
先日この欄で紹介した写真集『大雪山 大きな自然』が今日の午後届いた。ページをめくるたびに、そのときの情景が思い浮かび、なかなか前に進まない。一般の読者はこの本をどういう気持ちで見るのだろうと、思いを巡らせた。巻末の解説は佐久間が担当している(写真)ので、感慨無量である。
林明輝写真集『大雪山 大きな自然』小学館 ¥3675

林道を外れ斜面に取り付くと、至る所に滑りを楽しんだ跡が。今日は周遊なのでここを滑り降りるのはお預けです。
標高を上げると深川の町が一望の下。でも雲が低くたれ込めて、遠くの山並みは隠されています。
2時間ほどで音江山到着。夏は背の高い笹に囲まれ、とても展望を楽しめる山頂ではありませんが、冬はこの通り。晴れていれば大雪山だって暑寒別だって見えちゃいます。
ここからが今日の本番。稜線をずっとたどって正面奥の沖里河山まで縦走です。見た感じなだらかな尾根なのですが、思いの外アップダウンがあります。
さすがに風はそこそこあり、気温自体は高いものの、うっすら寒さを感じます。ほぼ中間地点の無名山着。ここで珍しく先行者と出会いました。冬に山で他の人に会うことはほとんどありませんので、妙に嬉しくなってしまいます。その方は赤平から入って一泊されたそうです。
無名山から沖里河山まではゆるっと歩くだけ。これでお天気が良ければ最高の稜線歩きですね。
そして無事、沖里河山に到着!夏も静かな展望台ですが、冬になると一層です。
シビナイ川沿いの林道を使うこのコース。踏切からスタートです。左右をよく確認して、素早く渡りましょう。
林道沿いの至る所にできていた“ゆきまくり”。雪が湿っているからこそできる造形の妙。これを目にすると春を感じてしまいます。
林道の上には青い空と白い雲。今日もまずまずのお天気です。
ゆるゆる林道を登ること2時間ほど。最後の1時間は、下りのスキーが楽しみな斜面。
途中振り返ると、すぐそこにチトカニウシ山。あそこもいい山ですよね。
山頂はだだっ広い感じ。展望を楽しみにしていましたが、ここに来て雲が厚くなってきたようです。
天塩岳もニセイカウシペも表大雪も雲の向こうでした。目立っていたのは宇江内山くらいでしょうか。摺鉢山も木に隠されていて、すっきりは見えませんでした。まあ、それでも前回の吹雪に比べればはるかにいい眺めではあります。ツアー本番の4月6日には好天に恵まれますように!
明け方の寒さはどこへ行ったんだ?2月だというのに、もう春が来たのか?というくらいの暖かさ。ウソみたいに真っ青な空。今日の目的地は、旭岳に向かって左手、御田の原のやや下にある瓢沼です。
ロープウェイ駅の脇から人気のない方に入っていき、1時間ほど登ると旭岳温泉街を見下ろせるようになります。むむ、雲が出てきましたね。
再び1時間ほどゆるやかな斜面を歩くと、溶岩堤防に出くわします。旭岳山麓ではよく見かける地形ですね。
堤防をぐいっと乗り越えると、そこに広がっているのが瓢沼。のびやかな場所でぽかぽかお昼とします。
溶岩堤防と溶岩末端に囲まれている瓢沼からは、遠くの景色を楽しむことはできないのですが、堤防の上からならこの通り。旭川方面も、
遠く十勝連峰も、
普段あまり見ない角度からの旭岳も、ぐるっと見渡すことができるのです。一時出た雲もなくなりました。
寝具は、裏地付きのシュラフカバー・厳冬期用シュラフ・インナーシーツの三層仕様。 この夜の最低気温は-15℃。明け方若干寒さを感じましたが、おおむね快眠でした。
テント内で結露するのはお約束。天井にぶら下げておいた眼鏡に雪の花ができるのも風物詩?
日出直前になると、寝袋の中でじっとしているより、起きて動いている方が暖かく感じるもの。テントから出て、冴え冴えとした朝を堪能することにしましょう。
太陽が昇る前の旭岳。凛とした佇まいは早朝ならではですな。もうすぐ右手から光が当たるようになります。
そしてようやく日の出を迎えます。太陽が出る直前の硬質的な寒さと、直接光を受けた時のじんわりとした暖かさ。テント泊の醍醐味ですね。
一番よく目にするのは、きっとツルアジサイ。ダケカンバの大木などにクルクル巻き付いていて、立派なものはそれ自体が幹に見えるほど。雪を被っている姿が一際キュートです。
一見ツルアジサイと同じように見えますが、よくよく見ると実は違う。イワガラミなんていう花もあります。ツルアジサイとの違いは装飾花についたがく片の枚数。こちらは1枚、あちらは4枚。ツルアジサイよりも珍しい印象です。
おまけ。登山口近くの道路に佇むネコ。ふわふわ落ちる雪の中、じっとこっちを見ていました。寒くはないのかな?
維文峠の和寒側、福原から歩き始めます。冬季閉鎖となる道道の除雪最終点に車を置けば、雲居山~維文峠~伊阿根山とぐるっと一周するのに好都合なのです。まずは正面に見えている雲居山を目指しましょう。
雲居山山頂は木々に囲まれ遠望は効きませんが、維文峠に向けて下りていく尾根からは鷹栖方面が見渡せます。
一旦道路に出るというのは、いつもと違うパターンで新鮮です。維文峠でちょっと休憩して、今度は伊阿根山への登り返し。
目指す伊阿根山は特徴的な山容をしていました。急登ではありますが直登できないほどではない斜面を登って、平らな山頂部に出ます。晴れていればこの山頂部を歩くのは、さぞ気持ちよいことでしょう。今日は風が強かったので、うつむいて顔をしかめながら歩かざるを得ませんでした。
そんな中でも、ふんわりしっとり雪化粧した枝には目を奪われてしまいます。
天塩岳に向かう道沿い、やや幅の広くなっている辺りに車を置き、ちょっと先の林道がスタート地点。予報通りの好天です。
1時間ほど林道をたどり、ゆるやかな尾根に取り付きます。シカの足跡が無数につけられているのを眺めながら、ときに跡をたどらせてもらいながら、ゆっくり登っていきます。
尾根は標高850mあたりで平坦になり、左手の展望が効くように。つらつら連なる山並み、そしてなんと青い空!
標高点931mから、ぐっと近づいた於鬼頭岳。ここまで2時間。さ、もう一登り。
期待通りに雪は少なく、新雪がうっすらと乗る程度でした。らくちんらくちん。
山頂へは尾根の左から巻いていくような感じで。ダケカンバの疎林を縫って気持ちよく行きます。
山頂直下、ちょっとしたテラスで。最後の一登りをどうしようか思案中・・・。スキーを脱いでの直登は急すぎて途中で断念。トラバースして奥から回り込むのがいいかな?
奥までやってきて山頂を振り返るとこの通り。ずいぶん長く雪庇が出張っていて、乗っかるのに苦労しそう。ん~、どうしようか・・・。結論、山頂はまた今度!
ここからでも景色は見られるし、無理して登らなくてもいいでしょう。山頂(直下)まで3時間弱。下りは50分程度。ほとんど登り返しがなかったので、あっという間に滑り降りてしまいました。