2007-12-11

九州山行3日目 屋久島1

11月26日(月)曇り

昨晩18時に鹿児島を出港したフェリーは種子島を経由して今朝7時に屋久島へ到着しました。といっても夜中ずっと移動していたわけではなく、経由港の種子島で21時40分から5時10分まで停泊していたので、夜行のフェリーに乗ったというよりは、最終便に乗り1泊して始発便に乗った、という感じがします。港に停まっていれば揺れもありませんし、朝ちょうど良い時刻に屋久島入りできるしでいいことずくめと言えるかもしれません。

北海道からまるまる二日かけてやってきた南の島。宮之浦港に降り立ったのは、ちょうど日が昇り辺りが明るくなり始めるころでした。気温はそう高くはなく、意外にひんやり、ちょっとじっとり。鹿児島より低く感じます。

見上げる空は厚い雲に覆われ、港のすぐそばまで迫る山々を隠さんばかり。いったい昨日の晴天はどこへ行ってしまったのでしょう?天気予報によると今日の夜には雨になり、3~4日は降り続くとか。どうやら雨の恵みを存分に享受できそうですねえ。とほほ。

登山口に向かうバスは8時40分発。宮之浦で少し時間をつぶしてバス待ちです。乗車後は安房で乗り換えて10時20分ころ終点“紀元杉”に到着します。さすがにこの時期山に入る人は少ないのでしょうか。バスの中には登山者らしき人は見あたりません。

徐々に細くなる山道はウネウネと曲がりくねり、バスはそこを慎重に慎重に進みます。よくこんなところまで、と感心しているうちに、終点“紀元杉”。

バス停のすぐ脇の斜面に生える紀元杉。ちょっとした木道がつけられていて、周囲をぐるりと歩くことができます。はじめて出会う屋久杉は、確かに高くて太くて大きくて。そしてどことなく貫禄もあるような。

ガイドブックによると、今日の行程は車道歩き40分・登山道歩き40分・計1時間20分。いくら大きなザックを背負っているとはいえ、あまりにも楽すぎます。とはいえ今日はこの旅初の山歩きですし、体を慣らすためにも、周囲を眺めながらゆっくりと歩いていきましょう。

両脇から覆い被さるように植物が繁茂する道。紅葉している木はごく一部で、その他のほとんどが濃い緑の葉をつけていました。11月末に緑がわさわさしているとは、なんとも新鮮な景色です。

てくてく30分ほどで淀川登山口に到着しました。 ここで車道はお終いとなり、いよいよ登山道に入ります。あまり広くない駐車場は、“わ”ナンバーのレンタカーを中心にびっしりと車で埋まっていました。団体のツアー登山も入っているようです。路線バス+徒歩で登山口まで来る人は少ないのでしょうね。車の方が楽だし、宮之浦岳さえ登れれば縦走ではなく往復でかまわないということなのでしょう。バスを使えば違う登山口に下れて楽しいのですけどね。

しばし休憩して後半開始。登山道は緑の樹林の中を通り、全体によく整備されています。延々と木道となっているのは植生保護のためでしょうか。

そしてやがて現れる看板は、ここが世界遺産地域であることを伝えてくれます。指定地域の内と外で何が変わるというわけではないのですが、それでもやはり気持ちが引き締まります。一歩足を踏み入れたのだな、と。

世界遺産指定地域に入ると、まもなく今日の寝床、淀川小屋に到着です。初めての小屋を見るときというのはなかなか緊張するもので、合格発表を待つのに似た気分になるものです。快適なのか否か?淀川小屋は・・・サクラサク。きれいで居心地の良さそうな小屋で良かった。

室内も清潔です。入口付近だけ天井が高くなっていて、奥は全面二段ベッドになっています。この小屋は登山口から近いこともあり、大概が素通りし宿泊する人はほとんどいないようです。今日も今のところは誰もいません。せっかくなので広いスペースを占有させてもらいました。

時刻は12時。暗くなるまではたっぷり時間があります。本でも読みながらゆったり過ごすために、さっさと寝床を作ってしまいましょう。

テラスのイスで本を読んでいると、薄手のダウンを着ているにもかかわらず、きゅうっと体が冷えてきました。小屋の壁に掛けられている温度計はなんと7度を指していました。南の島なのに!でも、そういえば淀川小屋の標高は1400m弱と結構高いのでした。高度による気温低減率は100mにつき約0.6度。宮之浦港と比べると8度近く低くなる計算です。11月末ともなれば真昼でも10度を切るのも当然なのかもしれません。夜はちゃんと暖かくして寝ることにしましょう。

明日晴れてくれるよう祈りながら・・・

4 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

紀元杉太そうですねぇ~
幹の中を流れる脈脈とした水の流れは聞こえましたか?
淀川小屋の写真を見る限りお粗末な作りの様な建物。夜中は寒かったのでは?
2年ほど前、避暑地の小諸(軽井沢の隣)で標高のある所で10月ぐらいに泊まった時は、小屋の中でも息が白くて、「内地の小屋はオソマツ!」って思ったものですが。ポータブルストーブとこたつだけでした。

DOEI Takuma さんのコメント...

名前の付いているような屋久杉は触れるほど近くへは行けないようになっていました。
残念ながら音も聞けませんでした。

淀川小屋はお粗末どころか、かなり立派な部類の山小屋ですよ。
私の基準では、ですけど。
寒さは大雪山の夏のとても寒い日、くらいの気がしました。

匿名 さんのコメント...

それからそれから!
良い所で3日目終わりですね。
何だか疑似体験しているようです。
旅っていいですね。

それにしても重そうなザックですね。
そいえば雌阿寒の下山後荷物の見張り番してた時土栄さんのザック店まで運んだら重くてびっくしました。
ちょっとどんだけか好奇心で背負ってみようとしたら○○さんに腰悪くするよ~って。
でも○○さんも、どれ、どれって二人で持ち主不在中ザックで遊んでました(暴露)

DOEI Takuma さんのコメント...

今日もこれから書きまくりますよー(予定)。

普段日帰りの仕事で背負うザックは14~15kgくらいじゃなかったかな?
山中泊の仕事だと30kgを越えます。
今回はプライベートの旅ということで自分の荷物だけしか持ちませんのでそんなに重くはないですよ。
25kgくらいだったはずです。

3泊4日の縦走ツアーにご参加されるお客様の荷物は、ちょうど雌阿寒のときの私のザックと同じかやや軽いかくらいになるようです。