2010-12-07

関東甲信山行・6日目 奥秩父縦走1

11月21日(日) 快晴

昨晩無事に原稿を書き上げて、すっきりとした気分で迎えた山行の朝。今日から5泊6日の予定で奥秩父縦走に入ります。コースは瑞牆山荘から金峰山・甲武信岳・雲取山を経て奥多摩まで。頑張れば1~2日短縮して下山できるのですが、1日あたりの行動時間を短くして楽するといういつものパターンです。

いくつか荷物を送り返したので、ザックも少しは小さく軽くなったかと思ったら、全くそんなことはありませんでした。泊数が増えた分、食料が多くなっているのです。甲府駅までの10分足らずの道のりですでに疲れてしまいます。

甲府駅からJRに乗って韮崎駅へ。所要時間はほんの10分。韮崎駅で登山口行きのバスを待っていると、登山姿の人たちが続々とやってきました。さすが快晴の日曜日。今日の山は賑わいそうです。後から突然「瑞牆山荘ですか?」と話しかけられました。同じ山に登る人かと思いましたが、さにあらず。タクシー運転手さんの営業でした。バス待ちの人を4人集めて登山口まで乗って貰おうということのようです。バスよりも30分早く着いて料金は同じ。悪い話ではありません。私以外の3人は既に決まっていたのですぐに出発となりました。

道中色々な山が視界に入っては消え、運転手さんがそれぞれ解説してくれます。八ヶ岳は今日もやっぱり美しく、瑞牆山は岩峰荒々しく。山々を楽しんでいるうちに瑞牆山荘に到着しました。

なんとも小綺麗な瑞牆山荘。こんなに素敵な宿なら昨日はここに泊まれば良かったかも。駅から車で1時間かかる登山口までずっと舗装道路が続いていて、しかも一番奥にこういう宿泊施設があるなんて、ちょっと北海道では考えられません。温泉街とか観光地とかそういうわけでもないのに。登山人口の違いなのでしょうか。

瑞牆山荘の目の前から始まる登山道は、一面ミズナラの森。土色に変色した落ち葉はすでに乾ききり足を進める毎にカサコソと小気味良い音を聞かせてくれます。葉を落とした木々を通してたっぷりと注ぐ陽光も体をほんのりと暖めてくれて、これこそ晩秋の山の良さだよなあとシミジミ実感しました。

富士見平では色とりどりのテントが立ち並んでいました。縦走のためのテント泊というのではなく、山の中のキャンプを楽しんでいるといった風情。ここに泊まっている人たちも登山道ですれ違う人たちも、とにかく若い人が多い印象を持ちました。北海道の山とは明らかに客層(?)が異なります。

富士見平は瑞牆山と金峰山との分岐でもあります。瑞牆山も金峰山もそれぞれ百名山に名前を連ねますが、明らかに瑞牆山に向かう人の方が多いようです。私は金峰山へ向けて真っ直ぐ縦走路を進みます。

今日のルートは金峰山から西に延びる長い稜線をゆるやかに登っていく感じ。少しずつ標高を稼ぐに連れ、少しずつ遠望が効くようになり、そして岩が重なり合った尾根に乗った瞬間、ぐわっと展望が開けるのです!なんという絶景。この展望台はガイドマップによると「砂払の頭」と言うそうです。

ここから金峰山までは岩がちのすっきりとした稜線をたどることになります。山頂も見えています。今までに登ったことのないような山容で独特の魅力があります。山頂付近でよく目立っているのは金峰山のシンボル五丈石。

五丈石到着。稜線に出てから風が強めに吹き付けてきています。この大きな岩の風下には何組もの人たちが隠れるようにして休憩していました。

そこからすぐに金峰山山頂。山頂標識からでも充分見晴らしは良いのですが、ちょこっと岩の上に出ると何者にも遮られない360度の展望が得られます。

まずは八ヶ岳。手前右に見える岩を露出させた山が瑞牆山です。

これから進む稜線はこちら。平らで広くて景色が良くて、もろ好みです。

360度のパノラマ写真その1。国師ヶ岳を中心に北東~南方面。

その2。五丈岩を中心に南~北西方面。

その3。小川山を中心に北西~北東方面。快晴の空に所々に低い雲がたなびき、山々はすっきりと見えています。一昨日の硫黄岳にも劣らない素晴らしい景色です。今回の縦走コースはここから後はどんどん標高が低くなる一方なので、今日この景色が一番なのかもしれません。

15分ほど休憩してすぐに出発。先を急ぎます。すっきりとした稜線から正面にこれから歩く朝日岳が見えています。右奥に明日歩く予定の国師ヶ岳、左奥に同じく甲武信岳が控えています。こうやって連綿と続くトレイルを見せてもらうと俄然歩行欲が湧くというものです。

朝日岳を越えると国師ヶ岳がぐんと近く見えるようになりました。国師ヶ岳手前の鞍部に今日泊まる大弛小屋があります。残りの行程はもうほんのわずか。

今日は歩行時間こそ短いものの、出発が遅めだったため、すでに太陽は傾き影が長く伸びる時刻となってしまいました。登山道がやがて林道に出ると、そこは大弛峠。沢山の車が駐まっていました。人気のある登山口なのでしょう。峠の標高は2300mを越えていますから、ここから歩き出せば金峰山も国師ヶ岳もほとんど高低差なく登ることができますから。

大弛小屋は峠のわずか奥に。ここでテント泊の手続きをします。なにやらトラブルがあったとかで管理人さんは慌ただしくしていました。

夕日の差し込むテント場。なんとか暗くなる前に設営が終わりました。


今日の行程
瑞牆山荘-大日小屋-金峰山-大弛小屋
 09:38 瑞牆山荘 発
 10:21 富士見平 着
 11:17 大日小屋 着
 12:44 砂払の頭 着
 13:32 金峰山 着
 14:42 朝日岳 着
 15:38 大弛小屋 着
所要時間:6h00
歩行距離:10.5km
累積標高:+1390m/-538m

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