2005-02-11

雪尺成長中

以前、ここで取り上げましたが(1月23日の記事)、雪の深さを測るための「雪尺」というものがあります。この棒がどこまで見えているかで雪が増えたか減ったかわかるのですが、この雪尺自体が伸びたり縮んだりするとは知りませんでした。
こんなふうに。



成長前成長後



ちょっと見ないうちに、なんと、雪尺の背が伸びていたのです!1月に見た時は確かに3m20までしか測れなかったはずが、2月に入ると突然5m50まで測れるように成長していました。

広葉樹林の林床には、春の早い時期に芽を出し花を咲かせ実まで結んでしまう植物が生息し、スプリングエフェメラルと呼ばれています。なぜ春のうちに1年のサイクルすべてを終えるかというと、高木が葉をつける前のまだ林床が明るく陽光を受けられるうちに活動するためであり、同時に、花をつける時期をずらすことで、花粉を媒介する昆虫の訪問を確実にするためでもあります。

とすると、ひょっとして雪尺もスプリングエフェメラルの仲間なのでしょうか?どの植物よりも早く成長しようとした結果、まだ雪深いこの季節に芽を出してしまった・・・。そう考えれば辻褄は合う・・・。太陽光と花粉媒介昆虫を獲得するための生存競争が、こんな変種を生み出してしまったとは。驚くべき発見です。この行き過ぎた進化がたどり着く先に、いったい何があるというのでしょうか。 植物の世界は不思議に満ちています。


注意!
写真の地点は広葉樹林ではありませんし、ましてや雪尺は植物ではありません。念のため。

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