2008-12-10

四国山行3日目 剣山-三嶺縦走1

11月22日(土) 快晴


阿波池田の山の上にあるユースで一泊した翌る朝。四国での初山行が始まる日。好天を願いつつ外へ出てみると。

よし、きた!谷を埋める雲海と、その上に頭を出す峰々と、さらに上を覆う快晴の空。絶好の山日和じゃないですか。もう今からでも歩き始めたいくらいですが、ここから登山口まではバスを乗り継いで3時間弱もかかるのが残念なところ。

有名観光地たる大歩危・小歩危・かずら橋などを横目に、車一台がぎりぎり通れる程度の狭い国道を通り抜け、バスは徐々に標高を上げ山奥へ。最後の停留所であり今日の登山口でもある見ノ越まで後わずか、というところで、車道が雪に覆われるようになりました。まだタイヤ交換をしていないため、バスはここから先へは行けないとのだそうで、私たち乗客を降ろして引き返してしまいました。

歩くこと自体は距離も短いし別に構わないのですが、驚いたのは雪があること。まさか11月の四国に雪があるとは思っていませんでした。登山口の手前でこの状態ということは、山の上は当然もっと積もっているんでしょうね・・・。雪から逃げてはるばる南下してきたのに。晩秋の山を楽しみにしてきたのに。

車道をてくてく歩いて、カーブミラーで記念に一枚。よし、歩くぞ!と気合いを入れた瞬間、車が通り過ぎていきそしてすぐにUターンして戻ってきました。
で、「乗りませんか?」
で、「ぜひお願いします!」
車に乗ってしまえば5分もかからない距離なのに、それにもかかわらずわざわざ戻ってきて声をかけてくださったのですから、本当に感謝に堪えません。乗せてくださったのは地元・東祖谷山の学校の先生。雪の剣山を歩きにきたそうです。聞けば11月に雪が積もるのは滅多にないとのこと。いつもより2週間は早いとおっしゃっていました。

その後お誘いいただいて、途中まで同道させていただくことに。三連休初日にしては寂しく、でも山奥の登山口であることを考えると賑わっている見ノ越。ほとんどの人はここからリフトに乗るようです。私たちは歩いていくことにしました。登山道が神社の脇から始まるというのが、歴史ある信仰の山という感じがしていいものです。

葉を落とした広葉樹と林床に笹。登山道を覆う雪。北海道の低山を歩いているかのようで、四国の山に親近感が湧きます。地元の山の話などいろいろ聞かせていただいているうちに、あっという間に西島キャンプ場着。先生とはここでお別れ。いろいろお世話になりました。

西島キャンプ場は眺望抜群。どうですか、この眺め!テントの入口を開けるだけで、この絶景が飛び込んでくるのです。こんなに素晴らしいキャンプ場はありません。しかも正面に見えているのが、明日向かう三嶺だというのがさらに素敵。その隣、はるか奥に見えているのが石鎚山なのだと教えてもらいました。まだ旅は始まったばかりですし、山はまだ一日目で歩き始めて1時間も経っていないというのに、もうこれで充分満足してしまった感じです。

テントを張ったら身軽になって山頂を目指します。山頂までの登山道は左右の展望が効くので、終始この青空を見ながら。テントやら寝袋やらを下ろしたザックはとてつもなく軽く、ぐんぐん登れます。

つるんと平らな剣山山頂部。植生保護の木道をたどってぐるりと散策できるようになっています。ここから見えるのは・・・

間近に次郎笈。

やや離れたところに、先ほども見た三嶺。白い帽子を被って、きっといつもより美しく見えているのでしょう。明日は左側から稜線をたどってあの白い山の頂にある避難小屋を目指すのです。

反対側に連なる稜線をたどると、そちら側は一ノ森。ちょっと足を延ばして往復してみます。片道30分くらいでしょうか。

日が傾き、急激に気温が下がってきて、すっかり体が冷えてきました。そんな時ありがたいのが山頂直下のヒュッテ。中で休憩させてもらうことにします。北海道では山の中にこんな営業小屋はありませんから、なんだかもう興味津々です。

ストーブが暖かく、電灯が明るく、そして厨房から良い香りが漂ってくる室内。山関係の本がたくさん置いてあるのが素敵です。こんな居心地の良さそうな小屋だったなら、せっかくだから記念に泊まっておいた方が良かったかも。

ストーブの側に陣取り、あめゆをいただきます。初めて見る飲み物ですが・・・ああ、ショウガが効いていておいしいですね。体が暖まります。

実はここで驚きの再会が。何年か前にスノーシューツアーにご参加くださったご夫婦が、現在こちらのヒュッテで働いていらっしゃったのです。ブログの情報から私が四国の山に来ることを知り、今日か明日かと待っていてくださったのだとか。一度お会いしたきりですからお互い顔までははっきりと覚えていませんでしたが、たしかにあの時のあの方です。三連休初日とあって、続々と宿泊客がやってくる中、合間を見てお話させていただきました。考えてみれば、もし今日こんなに気温が低くなければ、きっと私はヒュッテの中で休憩をしなかったに違いありません。そう考えると、ここで再会できたのはとてつもない偶然と言えるかもしれません。

室内の黒板には、こんなものが。今日の最低気温-10度!積雪20cm!やれやれ、なんてこったですよ。これはちょっと四国を舐めていたようです。だって北海道よりはるかに南にあるから、まさかこんなに冬だとは思わなかったのです。 一応防寒具はそこそこ持っては来ていますが、晩秋の山を想定した装備ですから、-10度となるとどうかなあ・・・。

すっかり暖まったら、急いでテントまで下ります。ちょうど着いた頃から夕焼けが始まり、西の空はオレンジ色に染まってきました。素晴らしい夕景。朝から晩までお天気に恵まれ眺望に恵まれた一日でした。この夕焼けなら、明日もきっと。

今日の行程
見ノ越-剣山-一ノ森-西島キャンプ場
所要時間:3h25(休憩除く)
歩行距離:7.9km
累積標高:+892m/-608m

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

カーブミラーでの記念写真よく思いつきましたね~~いいですね。

偶然の再会良かったですね。
そらぁ~~びっくりされたでしょう!