2006-08-02

旅人に出会う。昔の自分に出会う。

7月25日に富良野岳の登山口で、ずいぶん大きいザックを背負った若者と出会いました。抜きつ抜かれつしながら聞いたところ、富良野岳から黒岳まで1週間くらいかけて縦走するとのこと。「しばらく長期の縦走をしてないな」と思いながら、羨望のまなざしで別れを告げました。

7月27日に美瑛岳に下見に行った折、その彼と山中でばったり再会しました。旅人の匂いが懐かしく、どこか立ち去りがたく、結局1時間は立ち話をしていたでしょうか。写真の撮りあいをして、連絡先を交換して、再びお別れをしました。

そして今日、8日間かけて縦走を完遂した彼から連絡があり、旭川で夕食を共にすることにしました。1年間旅を続けているという彼の話を聞いていると、昔自分が長い旅をしていた時のことが自然と思い出されてきます。

旅の途中というのは不思議なもので、「非日常に身を置く高揚」と「日常から外れることからくる不安」という、一見相反するものを常に隣り合わせで感じていました。旅することは最高に楽しく充実しているのですが、時折ふと、旅が終わったその後は、どうなる?どうする?と自問する瞬間が訪れるのです。今から振り返ると、そんな葛藤こそが旅の本質だとわかるのですが、当時は不安がこみ上げて真剣に悩んだ旅の夜もありました。

それからはや7年。日常に帰った私は、非日常の高揚の中にいる彼を少しだけうらやましく思います。そして同時に、もし彼が旅の不安を感じているのなら。当時の自分にも向けて、「大丈夫」と言ってあげたい気分にもなるのです。

旅の途中。アメリカの山中で。どことなく憂いを帯びた感じ?

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