2005-01-30

ながいながーい名前の会議

会議資料として配られた「整備技術指針(案)」では、登山道整備の方針と工法についてかなり詳細な議論がされています。
簡単に言うと、
・安全性を確保しつつ景観維持と植生の保全とを鼎立させる方針の下
・全登山道を「登山道保全修復カルテ」を用いて診断し、補修箇所に優先順位をつけ
・補修箇所を10タイプに分けそれぞれに応じた適切な工法を用いる
のだそうです。

用いる工法は国内外の技術を総動員しているようですが、なかでも注目すべきは石組みによる水流の誘導でしょうか。自然石を用いて水の流れをコントロールすることで、景観を維持しつつ登山道の侵食を防ぎかつ利用者の歩きやすさにも配慮できるという三方一両得。越前守も真っ青な技術です。

方針・工法についてはおおかたの納得が得られる結果となりましたが、いったい「誰が」・「どのように」登山道整備を行うのかという問題が残されました。
・地元の担い手に技術を伝えるにはどうすればいいのか。
・育った人材が流出しないようにできるのか。
・さらに、それそれの担い手グループの活動をどうコントロールするのか。
ここが解決されなければ、いくら良い方針も、どんなに素晴らしい工法も単なるお題目に終わってしまいます。この点の解決には、やはりある程度の予算が必要です。環境省の本気度が試されているといってもいいでしょう。

そして同時に、われわれ地元の人間の覚悟も試されているのではないでしょうか。従来の公共事業型大規模工事から抜けだし、きめ細かな登山道補修を目指すなら、担い手は地元の人間以外に考えられません。私たちは、大雪山を「われわれの国立公園」と考え主体的に行動することができるのでしょうか。
日々の業務に追われるだけではなく、視野を大きく持ち将来を見据えなければならないと、思いを新たにしました。

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