2010-12-04

関東甲信山行・2日目 八ヶ岳1

11月17日(水) 快晴一時ガス

八ヶ岳縦走初日の朝。ホテルの部屋のカーテンを開けると、夜明け直前の淡い青空が広がっていました。幸先の良い出だしになりそうです。あれ、送電線の向こうに見えているのはもしかして八ヶ岳?これから登る山々を眺められるなんて嬉しい演出です。こんなに展望の良い部屋に泊まっていたとは、昨日は気がつきませんでした。

ホテル近くの停留所を8時9分に出るバスに乗ればいいので、あまり早起きをしなくていいのはとても楽です。充分余裕を持って準備をすることができます。今までになくムチムチに詰め込まれたザックは推定30kg超。重いは重いのですが、一人で背負うことができる程度ですから、常識的な範囲でしょう。重さの割に嵩張っているのは防寒具のせいです。

細かく右左折するバスの車内からは、今日最初に登る蓼科山が時に正面に見え、山行気分を盛り上げてくれます。

11月3日までは蓼科山登山口までのバスが運行されていたようですが、さすがにもうオフシーズンということなのでしょう。石臼台という停留所で下車して、そこから車道をテクテクと歩きます。標高は既に1600m程度。日陰には雪が残っています。一般的に車道歩きというものはあまり面白くないものと相場が決まっていますが、この道は景色が良いのでさほど飽きることはありませんでした。カラマツ並木の向こうに蓼科山が見えるなんて、なかなか絵になるではありませんか。

1時間弱で女ノ神茶屋に到着。この時間でシャッターが閉まっているところを見ると、休業中なのかもしれません。この反対側に登山口があります。

登山口からしばらくは背の低い笹原。早速登山道に雪が現れます。蓼科山山頂までは、平坦→急登→平坦→急登→平坦→急登と三度繰り返していくことになります。

急登はいずれも岩がちで、うっすら雪が積もっていて滑りやすくなっています。荷物が重いときにはいつも以上に注意が必要です。この最初の急登が一番きつい登りでした。息はゼーゼーと苦しく、汗はダラダラと流れ落ちます。一歩足を進めわずかに体を持ち上げるだけで一大決心が必要というような状態です。1時間ほど歩いて一度休憩を入れたらようやく落ち着きました。体が縦走仕様に切り替わってくれたようです。

女ノ神茶屋を出てから3時間弱。山頂直下の蓼科山頂ヒュッテに到着しました。山頂は縦走路からわずかに外れていますので、ここに荷物を置いて行きます。重荷から解放されてそれこそ飛ぶような心持ちで大きな岩の上をトントンと駆けていきます。

蓼科山山頂には今まで見たことのないような景色が広がっていました。岩が累々と積み重なっているのはよく目にしますが、これだけ広くて平らなのはちょっと珍しいのではないでしょうか。壮観です。

山頂から眺める景色は一面の雲海でした。雲頂はだいたい2600mくらい。八ヶ岳では赤岳を中心としたあたりだけが雲の上に頭をのぞかせていました。

山頂の合成パノラマ写真はこちら。山頂西端にある方位盤から三角点方面を見ています。右手に見えているのが赤岳等です。それにしても本当に見事に広くて平らな山頂ですね。

蓼科山からは大河原峠経由で双子池に向かいます。日のあたらない北斜面となりますので、雪の量がグンと多くなりました。蓼科山荘までの標高差150mの下りは、岩がちで急坂で雪、と三重苦となっていて神経を使わせられます。山荘から先で斜度は緩くなるものの、登山道は全面積雪となります。

大河原峠で一度車道に出ます。標高2000mを越えた山中に舗装道路が走っているのは、道産子にとっては軽いカルチャーショックです。北海道で標高2000mオーバーの山は大雪山系と日高山脈にしかありません。というか、日高山脈では幌尻岳一峰だけであり、大雪山系でも表大雪中心部以外では点としてパラパラと存するだけです。面的に連続しているのは表大雪中心部のごく一部のみ。高山帯中の高山帯、山奥中の山奥なのです。そういうイメージが染みついていますので、そこに自動販売機があったりすると不思議な気分になってしまいます。

大河原峠からわずかに登ると双子山です。まだ6時間ほどしか歩いていませんが、出発が遅かったので既に日が傾き始めています。こういう広々として展望の良い山頂部は私の好みど真ん中です。できればここでゆったり時間を取りたいところ。テントを張って夜を明かしたいくらいです。でも、八ヶ岳ではテント泊が可能な場所は明確に定められていますから・・・。

右手には逆光で影となった蓼科山が見えています。結構な標高を下ってきていますよね。今日登った分、全部下るかというくらいです。

後ろ髪を引かれながらも、どんどん先を急ぎます。なにせもうすぐ日が沈んでしまうのですから。樹林帯に入りますから、すでに薄暗い感じがしています。

今日のキャンプ地、双子池に到着。山の中にある池としては比較的大きめですが、ほとんど結氷していました。雪の上にテントを張り、結構厚く張った氷を苦労してたたき割って水を汲む。初冬という感じですね。


今日の行程
石臼台-蓼科山-大河原峠-双子池
 08:59 石臼台 発
 09:52 女ノ神茶屋 着
 11:05 2113.3m 着
 12:42 蓼科山 着
 14:29 大河原峠 着
 15:40 双子池 着
所要時間:6h41
歩行距離:12.1km
累積標高:+1222m/-765m

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