2011-07-31

佐久間、岩峰に立つ

遠く旭岳から眺めてもその存在がわかる大きな岩。化雲岳の山頂には「化雲のヘソ」と呼ばれる大岩があります。

ほぼ平らな山頂部にその岩だけがにょっきりと突き出しているので、その存在感はかなりのもの。

忠別川源流に向かって切れ落ちている崖の方にまわって踏み跡をたどると、

手がかり足がかりとなる岩が脆くなってきているので注意は必要なのですが、比較的簡単に岩の上に登ることができます。

そこに登る佐久間。ヤラセ的なバンザイ。もしガスがなければ、旭岳からでもこの姿が拝めたのかもしれませんね。

2011-07-30

忠別小屋の現状

昨年、暴風雨の中、1日停滞した忠別小屋。漏れてきた雨水が壁を伝い滝のように流れ落ち、一階の四分の三ほどは濡れて腐って使えない状態でした。

それから一年。噂によるともっと酷くなっているとか、いないとか。しっかりとこの目で確かめてきました。

登山道側外観。古びてはいますがきれいなものです。

入口側外観。これも特に問題なし。

で、これが懸案の屋根。トタンが剥がれて内側の板がむき出しになっています。これでは雨漏りするのも当然です。早晩こちら側は全て剥がれ落ちるのではないでしょうか。

小屋一階内部。応急処置用に新しい板が用意されていて、そのうち何枚かが既に敷かれていました。

一番酷い奥の床。もう全てが腐れてしまっています。新しい板を置いたところでどうなるものでもありません。晴れた日なら良いでしょうが、雨の日には窓側の壁からどんどん水が流れ落ちてくるのですから。

このままではまともに使えるのは後せいぜい2~3年くらいではないでしょうか。なんとかちゃんとした補修をしていただきたいものです。

秋の前触れ

忠別小屋に下る途中。実を赤く染めつつあるナナカマドを発見しました。もう7月も末。お盆が終われば秋の第一歩。暑い日が続いていますが、季節は確実に進んでいます。

忠別岳のお花畑

忠別岳山頂から忠別小屋方面に下ること1分。そこにこんなに見事なチングルマのお花畑があったとは!



今までちょうど見頃の時季に来たことがなかったのですね。本当に一面という感じで素晴らしいお花畑でした。 一般的には日帰りで行くことはできない場所ですので、山中泊する方だけのお楽しみですね。

開花情報・高根ヶ原

3週間ぶりに訪れた高根ヶ原。お花もすっかり入れ替わっていました。いつものように写真だけでスミマセン。






2011-07-29

雪融け時季の違い

ほんのわずかしか離れていなくても、雪融けが早いか遅いかでそこに住む植物の生長度合いも全くことなるものです。たとえば小泉岳付近で。

雪融けの早い場所では、チングルマがすでに綿毛になっているというのに、

雪融けの遅い場所では、チングルマ・エゾコザクラ・ミヤマキンバイが今を盛りと咲き誇っています。

色々なお花の色々な状態を見られるのは今時季の楽しみかもしれません。

開花情報・駒草平

銀泉台~駒草平のお花はもうすっかり夏モード。いかズラズラと写真だけ。













白いコザクラ

いろいろな花に白花がありますが、エゾコザクラに関しては白いのはあまり無いような気がします。前回見たのは確か2003年。トムラウシへの縦走中に化雲平で見て以来になります。そのくらいはっきりと覚えているほど出会うことがないのでしょう。

悔やまれるのは当時山行にカメラを持って行かなかったこと。その美しい白い花弁を撮影できなかったことで、しばらく自分のうかつさに呆れていました。その無念をようやく晴らすことができました!

場所は赤岳第三雪渓。ああ、8年ぶりに出会ったこの色。完全な白ではなく、わずかに紅を秘めているところがたまりません。次はいつどこで会えるかわかりませんし、しっかり目に焼き付けておきました。

笠に蝶

梅に鴬、藤に不如帰、そして笠に蝶。

蝶を呼び寄せ、そこに留まらせる魅力を発する佐久間。

2011-07-27

開花情報・姿見平(の外れ)

いやもうすごいです。超見頃。チングルマ。

ロープウェイ姿見駅から鏡池を横目に裾合平に向かって枯れ沢を渡り登り返したあたり。チングルマが満開でした。もう8月に入ろうというこの時季に満開というのはかなり遅い気がするのですが、まあ遅かろうが早かろうがきれいなことにはかわりないので。ただただこの白い絨毯を愛でようではありませんか。




登山道の保全と整備

ご飯が美味しかった、朝焼けがきれいだった、なんて話ばかりだと、山に遊びに行ったんじゃないかと思われそうですが、実はちゃんとした仕事だったんです。正式名称は第2回ひがしかわ自然ガイドによるエコツーリズム・モニターツアーで、テーマは「登山道の保全と整備」。ほら、そう聞くと急に真面目な感じが高まりますよね?

自然公園における登山道荒廃については学生時代に少しかじり、またガイドとして大雪山を歩く中でつぶさに観察してきた、自分自身関心の高い問題です。それについて現場を見ながらお話する機会をいただいたことはやりがいがあり嬉しいことです。

もちろん、小難しい話ばかりしてもしょうがないので、荒廃の現場を見て何かを感じてもらうということに重きをおきました。結構あるんですよ、酷いところが。

たとえば間宮岳から中岳分岐に向けて下っていく途中。ここの登山道は人の腰ほどもえぐれてしまっています。ここは今、絶賛崩壊継続中です。幸い、もうすぐ環境省による補修工事が入るそうなので、一安心ではあります。

白雲岳直下、花の沢源頭付近で、今まさに生じつつある登山道複線化。 登山道複線化とは、登山道がえぐれたりぬかるんだりして歩きにくくなる結果、そこを避けて植生などを歩く登山者が増え、平行して新しい登山道ができる現象です。放っておくと登山道間に細長く残った土壌および植生が崩れて登山道拡幅に至ります。

ここはまだ完全に植生が枯死していないようなので、今のうちに対策をすればこれ以上の荒廃を防げるかもしれません。

そんなわけで、同行した東川自然保護管事務所のレンジャーと、白雲小屋の管理人さんの協力を得て、こんな対策をしてきました。複線化して生まれつつある登山道の入口と出口にポールでバツをつけます。時間にして5分。材料は白雲小屋からお借りした余ったテントポール。おそらくたったこれだけでも、かなりの効果があるはずです。複線化を生む登山者の大部分は決して悪気があって登山道から外れ植生の上を歩いているわけではないからです。それが問題となることを自覚していないだけなのです。ですから、こうやって「ダメなんですよ」とメッセージを送ると、それを受けて正しい行動をしてくれます。

もちろん、ただポールを地面に刺しただけですから、いつ倒れたり外れたりするかわかりません。1週間おきくらいで見回りをするなど細かなメンテナンスはかかせません。これは登山道管理においては最も重要な要素です。大規模な工事にお金をかけることも必要な場合がありますが、人に対してお金をかけて現地に貼りついてもらうことのほうが効果は高いといえます。

エコツアーという視点からも、こういう簡単で短時間でき、かつ効果のある作業を参加者の方に体験してもらうというのはとても有意義なことと思われます。せっかくですから、時間をおいて何度か訪れていただいて、作業の結果などを確認してもらえるともっと良いですね。

そう考えるといろいろとアイディアが浮かんでくるなあ。

今回は大雪山の登山道管理が抱えるさまざまな問題を見て感じていただきたかったのですが、私の説明で上手く補足できていたでしょうか。何かを感じた結果、少しでもいいので何か行動に移していただければ幸いです。

白雲小屋の夕焼けと朝焼け

今年は山中泊の仕事が妙に多く、白雲小屋にも7月だけでもう5泊しました。それだけ泊まっているとお天気に恵まれることもあるわけで、今回は夕焼けも朝焼けも両方見ることができました。

26日19時08分の夕焼け

27日04時03分の朝焼け

27日04時12分の朝焼け

夕焼けも朝焼けも本当にきれいです。山の上で見ると特にそう感じます。29日はまた白雲小屋泊。今度はどんな景色が見られるかな?

2011-07-26

楽しい夕食

いつも山中泊ツアーの時は、夕食・朝食をお作りしてお湯を沸かし飲料水を作りお茶をお出しして、小屋に着いてからも何かと慌ただしくすごしています。でも今回は東川町某協議会(口を濁しているのではなく、正式名称が長すぎて覚えていられない)の主催ツアーなので、そういった仕事を全部やってもらうことができました。ゆったりと過ごす夕食前のひととき。最高です。

てきぱき働くさまをくつろぎながら眺めるなんて、こんな贅沢あるでしょうか。

メニューも盛りだくさんでした。まずはアルファ米ではないふつうのお米。もちろん東川米。これだけ食べても充分な美味しさです。

同じく東川の野菜を使ったマーボーなす。疲れた体には濃いめの味付けがよく効くのです。

副菜には海藻サラダとマッシュポテトも登場。こんなに品数があって良いんですか?

そして某レンジャーから差し入れのゴーヤチャンプルー。ゴーヤまるまんま持ってきて切って炒めて作っていました。まさかこんな料理が山で食べられるとは・・・

今回は酒好きの方ばかり集まったようで、2リットルの日本酒がすぐに空になっていました。私は雰囲気だけでほどよく酔った感じ。

夕食後は外に移動して、消灯時間までもう一盛り上がり。みなさん楽しそうな良い顔していますね。一応ぼかしをかけておきましたが、この日この時間にここにいることがバレるとまずい方はご一報ください。

年齢の近い方が多く、いつものツアーとはまた違った楽しさの一夜となりました。

2011-07-24

師匠の笠

一部のお客様から“師匠”と呼ばれ、絶大な人気を誇る山楽舎代表にしてマスコット的存在・佐久間。そのトレードマークと言えば、ご存じ”笠”です。これがなければ認識してもらえないかもしれないほどの重要アイテムであり、というかもしかしたら本体は笠の方なのかもしれません。

その割りには最近とみに使用頻度が低くなってきていて、お客様や私はやきもきさせられっぱなしでした。理由を聞いても、「風が・・・」とか「天気が・・・」と口を濁し、どうもことの重大性を理解していない様子。このままでは代表の座も危うくなる可能性だってあるというのに・・・

しかし今日。その笠が!ようやく復活したのです!!

これがトレードマークの笠。

そしてそれを被っていざ山へ!そうです、これです。これなのです。お客様はみなこの後ろ姿を期待してご参加くださっているのです。笠を被らなければ詐欺も同然なのです。

今度またいつ見られるかわからない笠姿。しっかり目に焼き付けてお帰りくださいね。ありがたやありがたや。

2011-07-23

北鎮岳山頂から見る日本海とオホーツク海

すっきりと爽やかな青空が広がり、かつ眼下に雲海が横たわっていた今日。高い山だけが霞むことなく視界に入り、遠方の山座同定をするには絶好の条件でした。

北海道第二の高峰・北鎮岳山頂からも素晴らしい景色を望むことができました。

西を見れば雲海から頭を出す暑寒別岳。暑寒別岳のわずか向こうは日本海です。

東方面。武利岳・武華山の奥に斜里岳・海別岳・羅臼岳・知床岳が連なっています。つまりオホーツク海に突き出た知床半島がそのまま見えているということです。

もちろん直接海が見られるわけではありませんが、大雪山からは広い北海道の西から東までこれだけの距離を見通すことができるのです。条件さえよければですけどね。

また遭難?

先週遭難があったばかりの表大雪ですが、今日もまた道警のヘリが飛び回っていました。

お鉢平の縁にある中岳分岐を中心に、旭岳~白雲岳~比布岳にかけて1時間以上ぐるぐる回っていたので、要救助者が見つからなかったのでしょうか。

関係者には特に連絡がありません。何事もなかったなら良いのですが。

道迷い・怪我をはじめ、遭難などされませんよう、くれぐれも気をつけて大雪山をお楽しみください。