2009-12-09

近畿山行・11日目 比叡山

11月21日(土) 晴れ

昨日はいつものように知人宅にお世話になり、今日はいつものように近郊の山を案内してもらいます。行き先は比叡山とのこと。何の予備知識もない上に地図すら持たず、ただひたすら後をついて行くお接待登山です。いつにない経験ができるのでワクワクしてしまいます。

大阪から阪急・京阪・叡山と乗り継いで、歩き始めは修学院駅から。5分もしないうちに目指す山頂が見えるようになります。しばらく川沿いに行くと家並みが途切れ、左右を金網の高い柵に隔てられるようになります。要所々々に「立ち入らないで下さい PLEASE DO NOT ENTER 宮内庁 皇宮警察本部」なる看板が掲げられていて、ものものしさ抜群です。そう一枚金網を隔てればそこは修学院離宮。さすが京の都。皇宮警察なんて単語、初めて目にしました。

登山口でアスファルトから開放されたかと思ったら、今度は深い深い浸食の道に変わりました。2~3mはあるでしょうか。苔の洞門のようでもあり、鎌倉の切通しのようでもあります。それが延々続くのはなかなか壮観です。

尾根に出たところで切通しは終わり、そこで待っていたのは楓の紅葉。赤黄緑の入り交じる葉が陽光を透かして鮮やかなステンドグラスのようです。まだまだ紅葉は色づき始め。京都の紅葉はこれから見頃になっていくのでしょう。

しばらくスギヒノキの木立を登っていきます。ふっと傾斜が緩くなったかと思うと、そこはベンチのある展望台でした。ぱっと景色が開けて京都の街並みが一望できます。

すぐにロープウェイ駅に出て再びアスファルトの道をもう一登り。なにやら俗な施設が現れました。ガーデンミュージアム比叡、だそうです。モネ・ルノアール・ゴッホらの絵画をモチーフにうんたらかんたら。天台宗の本山とフランス印象派との間にどんな関係があるのかは全く理解不可能です。

どうしてそんな施設を訪れたかというと、それはそこから琵琶湖が望めるから。初めて見下ろす日本一の湖。ついさっきは古都を眺め、今度は湖を見る。なかなかどうして、展望の山ではないですか。

でも、一等三角点の置かれた大比叡山頂は、本当にこれが山頂でいいのか!?と言いたくなるような、深い木立に囲まれた平坦地でした。当然遠くは見えず。

道は自然に比叡山の境内に入っていきます。東塔と阿弥陀堂の間を抜け、せっかくですので根本中堂まで寄り道します。そこは登山姿の私たちが浮いてしまうような観光地でした。三連休だからか、お天気がよいからか、はたまた紅葉が始まっているからか、ものすごい人波です。ここに登ってくるまでほとんど人と会わず静かに歩いてきたので、この賑わいには圧倒されてしまいます。

聞けば比叡山は世界遺産に登録されているのだとか。先日の大峯奥駈道に続き、図らずもこの旅二つ目の世界遺産訪問となりました。

この落ち着いた佇まいのお堂は戒壇院。さきほどの喧噪がウソのように静寂に包まれています。ほんの5分ほどの距離なのですが。

静けさを取り戻した散策路を行けば、山王院堂・浄土院・転法輪堂と次々年代物(たぶん)の建物が現れます。ここもまた大峯奥駈道と同じく歴史を訪ねるトレイルなのでした。

転法輪堂を過ぎるとようやく登山道らしい雰囲気となります。ゆるやかな尾根をてくてく歩き、玉体杉でお昼休憩。寒風が吹き付ける中、ガスストーブでラーメンを作ってもらいアツアツをいただきました。寒い時のラーメンほど骨身にしみておいしいものはありません。おもてなししていただくというのは本当にありがたいものです。

休憩中に次々と登山者がやってきて、通り過ぎて行く人あり、同じようにお昼を食べていく人ありで、かなり賑やかな感じでした。この時季このくらいの低山でこれだけの登山者がいるというのは、さすが大都市圏という気がします。旭川近郊の低山だと土日に登っても誰にも会わないこともありますので。

しっかり休憩したら、横高山・水井山と展望のないピークを通過して、一気呵成に下っていきます。こんな可愛らしい道標に導かれ、一路三千院へ。

比叡山にも負けないくらい、というかそれ以上の人出となっている三千院。京都って本当に観光都市なんですね。ふらりと見て周り、最寄のバス停からぎゅうぎゅう詰めのバスで帰途につきます。電車の駅から歩き始め、バス停で歩き終える。公共交通が整備されているからこその縦走ルート。こういうのは北海道の山ではほとんどありえません。近畿の低山の羨ましいところです。

ずいぶん長くバスに揺られ、電車でウトウトして梅田着。締めはもちろん乾杯で!今日は一日ありがとうございました。

お世話になった”さんきらい”さんのブログはこちら

今日の行程
修学院駅-大比叡-水井山-三千院
 08:17 修学院駅 発
 08:45 登山口 着
 10:01 ケーブル山頂駅 着
 10:38 大比叡 着
 12:15 玉体杉 着
 13:05 玉体杉 発
 13:29 水井山 着
 14:43 三千院 着
 15:15 バスのりば 着
所要時間:6h58
歩行距離:16.5km
累積標高:+1359m/-1204m

2 件のコメント:

モンタン さんのコメント...

続きですね~
懐かしいですね。私はもう、かれこれ30年ほど前に道なき道を登った記憶だけで、立派な標識などは無かったです。
根本中堂に寄った事と、樹木の大きさだけは記憶に残ってます。
琵琶湖の眺めは良いですよネ~

DOEI Takuma さんのコメント...

30年前となると、かなり様子が変わっているのでしょうね。
この一帯の登山道は、京都一周トレイルの一部として再整備されたようです。
昨年比良山系に登ったときには雲に隠れて琵琶湖は見えずじまいでした。
今年は見られて良かったです。