2008-06-27

北海道最高峰・旭岳の朝焼け

夕焼けを堪能した後、そのまま旭岳山頂で朝を待つことにしました。せっかくですから朝焼けも見たいと思いまして。

とはいえ、旭岳山頂は野営指定地ではありませんから、夜を明かすといってもテントを張ることはできません。寝袋やマットを使って横になることもすべきではないでしょう。

ではどうするか。まず、薄いダウンの上下と雨具を着こみます。手袋など体につけられるものは全てつけます。そして座布団状の小さいマットに座り、体にツェルトを巻き付けます。山頂標識に背中をあずけたら、それでお終い。これなら日中休憩するときとほぼ同じ状態ですから、環境に対して余計なインパクトを与えることはありません。

何にも邪魔されない星空をぼんやり眺めているうちに、気がつけば半月が登ってきて月明かりがほのかに辺りを照らします。でも、「素敵な夜だなあ・・・」なんてのんきに構えている余裕は全くありませんでした。なにせ、風が強い!遮るもの一つない山頂で、終始強風に煽られ続けていたら、寝ようにも寝られるものではありません。何度かうつらうつらしただけで後は震える体をさするばかり。夜明け前に計測したところ、平均風速N8.7m/s。気温1.5℃。もうすぐ氷点下じゃないですか!

そして迎えた2時30分。東の空がほんのり明るんできたのを見て、ついに黙って座っていられずに立ち上がってウロウロ。

徐々に明るい領域が広がっていく空。赤く染まる地平線。きれいとか美しいとかいうのはなく、早く太陽が出て暖かくなることだけが頭を占めています。

3時50分。ついに現れた太陽は黒岳の真後ろから。もっと光を!熱を!

徐々に輪郭がはっきりしてきた白雲岳。遠くは一見霞んでいるようでいて、実は雄阿寒・雌阿寒や斜里岳・海別岳、はたまた羅臼岳らしきものまで見えていました。

昨夜の雲はどこへやら。朝焼けのトムラウシです。あちらこちらと移動して写真を撮りまくっていたこともあり、この頃にはだいぶん体が温まってきました。

北を眺めると間近に安足間山。どんどん太陽が上がってきています。

東大雪の山々が影絵のように連なって。ニペソツも石狩岳も音更山も。

低いガスに包まれた旭川・美瑛方面。そこに映る影。それは巨大な旭岳の影です。じっと見ているとその影が徐々に短く小さくなるのがわかります。

時計の表示は4時30分。朝焼けはとっくに終わりましたが、北海道最高峰からのこの景色、もう少し楽しんでから下ることにしましょう。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

ぶーーーーっっっ!!!
コーヒー噴いちゃったじゃないですか~。
一体何をしているのですか(笑)楽しそうだけど♪
辛く険しい道程を自ら科しその先には、このような素敵な景色が楽しめるのですね。
家でヌクヌクしながらこの景色をPCで・・・。
おっと・・正座し直して拝見してます。
全く、こうしちゃ居られない。
負けていられないじゃないですか。
(うーん、土栄さんみたくドMになりきれるかな~?ハハハ。)
次回の我慢大会は是非招待状お願いします。

任務ご苦労様でした!

DOEI Takuma さんのコメント...

もっと暖かい日なら、いやせめて風が弱ければ快適に過ごせたと思いますよ。
もしくは風の避けられる場所に移動すればよかったのですけど。

ジョージさんは小屋泊チャレンジですね!