11月23日(月) 快晴
1週間かけて歩いた大峯奥駈道をちょっと離れた場所から眺めてみたい、というリクエストにお応えいただき、今日は大峰山脈と谷1つ挟んで東にある大台ヶ原へ連れて行ってもらうことになりました。お天気良さそうですし、景色が楽しみです・・・。
夜半までの雨でしっとりと湿っている駐車場。でも、空は完璧な快晴。チリ一つ浮いていないクッキリハッキリどこまでも見通せそうな青空です。はやる気持ちを抑えながら、さっそく大蛇嵓目指して歩き始めます。
葉を落とした木々の先端が白くキラキラ光っていました。一瞬、凍っているようにも見えましたが、どうやらそういう種類の木のようです。
でも、昨晩冷え込んだのは事実。だって、岩からしたたる滴がツララを作っていましたから。今も太陽からの光を一身に浴びているから暖かいだけで、気温そのものは低めなのです。
あっという間に大蛇嵓。大蛇嵓は断崖絶壁に飛び出した岩稜だそうで、聞くだに恐ろしい場所です。この階段を登れば岩の向こうが・・・。
そうここが大蛇嵓。これは撮ってもらった写真です。そもそも高いところや尖った場所がきらいなので、こんな岩の先端なんて行かずに済ませようと思っていたのですが、写真を撮るからと促されて泣く泣く足を運びました。柵を越えるとすぐ絶壁。そこに向かってゆるゆると下っていくのがまた恐ろしいわけです。見栄を張って笑顔を作ってみたものの、拡大すると引きつっているのがわかることでしょう。
でも、そこからの景色は文句なく絶品です。大峯奥駈道の途中にある山々が見えること見えること。まずは大普賢岳。この山頂に立ったときには深いガスに包まれて何も見えませんでした。
なだらかな山塊は弥山~八経ヶ岳~明星ヶ岳です。ここでもやっぱりガスに巻かれていたのでした。
真ん中の一際尖ってよく目立つのが釈迦ヶ岳。そこから右に伸びる平らな稜線が、孔雀岳~仏生ヶ岳に至る、奥駈道中もっとも気に入ったトレイルです。遠くから見てもやはり平らでなだらかなのでした。
ここから山を眺めるのはもちろん初めてのことですが、苦労して歩いてきた稜線は一目でわかりますし、どこがどのピークかもおおかたわかります。あそこでは雨で辛かったとか、あそこの登りはきつかったとか、あの山から見た朝陽がきれいだったとか、様々なことが思い出されます。
見えている山は右に大普賢岳、中央に八経ヶ岳・釈迦ヶ岳、左に笠捨山。7日間歩いたうちの3~5日目が見えていることになります。吉野と熊野に近い山は標高が低いので隠れてしまっています。
それにしても、縦走した道のほとんどを眺めることができるなんて、こんなに幸せなことがあるでしょうか。今回の大峯奥駈道は半分以上が雨で、あまり天候に恵まれてはいませんでした。でも、最後の最後でこんなふうに締められるなら、心残りのあろうはずがありません。最高の旅の終わり方です。
すっかり満足してしまいましたが、大台ヶ原はまだもう少し歩くことができます。この平らでひろびろとした感じはかなり好ましいトレイルです。
トウヒの立ち枯れが目立つ正木ヶ原。かつては青々とした深い森だったそうです。台風・シカ・観光道路など様々な要因でこうなってしまったのだとか。一見さんの身勝手な意見としては、森よりも笹原のほうが景色を眺められていい、と思ってしまいます。
右手には雄大な熊野灘を眼下に見られます。この海も、大峯奥駈道から遠く眺めた海なのです。
立派すぎる展望台のある日出ヶ岳。長い長い階段登りの末に到着です。
一等三角点の山頂にさらに展望台を作り、これで景色が悪いわけがありません。大峰山脈は当然として、案内板によると遠く富士山まで見えるのだとか。
一昨日同様ここでもラーメンをご馳走になって1時間以上も休憩しました。ここから駐車場まではほんの30分の道のりです。これだけ大展望を楽しんで、それでも4時間ほどで1周できるのですから、ハイキングとしてはこれ以上の山はありません。今日もたくさんの観光の方が登ってきていました。
時間に余裕があったので、帰りに少し寄り道をしました。先ほど大蛇嵓から眺めた大普賢岳の麓へ行き、今度は大台ヶ原を見返そうというのです。クネクネと細い道を慎重に登って、和佐又ヒュッテまで。駐車場から5分ほど歩くと、おお!見えました。ついさっき歩いた大台ヶ原一帯です。やや高度を落とした太陽の光を浴びて、陰影をくっきりさせています。これまた素晴らしい眺めです。
こんな遠いところまで連れてきていただいて、ただただ感謝の一言です。
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今日の行程
駐車場-大蛇嵓-日出ヶ岳-駐車場
08:32 駐車場 発
09:20 大蛇嵓 着
09:50 大蛇嵓 発
10:54 日出ヶ岳 着
11:59 日出ヶ岳 発
12:31 駐車場 着
所要時間:3h59
歩行距離:7.1km
累積標高:±490m
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