませんでしたが。
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