2006-07-30

春の名残、秋の気配

下界は夏真っ盛り。いかな北海道とはいえ、そこそこに暑い日が続いています。ところが、山の中では夏をとっくに通り過ぎ秋の気配を感じさせるものから、夏どころかまだ春になったばかりというものまで、さまざまな植物がそれぞれの季節に生きています。

今日行った美瑛岳でもそんな現象を目にします。
まずは秋の気配を感じさせるもの。

チングルマの綿毛。花を咲かせ受粉を終え実を結したところです。あとはこの実を綿毛に乗せて飛ばせば、今年のお役ごめんと言ったところ。

クロウスゴの実。山のブルーベリーです。もう少しでクマも大好きな甘酸っぱい実になります。

コケモモの実。ついこの前花が咲いたような気がするのですが。いつのまにやら実になっていました。しかも早くも赤く熟しはじめています。

どれを見ても秋の気配全開です。
さて、お次は春を感じさせるものたち。

なんとミネズオウ。6月中旬の山開き時期に目立つ小さな小さな花です。この時期になって見るとは思いませんでした。

エゾコザクラのつぼみ。これからようやく咲こうとしています。

春です。芽吹きの季節といった感じです。

実際には夏なのに春だったり秋だったりするのは、雪解けが早い場所か遅い場所かという違いが効いています。稜線に近いなどで積雪が薄い場所は早く雪が融け、一足先に春を迎えます。一方、谷地形など雪のたまる場所は雪解けが遅くなり、7月や8月になってようやく地面が顔を出します。そのため、距離的には近くても花の生長具合がまるで違う、という現象が起こることとなるのです。

おかげで、登山道を歩いているだけで1日のうちにいろいろな季節を楽しめるというわけ。山の涼風に吹かれて春の花・秋の実を見ていると、下界の暑さとは無縁の涼しい一時を過ごせますよ。

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