ニュージーランドで迎えた2年前の誕生日。その時の写真を発掘してきたので、ちょっとご紹介します。
2003年4月1日から4泊5日のバックパッキングに出かけました。ニュージーランドでは晩秋にあたる時期です。目的地はニュージーランド北島にあるトンガリロ国立公園。世界遺産にも指定されていて、日本でもわりとよく知られている国立公園ではないかと思います。トレッキングのルートとして有名なのは、トンガリロ・クロッシング(日帰り)とトンガリロ・ノーザン・サーキット(2泊3日)の二つ。それぞれ2回ずつ歩きましたが、いつでも人でにぎわっていました。この時歩いたのは、そのどちらでもなくそしてあまり人気がないらしい“ラウンド・ザ・マウンテン・トラック”と名付けられたコースです。“ザ・マウンテン”とは、ルアペフという標高2797mの大きな火山のことで、この山の裾から中腹にかけてぐるりと一周するようにトレイルがつけられています。
雪を抱いてそびえているのがルアペフです。これから5日間、常にこの山を眺めながら歩くことになります。
コースは場所場所で表情を変えてきます。写真の場所では、植物もなく荒涼とした感じがしますが、次の日には、
苔むした木々が立ち並ぶ森を抜けたりもします。こちらのほうがニュージーランドっぽいかもしれませんね。
山小屋はびっくりするくらい清潔に保たれています。おまけに薪ストーブが据え付けられていて、小屋の外には薪まで用意されています。山の雰囲気を壊さない程度に快適で、しかも清潔。毎日こんな理想的な小屋に泊まれるのですから、ニュージーランドで山歩きが盛んなのも頷けるというものです。2003年4月3日、写真のこの小屋に泊まり、20代最後の日を過ごし30代最初の日を迎えました。
その日の夕方。沈み行く太陽がルアペフを染めていきます。ただでさえ感傷的なところにとどめを刺された感じです。そして、あたりは徐々に夕闇に包まれていき、
いよいよ薪ストーブの時間がやってきます。こんな薪の炎に柔らかく照らされれば、誰だって物思いにふけってしまうというものです。こうして異国の地で20代は過ぎ去っていきました。
山小屋4泊のうち、最後の1泊だけ同泊者がいましたが、他の3泊は一人きりですごしました。ほとんど人と出会わない静かな静かな山行でした。
写真を見てると当時を思い出すなあ。また、どこか知らない国で知らない山を歩いてみたいものです。
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