2005-06-19

神(カムイ)を恐れぬ不信心者たち

 きのうは旭岳の山開きだった。夕方から観光や山の関係者が集まって、今シーズンの安全祈願を行ったのだが、なんといってもメイン行事は旭川の川村アイヌ記念館の人たちが行う「ムプリコロカムイノミ」だ。
 なかでも、祭壇に祭られた「コタンコロカムイ(村の守り神)」や「ヌプリコロカムイ(山の神さま)」を現す御幣に、捧酒箸を使ってお神酒をあげる瞬間が、もっとも重要かつ神聖な場面なのだが、なんとこの場面を、祭壇の背後(つまり神様のいらっしゃる位置)からフラッシュをたきながら撮影する不信心者が何人かいたのには呆れてしまった。
 たとえばローマ法王の葬儀のときに、祭壇のキリスト像の背後からフラッシュをたいて写真を撮るような者がいたら、即刻引きずり降ろされて断頭台にかけられても文句は言えないだろう。それと同レベルの「大罪」を何人ものヒトが平気でやっているのだから驚く。
 じつは筆者も、その場に偶然居合わせただけで、「登山者代表」として「ヌプリコロカムイ」にお神酒を捧げる大任を果たすことになったのだが、目の前でフラッシュをパチパチ発光させられ、怒鳴りたくなった。まさか神聖な儀式の最中にそんな無作法は許されないと思い止まったのだが‥‥。儀式の最中にアイヌ文化保存会の方が、「そこから写真を撮ってはいけない」と注意したにもかかわらず、それを聞いているのかいないのか。昔だったら「ええい、お神を恐れぬ不届きもの、控えおろう」と、怒鳴りつけられる場面だろう。

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