11月24日(火) 雲り
大峯奥駈道を歩いたのみならず、その稜線を間近に眺めることができ、もうすっかり大満足状態。後は北海道に帰るだけです。
ただ帰るだけなのですからおとなしく関空発の便を使えばいいようなものですが、なぜか就航したばかりのエア・ドゥ小松-札幌便を利用するため、わざわざ大阪から金沢に移動しなければなりません。金沢も一度は行きたかった街なのです。
でも、大阪と金沢がこんなに遠いとは思ってもみませんでした。高速バスで4時間20分もかかるなんて!座り疲れて飽き始めたころ、ようやく石川県に入りました。薄曇りの空を背景にしたあの雪を戴いた山が白山でしょうか。
12時少し前に金沢着。いきなり奇妙な建物に圧倒されます。なんとあれは金沢駅。京都といい金沢といい、歴史のある街ほど奇抜な駅を造りたがるのでしょうか。
駅前の宿に荷物を預け、バス1日券を買って観光開始。いつもなら徒歩でウロウロするところなのですが、今回は時間と距離の関係でバス利用としました。城下まち金沢周遊バスを利用すると、効率良く市内をまわれるようです。まずはひがし茶屋街。ちょっと観光客に媚すぎな印象もありますが、1・2本裏通りを覗くと、古い家屋に電機屋さんが入っていたりして、ここで生活が営まれていることを教えてくれます。
次いでやってきたのは金沢城。兼六園には目もくれず、城内散策を開始します。金沢城で面白かったのは石垣。なんか和歌山城でも同じようなことを言っていたような気がしますが、こちらの方がはるかに魅力的でした。というのも、「金沢城の石垣めぐり」なんて看板が立っているほど多くの、そして多様な石垣が残されているからです。
野面積みはほとんど加工せずに積み上げただけの造り。
打ち込みハギ積みは形・大きさをそろえた割石を用いて造ったもの。
切り込みハギ積みは隙間なく真平らに仕上げる造り。
と、そんな色々な技法が施された石垣が城内至る所にあるわけです。ウロウロ見て回るだけで軽く1時間は過ぎていきます。
和歌山城に比べると、金沢城は市民の憩いの場という性質が全くなく、完全に観光地となっているようで、その点はちょっと寂しく感じます。どうも私は、生活の中に息づいている歴史、というものが好きなようです。
その代わりというわけではありませんが、本丸跡の林は鬱蒼としていて見事なものです。生態系まるまる残されているので、多くの動植物が生息しているそうです。こういうのは意識して残したからこそ現在まであるわけで、たとえば札幌や旭川の都市公園の惨状を考えるに、お城の存在というのはそういう意味でも大きいと思わされます。
最後は長町武家屋敷跡へ。武家屋敷そのものよりも用水路にクラクラ魅惑されてしまいました。なんなんでしょうこの佇まい。昨年訪れた伊予西条も水の流れる素敵な街でしたが、金沢も素晴らしいではないですか。
地元出版の本によると、北陸ではカレーがアツイらしいので、夕食にカレーを食し、宿に戻っておやすみなさい。結構歩き疲れました。
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