札幌岳からわずか北東に標高893.3mのピークがあります。山容は特徴的で、富士山を左右から挟んでつぶして細長くしたような感じですが、地形図には三角点記号があるだけで山名は載っていません。登山道もない名前もないごくマイナーな低山といったところでしょうか。調べてみると、設置されている三等三角点の点名は「盤ノ沢」となっています。ずいぶん昔に札幌岳に登った時におそらく目にしているとは思うのですが、全く意識の中には入っていませんでした。
そんな三等三角点・盤ノ沢に登ってきました。もちろん自分で発案したわけではなく、さるお客様からのリクエストなのですが。 三角点を踏むついでに足を延ばして最高点にも立ちたいというのが流石です。
まだお正月気分が濃く残る札幌市街を通り抜け、南区豊滝にやってきました。林道入口に車を置き、まずは札幌岳の夏道登山口を目指します。林道にはスキーとスノーシューの跡が一つずつ。この年末年始のものでしょう。結構登られている山なのかもしれません
雪に覆われた札幌岳登山口。もう10年以上前の夏に一度登ったきりなので、この辺りの感じは全く覚えていません。三等三角点・盤ノ沢の真西あたりで林道を外れます。スキー・スノーシューの跡ともここでお別れ。でも積雪は少なめで、つい先日股下までの深雪を漕いできたので、とても楽に感じます。
これは楽に山頂に立てるかな、と一瞬思いましたが、そうは上手くいかないのが世の常。最高点から南西に延びる尾根に取り付いた辺りで様相が一変して、急登とヤブが立ちはだかってきたのです。実際には、斜度自体はそこまで大変というわけではなかったのですが、登りやすいルートをことごとく立木が邪魔をしてきます。
基本、ヤブが濃く遠望はほとんど効かないのですが、ときおり背後が明るくなり少しだけ疲れを癒してくれます。
こんなヤブが延々と続きます・・・。ストックを握っているよりも、幹や枝に手をかけている時間の方が遙かに長いありさま。ラッセルがほとんどないので、下半身より上半身を使って登る感じです。
ここが三等三角点・盤ノ沢を含む山体の最高点。標高およそ940m。登るにつれて斜度が増し、尾根が細くなり、立木の密度も高まり、標高差400mを登るのに2時間30分近くかかってしまいました。
雪雲の合間にときおり陽射しが刺すお天気。山頂からは青空を見ることはできませんでしたが、一瞬の隙に札幌岳方面が現れました。札幌岳ってこんな形の山だっけ・・・。ほんの少し休憩して、次は三角点へ向かいます。
細い尾根をたどってやってきた三角点。もちろん標柱自体は雪の下ですが、ピンクテープが巻かれているのでそうとわかります。最高点まで目印は一切ありませんでしたが、最高点~三角点の小ピークから先になると要所にテープが見られるようになりました。今日私が登ったルートとは反対側からは登ってくる人が結構いるということですね。
三角点からの下りもこの通りのヤブ。せっかく傾斜のある下りなのに、全然スピードが出ません。通り抜けられる箇所を探して、右にウロウロ、左にウロウロ。
2012年の初登り、仕事始めはなかなか難儀な山でした。
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