2005-02-08

修士論文発表会

携帯電話事件の傷跡も癒えぬまま、またしても札幌にやってきました。通信もままならないこの抜き差しならぬ状況の中、わざわざ長距離を移動してきたのは、後輩たちの修士論文発表会に出席するためです。修士論文発表会というのは、修士課程に入学して以来2年間の成果を修士論文という形でお披露目する場であり、先生方がその内容の可否を問う場でもあります。今日その場に立ったのは、入学当初から知っている後輩たちです。中には、ほんの少しですが調査の手伝いをした人もいます。大雪山で調査をしていた人もいます。そんな彼らの2年間の集大成がどんな形になったのか確かめたかったですし、最後の晴れ姿を見届けたいという気分でもありました。

2月24日に東川で講演をしてくれる太田くんもそのうちの一人です。デジタル写真を用いてパソコン上で登山道の3次元モデルを作成したそうです。それを大雪山の登山道100地点で丹念に行い、登山道侵食がどこでどのようにおこっているのかを評価しています。彼の発表はいままで何度となく聞いてきましたが、この1~2ヶ月の間、修士論文の執筆・発表会というプレッシャーにもまれ、以前よりも格段によい発表をするようになっていました。これは講演会も大いに期待できそうです。

在学中は他人の発表にあまり興味をもてませんでした。でも今や知的な刺激を受けられる貴重な機会だと感じます。一度卒業すると学問の世界は途端に縁遠いものになりますが、でもだからこそ、そのありがたさを再認識し積極的に受け入れたいと思うようになるのでしょう。この情熱が在学中からあればよかったのですが。健康なんかと同じで、失ってはじめてわかる種類のものなんですね、きっと。

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