秋です。紅葉です。いえ、紅葉だけではありません。秋は実の季節でもあります。7月・8月と山を飾った花々が受粉し結実し実りの秋を迎えているのです。
そんな実の世界を覗いてみましょう・・・。
まずは、これ。この特徴的な葉に見覚えはありますか?よく見ると、茎の先に綿毛をつけているものと、その綿毛がすでに無くなっているものがあります。この花は・・・
チョウノスケソウでした。チングルマに似た花を咲かせ、やはり同じような綿毛になり、最後は綿毛も無くなります。
お次は、こちら。背後の砂礫と同化してちょっと判別しにくいですが。この立ち枯れているものは?
ホソバウルップソウです。この瑞々しくも美味しそうな葉が枯葉色になり、紫のぎゅっと詰まった花がカサカサの塊になるのですから、面白いものです。
これは白い短毛が密生した葉が特徴です。手前の黒いものが種入りのサヤで、上の茶色いのがはじけて割れたサヤです。中に種が入っています。
簡単ですね。豆科のエゾオヤマノエンドウです。ちゃんとサヤになるんですね。
これも観察力の鋭い方ならよく目にするものかもしれません。場合によっては翌年の花の時期になってもこのまま立っていることがあります。
これは、キバナシオガマ。黄色でよく目立つニクいやつ。
最後はこちら。わかる方にはすぐわかる。葉が特徴的な形をしています。実もよく見ると芸術的ですね。紫色の細かい隈取りがなされています。
ダイセツトリカブト。チシマノキンバイソウやミヤマキンポウゲやリュウキンカなど、同じキンポウゲ科の花がよく似た実をつけますが、ここまで繊細な柄はしていません。花も美しいですが、充分鑑賞に堪えうる実です。
紅葉見物に出かけた折りには、ぜひ実にも注目してみてくださいね。
4 件のコメント:
いつもお花ばかり見てますが、
こいうふうに見るのもいいですね。
「エゾオヤマノエンドウ」のサヤが面白いですね。
「チョウノスケソウ」って常緑でしたか?
あんちゃんさんのリクエストを受け、花の後の移り変わりに着目してみました。
チョウノスケソウは赤く色変わりしますよ。
ダイセツトリカブトの実の隈取り、新鮮でした。
私の見た図鑑では、隈取りのある実の写真はほとんど載ってなくて、見分けのポイントとしても説明がありません。
どこかに出典があるのでしょうか?それとも経験上の発見(ス、スゴイ!)?
実を言うと、花の時に(おそらく)ダイセツトリカブトと同定してあったものなのです。
種の隈取りについては特に出典はありませんし、もしかしたらエゾホソバトリカブトなのかもしれません。
ダイセツトリカブトとエゾホソバトリカブトの同定は、両者がもともと近縁でかつ交雑を重ねるので、かなり難しいそうです。
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