11月30日(日) 高曇り
銅山峰ヒュッテは標高も1200mに満たないし、ここ数日と比べてそう冷え込んだわけではないと思うのですが、なんだかやたらと寒い今朝。あまりの寒さにゆっくり寝ていることもできず、まだ暗い朝4時に早々と起きることにしました。ガスストーブでお湯を沸かして、テント内を暖めようという算段です。
狭いテントの中でガスストーブを使うときには、特に換気に気を遣わなければなりませんが、たとえ外の冷たい空気が入ってきたとしても差し引きでははるかに暖まる方が上回るものです。それに熱いコーヒーでも飲めば、体の中からも暖を取ることができます。
寝袋から上半身だけ出して、ヘッドランプをつけて。山行最終日が始まりました。
日の出時刻は7時少し前。 暗いうちに食事を終え、薄明るくなってきたころに荷造りを始め、7時30分出発。昨日は気がつきませんでしたが、ヒュッテの前からは新居浜の街が見えていました。今日は新居浜目指して下っていきます。
もともと銅山越からは、東赤石山を目指し別子山に下山したいと思っていました。東赤石山を含む赤石山系もなかなかいい山のようだからです。でも、今日は高松まで移動しなければならず、下山後の交通手段などを考えると、東赤石山は諦めて新居浜側に下りざるを得ないという結論に達しました。次の機会があるかはわかりませんが、赤石山系は今後の楽しみにとっておくということに・・・。
銅山峰ヒュッテから鹿森ダムへ続く道は、歴史を感じさせる道でした。石の舗装が延々と続いているのが印象的です。江戸の昔の人夫さんたちは、この上を銅や何やを背負って歩いていたのでしょうか。
急な坂を下りきると、平らな広場に出ました。そこにはこんなものも。第三通洞です。1902年に開通した山を貫くトンネル。100年も前のものなのですね。この辺りからはもう産業遺産巡りの観光をしているようなもので、あらかじめ予習してきたなら、あるいはガイドさんに説明してもらいながら歩いたなら、どれだけ興味深かったかと思わされます。
第三通洞のすぐ側にはこんな建物も。これはいったいなんなのでしょう・・・。よく考えたら、別子銅山については、名前こそ聞いたことがありましたがどこにあるのかすら知りませんでしたし、詳しいことはなおさらです。でも山の中に点在する遺跡・遺構・遺物の類を見ていると、それぞれが持つ歴史と意義を知りたい!と強く思わされました。
どんどん標高を下げていき最終的に登山口の標高300mに至ります。今回の縦走は標高1300mから始まり、1400m~1900mくらいを上下しつつ、昨日の銅山峰ヒュッテで初めて1300m以下へ下りました。今日はそこから低くなる一方です。針葉樹林帯が終わるとやがて落ち葉が敷き詰められた道となり、ずいぶん久しぶりにカサコソ踏みしめ歩きました。
鹿森ダム脇にある登山口に到着したのは9時4分。これから30分弱歩けばマイントピア別子で、そこにはバス停もあり温泉もあります。しっかり温泉に浸かって、5日分の疲れを癒し汚れを落とすことにしましょう。
信仰の山から始まり、雪の山となり、最後は産業遺産の山となった今回の縦走。初日を除いてあまりお天気には恵まれませんでしたが、様々な山の表情を見せてもらい大変楽しむことができました。2日目以降はほとんど誰とも会わない静かな静かな5日間でした。
今日の行程
銅山峰ヒュッテ-銅山峰登山口
所要時間:1h34
歩行距離:4.5km
累積標高:+133m/-994m
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