2008-12-20

四国山行12日目 小豆島

12月1日(月) 快晴


早朝の高松。まだ真っ暗な県庁裏。その中でただ一軒に煌々と灯りが点り、面する路地がほのかに照らされています。それはうどん屋さん。新聞屋さんでも牛乳屋さんでもなくコンビニでもなく、うどん屋さん。だってここは高松。讃岐うどんの聖地。

開店直後6時にのれんをくぐると、前後してぞくぞくとお客さんが入ってきます。それも旅行者ではなく地元の人のようです。恐るべしうどん文化。彼らはうどんを食べるためだけに早起きするとでもいうのでしょうか?もちろん、安くて美味しかったのは言うまでもありませんが、それにしても6時って。

食べ物にはあまり興味のない私が、夜が明ける前からうどんを食べに来たのには訳があります。実はここで京都在住の先輩と合流したのです。先輩がうどんを食べるというので、のこのこついてきたのでした。そうでもなければ、とても一人ではいわゆる「セルフ方式」のうどん屋さんには入れません。

食後は腹ごなしがてら、てくてく歩いて高松港まで。小豆島行きのフェリーに乗ります。今日はこれから男二人で小豆島を観光し、その後姫路-京都と移動、先輩宅に何泊かさせてもらう予定です。 それにしても、このお天気はどうでしょう!山から下りてこの快晴。この空を山の中で見せてくれよ、と悲痛な叫びが心の中にこだまします。

祝!初上陸。オリーブで有名な小豆島。郵便局の名前だってオリーブです。当初の予定になく、思いがけずやってきましたが、初めて訪れる土地はどこだってワクワクさせてくれます。

土庄港に着いてバスで坂手港まで移動して、最初に向かうは小豆島八十八ケ所霊場の一番札所でもある洞雲山。あの尖った頂を目指します。小豆島は香川県に属していますので、あの山も一応四国山行の続きと言えるでしょうか。

見た目はそそり立つ岩壁という感じですが、前半はもろに生活道。両側に家が迫る細い道をくねくねと行きます。ときにはお遍路の道標に導かれたり。

ときにはお寺の境内に迷い込んでしまったりしながら。なにせ狭い道があちこちで分岐して交差して、しかも登山口を示す道標なんかもなくって、 行きつ戻りつああでもないこうでもない。ガイドブックを持っていてもこの様ですから、複雑怪奇さでは群を抜いています。

それでもなんとか登山口を発見し、ようやく生活道を離れて林の中に入っていきます。やれやれようやく登山道かと思いきや、やっぱりそんなはっきりした道があるでもなく。ところどころ赤テープが貼ってはあるものの、その間をどう繋げたものやらさっぱりわかりません。というか、林床には植生がなく落ち葉しか見あたらないので、適当にどこでも歩けてしまうのです。いい加減面倒になってきたので、正しい道を探すのを諦めて木々を縫って直登することにしました。

やがて白っぽい岩が露出するようになり、 そうすればもう山頂は間近。左側はスパッと切れ落ちていて、標高の割には高度感は圧倒的です。怖い怖い。

山頂には小さな祠。坂手港から約1時間、登山口からは15分の行程でした。これを登山と言っていいのかとも思いますが、この高度感と景色の広がりは素晴らしいものがあります。

海と空の青さや、浮かぶ雲や、複雑に入りくんだ海岸線、わずかな平地を埋める瓦屋根。いつまで見ていたって飽きることはないでしょう。いままでこういう景色は見たことがありません。

さらに紅葉まっさかりなのです。北海道の紅葉とは根本的に異なりますが、いかにも異境にいると感じさせてくれます。

切り立った岩の下山路はお寺に続き、あっという間に再び生活道へ戻ってきました。白壁の路地が海へと続き。旅する実感というのは、こういう道を歩いているときに最も感じるもの。有名な観光地でなくたっていいんです。土地の人にとってはごく普通の生活の場が、それだけで私にはとても魅力的なのです。

山から下りたら自転車を借りて島内観光。帰りのフェリーの時刻が迫っているので長いこと遊んでいられませんが、見たり買ったり飲んだり食べたり、オリーブの島を満喫させてもらいました。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

オリーブサイダーはどんな味?
何となく判りそうだが?
プルーンっぽい?

DOEI Takuma さんのコメント...

基本的に普通のサイダーなのですが、飲んだ後ほのかに清涼感を伴ってオリーブの香りが漂ってくる感じです。
あまりオリーブを強調しすぎていないところが、美味しさを損なわない絶妙のさじ加減と言えるでしょう。