いよいよ今日から大峯奥駈道縦走が始まります。
昨日買ったガスカートリッジと朝入れた水が加わり、これでいよいよ完全装備。推定35kgの大荷物は異様な存在感を放っています。宿の人も「??」・「!!」な目で見ていました。こんな重たいもの背負って山を歩くのですから、物好き通り越してちょっとした変態ですよね。ええ、わかっています。ええ、ええ、そうですとも。

マイクロバスに乗車したのは私一人きり。運転手さんとお話ししていると、やはり大きな荷物に注目されます。熊野まで行くと言うと奇異の目を向けられ、恥ずかしいような誇らしいような複雑な気分になりました。

ザックにくくりつけてあったストックを取り出し、いつも通りの長さ115cmに合わせます。靴ひもを締め直したらいよいよ出発。その鳥居をくぐれば6日間に渡る縦走が始まるのです。まずはゆっくりゆっくり行きましょう。荷物の重さを確かめるように、体の様子を確かめるように。

さて、ここで大峯奥駈道についてさらっとおさらいしておきましょう。
そもそも大峯奥駈道とは、
1)歴史的・宗教的には、吉野と熊野を結ぶ修験道の修行の場としてひらかれた道を指します。とある説話によると、修験道の開祖・役行者は山上ヶ岳で蔵王権現を祈り呼び出したそうです。それが7世紀のお話で、平安時代には既に奥駈修行が盛んに行われていたとか。明治初めの修験禁止令の荒波を乗り越え復興し、今でも年に数回山伏および一般申込者による修行が行われています。なお、大峯奥駈道は「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部として2004年に世界遺産登録されています。
2)レクリエーション登山的には、吉野から熊野へと続く長大なトレイルを指します。その間、一等三角点が3つも設置されているのですから、この道がどれだけ長いかわかろうというものです。トレイルの北半分には1900mに達する荒々しい山が多く、近畿最高峰にして百名山の一座・八経ヶ岳をはじめ、大普賢岳・釈迦ヶ岳など人気のある山々が連なっています。これらのピークは日帰りでもよく登られているようです。太古の辻を過ぎて南半分に入ると山の標高はぐっと低くなりたおやかな感じになります。南半分を特に南奥駈道と呼ぶそうです。一般的に奥駈道を縦走する場合、日程や荷物の問題があるので、北半分と南半分を分けて行うことが多いかもしれません。




どんどん濃くなる霧に包まれ、ほとんど景色が見えないまま四寸岩山着。谷側の木が皆伐されていて、たいへん展望が良さそうだというのに・・・。休憩もせずに通過。



ああ、居心地の良さそうな小屋ですねえ。こんな素晴らしい小屋で夜を過ごしてみたいなあ。雨も降ってきたしなあ。荷物も重いしなあ。んー・・・んー・・・泊まるか!今日はまだ3時間しか歩いてなけど、まだ12時台だけど、でもまあいいや!だって、泊まらなかったらきっと後悔するだろうから。今日の分の行動食をつまんで、コーヒー飲んで、読書する。そんな午後に決定。決定!


奥千本口-青根ヶ峰-四寸岩山-二蔵宿小屋
09:08 奥千本口 発
09:35 青根ヶ峰 着
11:16 四寸岩山 着
12:11 二蔵宿小屋 着
所要時間:3h03
歩行距離:7.4km
累積標高:+840m/-463m
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