2009-02-28

雪の姿見・天女が原

気がつけば2月も末。陽は長くなり、暖かい日も増えてきました。でも、雪はまだまだ降りますし、まだまだ積もります。特に山ではこれからが積雪本番といったところ。旭岳山麓の姿見平や天女が原でも、久しぶりに深い深い雪となっていました。

強い西風にさらされているため、降った雪は固められるか飛されるかしてしまう姿見平。この日は珍しく風が無かったのでしょう、腰まで埋まるほど積もっている場所もありました。 フワフワに軽い雪でしたので、これだけ積もっていても歩くのは見た目ほどは大変ではありません。

ぐっと下って天女が原周辺。ここでもやはりたっぷりの積雪。しかも軽い。今日スキーやボードで遊んだ人たちはさぞ楽しかったことでしょう。

ロープウェイ山麓駅の雪尺は2m80cmを指していました。後にあるはずの案内板がすっかり埋もれています。

2週間前の写真はこちら。雪尺は2m10cmで、後の案内板はまだ顔を見せていました。

軽くて深い羽のような雪。久しぶりに戯れて遊んぶことができました。

2009-02-25

雪と木の樹海峰へ

週末のツアーの下見で、大雪湖畔にある二等三角点の山・樹海峰へ行ってきました。あー!大変だった!

だって、雪が深いんです!普通にストックをさすだけで、ずぶりと何の抵抗もなくここまで埋まってしまうのですよ。下手に体重をかけようものなら、ストックを握る手が雪の中へ・・・

歩いていると、基本ヒザ上くらいまで潜ります。深いところでは腰くらいまで。ご覧の様にモモにも雪が着いています。2~3回足で雪をどけ、2~3回踏んで固め、そしてようやく一歩前に踏み出せるような感じです。

雪だけでも充分大変なのですが、さらに私を苦しめたのは「木」。下枝を伸ばし放題のトドマツです。あまりに密生しているので、歩いて通り抜けられない場所もあるほどで、大きく迂回しなければならないことも何度もありました。

木を避けると雪がひどかったり、雪の歩きやすいところを選ぶと木が道を塞いでいたり。一番苦労したところでは、たかだか標高差100m・水平距離280mを歩くのに、1時間以上もかかってしまいました。もうほんと二重苦・・・

それでもなんとか1203mピークに到着すると、やはり密生した木々の間から屏風岳が覗いていました。うちのお客様の中には、これを見て感涙にむせぶ方もいらっしゃいそうです。

そこからは、木・雪ともに多少歩きやすくなります。多少ではありますが。そしてようやく山頂。なかなか見晴のよさそうな山頂ではないですか。

遠望は効きませんでしたが、大雪湖方面はすっきり見えていました。他の方向はヒ・ミ・ツ。登ってからのお楽しみということで。

今日一生懸命踏み跡をつけてきましたので、ツアー本番は多少楽して歩けると思いますが、行く手を阻む木は残っているのですよね・・・

2009-02-24

高校でお話をする

今日は上川高校に行ってお話をしてきました。総合学習「大雪基礎」の時間で、テーマは「ガイドの基本技術」ということでした。

今までいろいろなところでお話をする機会がありましたが、高校では初めて。普段ご年配のお客様と接することの多い仕事ですから、15~16歳の若者を前に話をするのはとても新鮮です。

開始前の一コマ。気がつけばもう彼らの倍以上生きているんですよね・・・。その経験の分、なにがしかを伝えることができたのでしょうか。

メモを取りながら真面目に聞いてくれる生徒、机につっぷして寝ている生徒、友達とひそひそおしゃべりする生徒、後の席でつまらなそうにしている生徒、帰り際話しかけてくれた生徒・・・。53人もの人数が集まると、個性も様々でそれを見ているだけで楽しくなってきます。

また機会があったら喜んでお話させて欲しいものです。

2009-02-23

初めて春を感じた日

今日の中愛別山は登り始めからとってもあったか。歩いているうちにどんどん気温が上がって、踏みしめる雪も湿り気を帯びています。

山頂での休憩は、特に防寒に気を遣ったわけでもないのに、気がつけば50分も経っていました。全く寒さを感じずにお昼休憩を取れるのは、まさに春が来た証。

斜面を歩くと、蹴り上げた雪の塊がゴロゴロ転がっていきます。これもまた春の風物詩。ある程度雪が湿っていないと、こうは上手く転がりません。

来週はもう3月。これからどんどん季節が進んでいくんでしょうね。

2009-02-22

林明輝写真展「大きな自然 大雪山」

東川町文化ギャラリーでは、林明輝氏の写真展「大きな自然 大雪山」が開催中です。今日は、撮影者の林氏と撮影山行をサポートした山楽舎BEAR代表・佐久間により、作品解説およびトークショーが行われました。

悪天候のためツアーが中止となり、思いがけず時間ができたので、様子を見てきましたよ。

開始30分前。控え室でもの思う佐久間。聞けば、林氏が乗る飛行機が遅れているとか。最初は佐久間一人でお話をするようです。

写真展の入口。すでにたくさんの参加者の方が集まってきています。ちらほらと山楽舎のお客様のお顔も。

見事な写真の前で語る佐久間。まず、大雪山の特異性から始め、撮影裏話が入り、最後に気候変動が大雪山に及ぼす影響についての警鐘で話を締めます。1時間たっぷりと使ったのは、未だ現れぬ林氏を待つため?

入場者はざっと数えて60名くらい。後から予備のイスを追加するほどでしたので、予想以上の大入りだったのでしょう。熱気むんむんという感じでした。新聞取材も入っていましたので、いずれこの記事が載るかもしれません。

そしてようやく、今日の主役、林明輝氏の登場となりました。無事飛行機が到着したのですね。でも残念ながら私はここで時間切れ。最後までお話を伺うことができませんでした。いろいろな方とのご挨拶もそこそこに、そっと会場を後にしました。

普段大雪山の雄大な山景色を見慣れている私でも、林氏の写真には圧倒されました。さすがプロという感じです。文章で説明するのはムリですので、ぜひ一度ご覧になってください。トークショーは今日だけですが、写真展自体は3月9日まで行われています。オススメです。

2009-02-18

晴れのち猛吹雪、冬路山-シラッケ山

土曜日の下見に、江丹別から冬路山-シラッケ山の周遊をしてきました。

お天気は全く期待していませんでしたが、出発した瞬間からぐんぐん青空が広がっていき、目指す山容がはっきりと見えました。左の青空の下に冬路山、真正面に640mピーク、右手のガスの濃いあたりに山頂を隠したシラッケ山、と連なっています。

まず、標高点372mの尾根を伝って冬路山を目指します。降りたての柔らかい雪が木々の枝を飾り、それが陽光に映えていて、なんともいい景色。気温もおそらくマイナス一桁で、太陽のおかげで寒くもなく暑くもない絶好の冬山日和です。

と・こ・ろ・が。

お天気だったのはそこまででお終い。あとは尾根を登るに連れて雪は降る風は吹く視界はないで、悪くなる一方。だから冬路山山頂も、

640mピークも、

シラッケ山も、ことごとく展望なし。というか目を開けているのがツライような時間帯もあったり。

唯一、一瞬景色が見えたのは、振り返ってみた640mピーク。

冬路山=625.1m、シラッケ山=625mですから、640mピークはこのあたりでもっとも高い山なのに、なぜか山名がありません。地形だけ見ると、640mが主峰でその両脇に冬路山とシラッケ山が侍っている感じなのですが。不思議なものです。

時間が経つに連れ、どんどん悪化していく天気。その様子はこちら。まさかこんな風になるとは、出発の時点では思っても見ませんでした・・・

2009-02-14

ツアー延期のお知らせ

明日15日に予定していましたオリジナルツアー・社満射岳は、悪天候のため2月25日(水)に延期となりました。みなさんお誘い合わせの上、ぜひご参加くださいね。

2月の気温じゃない!

今日の天女が原はとても2月とは思えないほどの暖かさ。計測するとなんと気温はプラスを差していました。だから、降る雪はすぐに溶け、ウェアはびしょ濡れに。これでは3月末とか4月みたいです。いつもならマイナス二桁が当たり前なんですが・・・

暖かさに伴って、当然積雪もぐっと減ったようです。旭岳ロープウェイ山麓駅の脇にある雪尺を見てみると、
2月12日に2m10cmだったのに、

ほんの2日後の今日・2月14日には2mを切ってしまいました。おそらく15cmくらい少なくなったのでしょう。

去年もたいがいおかしな冬でしたが、今年はさらに輪がかかってます。これからどうなってしまうのでしょう?

2009-02-13

これはでかい

雪上に出ているだけでも、悠に2mはあると思われるノッポのオオウバユリ。見上げる高さに種が成り、茎の太さはまるで低木。あまりの大きさに圧倒されてしまいます。

夏に花をつけたところもぜひ見てみたいものです。さぞ豪華な感じがすることでしょう。

2009-02-10

夕景

今日の夕暮れは16時30分。2月になって日が長くなってきました。

なんだかずいぶん久しぶりにこんな景色を見た気がします。今日もいい一日だった!

社満射岳

今週末にツアーが予定されている社満射岳へ下見に行ってきました。

南ふらのスキー場のリフトを利用し、標高を上げてから歩き出すルートを使うつもりでいましたが、スキー場の営業は午後1時からなんだとか。急遽ルート変更して、内藤の沢川沿いの林道に車を入れます。

関係者以外立ち入り禁止のゲートまで行くと、だいたい標高450mくらい。梢の間から目指す1039mピークが見えています。何日か前のものでしょう、数人が歩いた跡が残っていたので、ありがたくそれをたどらせてもらうことに。

プライベートなら一人ラッセル、仕事の時は先頭でラッセルというのがお決まりで、誰かの跡を歩くなんて滅多にありません。こりゃ楽だ!

標高点603mを越えた辺りから徐々に斜度がきつくなっていき、樹木がまばらになり、 そしてあそこが1039m。

ここからは眼前に社満射岳を眺めながらの稜線歩き。一度下って急登を登り返せば、

これが社満射岳山頂。見るからに展望の効きそうな山頂です。

三角点のありかを示す白木の棒が頭をのぞかせています。積雪は少ないようです。掘ればすぐに三角点が出てきそうですね。

振り返ると1039mピークは青空の下。今日はほとんど期待していませんでしたが、なかなかの天気に恵まれました。山頂からの展望は、実際に登ってのお楽しみということで・・・お預けです。

下山はスキー場を目指して。 平らな尾根から1039mピークがきれいに見えていました。ツアー本番はこちらから登ることになります。

ようやく・・・

遅れに遅れた3月以降のツアープログラム、今日ようやく送付いたしました。早ければ明日にはお手元に届くかもしれません。本当は1月中にお送りしているはずだったのですが、所謂諸般の事情というやつで。すみません。

ともあれ。
新しい山もたくさん入っていますので、お楽しみにお待ちくださいね。

ウェブ上での公表はさらにちょっと遅れそうです・・・

テスト

社満射岳

2009-02-08

雪の日・晴れの日

同じ山に登っても、晴れた日と雪の日では全く感じがことなるものです。

2月5日の糸魚岳。雪とガスで視界はほとんどありませんでした。

2月8日の糸魚岳。すっきり晴れ渡った空。こんなに展望が良かったなんて!

晴れた日には展望が楽しめるし、ガスの日にはルートファインディングで頭を刺激できる。同じ山に何度登っても楽しいのは、毎回状況が異なって、そしてそれぞれに良さがあるからなんですね。

2009-02-07

旭川最北端

日本の最北端が宗谷岬であるように(※)、旭川市にも最北端の地というものがあります。でも、おそらくほとんどの旭川市民がその存在を知らないでしょうし、意識したこともないでしょう。

それは名もない緩やかな丘の上にあり、訪れる人もなくひっそりと佇んでいます。

地形図を見ると、三角点も標高点も山名もなく、あるのは行政界のみ。ここは旭川市と幌加内町と和寒町が境を接する点なのです。下が旭川・左が幌加内・右が和寒です。

実際に行ってみると、営林局の境界標が木に打ちつけられています。そのおかげで「そうかここが境界となる点なのか」と、わかるようになっていました。せっかくだからストック三本で境界線も視覚化してみたり。ちょうど三人いたので、一人は旭川・一人は幌加内・一人は和寒と、それぞれのマチを占めてみたり。

残念ながら立派な碑やお土産物屋やスピーカーから流れる音楽はありませんでしたが、それでも何かと楽しい最北端でした。



※北方領土を除く場合

これ、なーんだ?

雪山を歩いているとよく目にするもの。これ、いったいなんでしょう?

なにやら細かい破片が集まってくっついているようですね。

薄緑の破片と茶色い破片がありますね。

答えは・・・


これです。ウサギのフンでした。

緑の破片はおそらく笹の葉でしょう。茶色いのは樹木の冬芽と思われます。もしかすると木の皮も入っているかもしれません。

こういうものを食べて、ウサギは長い冬を生き抜くのですね。

2009-02-02

テンさま

雪の尾根を歩いていると、倒木の陰から飛び出して走り去っていく姿が!おお、あれはテン!クロテンではないですか。足跡はよく見かけるのに本物にはなかなかお目にかかれない動物の一つです。そのクロテンが、今まさに目の前を走り行き、近くの木の根本に入り込みました。

確かにこの木の、この穴です。さっきは写真を取り損ねてしまったので、ぜひもう一度顔を見せてくださいな。

えーしょうがないなあ。少しだけだよ。いやそんな殺生なことを言わずに、景気よくどーんとご尊顔を!

じゃーん。うわーめんこい!こっち見てる!目があった!もうしばらくそのままでいてください・・・

山を歩いていて何度か目にすることはあったものの、いずれも素早く逃げられてしまい写真を撮ることができなかったクロテン。こんなにじっくり観察できるなんて初めてのことです。

それにしてもめんこいなあ。

2009-02-01

小屋のありがたさ

北海道の山としては珍しく、ピヤシリ山には山頂直下に小屋があります。とてもキレイで眺めも良く行くたびにありがたく休ませてもらっています。

こんな荒涼とした高山帯に、

こんな立派な建物が建っていて、

そして中にはストーブがあるのです!

外の気温は-12℃だというのに、ストーブの側では17℃もあり、ヌックヌクのポッカポカ。真冬に山に来て、こんな良い思いができるなんて・・・。幸せだなあ贅沢だなあ。何度でも訪れたくなる素敵な小屋でした。