せっかく道東まで来たのに、雄阿寒岳だけ登って帰るのはもったいないということで、キャンプ場で一泊して雌阿寒岳も登っていくことにしました。まだ歩いたことがない阿寒湖コースから山頂を目指します。
早朝の登山口。林道の分岐点の片一方にゲートがあり登山届けポストが置かれています。ついさっきまで朝靄に包まれていました空はすっかり真っ青になりました。
しばらく林道を歩くと、ほどなく道は細くなり森の中へ。 「山頂まで○Km」の看板が500mごとに立っているので、いい目安になるでしょう。「山頂まで4km」から傾斜が急になり、そこを登りきると、
いかにも「火山」な面構えの面々。視界の効かない樹林帯を抜けて、いきなりこんな山が間近に現れるのですから圧倒的な存在感です。これから左端・剣ヶ峰の左側斜面をトラバースして行くことになります。
登るに連れてハイマツが増えていき、どんどん景色が良くなります。このあたりは快調に飛ばせますが、たまに立ち止まって振り返ってみましょう。ハイマツの海の向こうに雄阿寒岳と阿寒湖が見事。
ハイマツのトラバースが終わり、砂礫地に出た瞬間、あたりは一気に火山の様相を露わにします。この広がり!山を歩いていて久々に声を上げてしまいました。火山帯の荒涼とした広々とした風景が、私は大好きなのです。初めて表大雪のお鉢平を歩いたときの感動が蘇る・・・
自然に鼻歌が出る火山帯の登り。気が付けばもう山頂直下に来ています。火口をのぞき込むと、エメラルド色の水色が神秘的な青沼がちょこんとあり、その後には阿寒富士。
山頂到着は8時20分。平日ということもあり、まだ誰もいません。この風景独り占め・・・。ぐるり見渡すと、南の方には雲海が出ています。北西方面には北大雪・東大雪・表大雪ときれいに見えます。
東方面の景色はまさに究極。いや至高。足下に荒々しい火口があり、少し先に阿寒カルデラがあり、さらに奥には屈斜路カルデラの一端が。長年にわたる火山活動が作り上げた複雑な地形を一望できる素晴らしい山頂です。一日中だって眺めていたいと思わせてくれます。
そうは言っても早めに帰らなければならないのが辛いところ。30分ほどで山頂を後にして帰途につきます。せっかくなので剣ヶ峰には寄っていきます。観測装置が置かれている分岐点から往復で20分程度と手軽に登れます。
剣ヶ峰山頂は高度感たっぷり。はるか眼下にこれから下る登山道が見えています。ハイマツの緑が美しいですね。
はっきり言って、かなりお気に入りになったこのコース。往復するのも楽しいですが、こちらから登ってオンネトー側に降りると、より変化があっていいのではないでしょうか。大雪山以外で好きな山を一つ挙げろと言われたら、私は迷わず雌阿寒岳と答えるでしょう。広々として荒々しい火山帯が好きな方にはオススメのコースです。
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