2009-06-13

夕張中岳山行記-3-

4)  12時50分 中岳山頂直前の1320mコル。ここでザックの荷物を絞って身軽になる。ここまで使用してきたストックを縮めて左手に、右手にはザックに入れてきたバイルを握る。ヘルメットを被る。

 山頂への急斜面上には、雪渓1,2,3と前後に短い藪があり、その上はハイ松か。記録では、雪渓3から左の肩へ、そこから強烈なハイ松漕ぎとか。藪に取り付くが、左肩は五十肩が治り切っていない。慎重にと思うが、力仕事無しには登れない。

 雪渓1,2は右端でつながっているが、その右がすっぱり切れているのでいやらしい。左寄りの藪が薄いので突破したが、上の雪渓2の下端の垂直に近い部分に当たる。無理矢理攀じるが、下りは無理だ(帰りは右端を下った)。雪渓3から左の肩に出ると、山頂は100mくらい先に見える。

 しかし、藪のプロフェッショナルの地図・・さんが強烈なハイ松漕ぎと言うくらいだから、バイル、ストック、アイゼンをデポしても遅々として進まない。五十肩も気になるし、足がつりそうな気配もある。

 よっぽど止めようかと思ったが、歳を考えれば次回は無いかも。バランスを大きく崩さない限り肩は大丈夫そうだ。覚悟を決めて(諦めて?)、進むと意外に捗る様になる。

 約30分の苦闘の末、双耳峰の間にたどり着くとあとは雪壁の上を横切って頂へ。14時00分。異常に喉が渇く。まず喉を潤して人心地がついてから、登頂を知らせるメール。ちょっと見たことの無い方向からの素晴しい眺めとキバナシャクナゲの小さな花。一期一会。

1320mコルから山頂への登路となる急斜面。

・中央下の雪渓から藪を左に抜け、横に長い雪渓1の左の部分に出る。
・すぐ上の薄そうな藪を突いて、植生が目口となって顔のような雪渓2に出る。雪渓の下端の陰の付いた垂壁を攀じった。
・雪渓2の上の真ん中から藪を抜けて左肩の下の小さな雪渓3へ。
・その先は尾根の向こう側のハイ松斜面の藪に突入した。
・下りは雪渓2の右下から雪渓1の右の部分に続くくびれた部分を下る。

山頂からきりぎし山


芦別岳、ポントナシベツ岳、鉢盛山


前列 シューパロ岳とポントナシベツ岳からの吊尾根
中列 夕張マッターホルン
後列 左から夕張岳、前岳、滝ノ沢岳


芦別岳~シューパロ岳


小天狗・中天狗~夫婦岩

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