2010-09-29

強風の十勝幌尻岳

ほぼ一ヶ月ぶりの下見行。目的地は十勝幌尻岳です。何度か登ろうとしたことがあったのですが、なかなか縁がなかった山です。

登山口は林道終点にあります。整備された走りやすい林道でした。

沢沿いに進む登山道。渡ったり巻いたり近づいたり離れたりしながら。

一瞬視界が開けると、山腹が壁のようにそそり立っているのが目に入ります。ここを登るとはさぞ急登なのでしょう。

急登の前半はきれいに刈られた笹の道。大変歩きやすくて助かります。

やがて笹がなくなり、オガラバナがうっすら紅葉しだしてきました。

ダケカンバが太く立派になり、ミネカエデの背が低くなれば、もうすぐ1700m肩。

肩から山頂までの道に出ると、ゴーという風の音。まだ直接当たりませんが、これはものすごい強風のようです。

吹きさらしの山頂到着。すごい風圧に、写真だけ撮って下山することに決めました。

日高山脈の展望はイマイチ。雲が垂れ込めていました。

2010-09-26

積雪情報:美瑛岳

美瑛岳の積雪状況です。

9月23日ポンピの沢

9月26日ポンピの沢

9月23日美瑛岳

9月26日美瑛岳

9月23日から中二日、26日の美瑛岳はかなり低い標高まで雪に覆われていました。

しばれる植物

突然やって来た10月下旬並の寒気に、秋を謳歌していた植物たちもすっかりしばれていました。

ウラジロタデ

エゾオヤマノリンドウ

イワギキョウ

ミヤマハンノキ

ナナカマド


当の植物にとっては大変なことなのでしょうが、見物して歩くにはとても美しく趣深いものです。

2010-09-25

紅葉情報:姿見平2

姿見駅前のナナカマド。すっかり葉を落としてしまいました。姿見平の遊歩道から見られる紅葉は終わりを迎えたようです。

これから見頃は徐々に山腹へと降りていきます。今はロープウェイの上から見下ろすときれいな紅葉が見られるはずです。

紅葉から雪へ

ほんの一週間前に、紅葉がようやく見頃を迎えたかと思ったら、早くも降った雪が見頃を終わらせてしまいました。

9月19日裾合平

9月25日裾合平

9月19日裾合分岐

9月25日裾合分岐


なんともはかないものですが、だからこそちょうど見頃に出会うといっそう美しく感じるのかもしれません。

映る旭岳

姿見平には大小いくつもの池があります。そのうち遊歩道から間近に見られるのは4つあり、さらにそのうち旭岳と同じ方向に見られるのは3つあります。姿見の池・鏡池・すり鉢池です。今日は、その3つともにきれいに旭岳が映っていました。

姿見の池


鏡池


すり鉢池


ほんのわずかの距離しか離れていなくても、それぞれに見える旭岳も映る旭岳も少しずつ違って面白いものです。うっすら雪化粧しているのも良い感じですね。

旭岳でのお出迎え

紅葉見物が雪見に変わっても、変わらず賑わうロープウェイ姿見駅。駅舎を降りるとお出迎えしてくれるのは・・・

小さな小さな雪だるま!旭岳を背に負って、手すりの上にちょこんと座っています。

誰が作ったのかわかりませんが、初雪の頃にはよく見かける風物詩です。一面雪に覆われてしまうと誰も作らなくなるんですけど。

積雪情報:裾合平

裾合平周辺の積雪状況です。

裾合平は正午を過ぎても一面雪。裾合平で9月に降った雪が昼まで融けないというのは相当なことです。たいていは気温と踏まれることでぐちゃぐちゃのぬかるみになるのです。

裾合分岐からの登り。ぬかるみやすいこの区間も見事に白い雪のまま。

積雪情報:旭岳-中岳温泉

旭岳山頂から間宮分岐・中岳分岐を経て中岳温泉までの積雪状況です。

旭岳山頂から裏旭へと下っていく斜面。ところどころ吹きだまりができていて、深いところではヒザまで潜ります。一面雪で覆われていて登山道を示すものは何一つ見えませんので、視界が悪いときにはよほど自信がある方以外は進まないのが良いでしょう。

裏旭のコルから間宮分岐までは、風に吹かれて雪が飛ばされている割合が多いようです。注意深く探せば登山道をたどることができるでしょう。

間宮分岐から中岳分岐に至る下りは、登山道が深くえぐれているため、ほとんど全区間で深い吹きだまりができています。最深で股下まで埋まる箇所がありました。

登山道脇を見ると、とても9月とは思えない立派なシュカブラができあがっています。昨日の雪と風はさぞ厳しかったのでしょう。

中岳分岐から中岳温泉へと下る道。前半はやや吹きだまりあり。後半は歩きやすい雪道です。

積雪情報:姿見平~旭岳

ロープウェイ姿見駅から旭岳山頂までの積雪情報です。

ロープウェイを降りてすぐの遊歩道。標高1600mほどしかありませんが、全体がうっすらと雪に覆われています。見上げる旭岳はもちろん真っ白。

旭岳までの間で最も危険なのがここ。姿見展望台への石段です。ただでさえ急な坂だというのに、その上に積もった雪が幾百人に踏まれ磨かれつるつるの氷となっているのです。要注意。

姿見展望台から先の登山道は基本こんな感じ。一面雪はありますが、深さは足首ほどもなく柔らかいので特に歩きにくいことはありません。

9合目を過ぎると雪の量は多くなりますが、それでも歩行に支障はありません。

旭岳山頂。ほとんど地面が露出せず真っ白ではありますが、ここも埋まるような深さはありません。

※積雪の状態は刻一刻と変わっていきます。情報の鮮度はどんどん落ちていきますので、くれぐれもご注意を。

大雪山の気象の厳しさ

また大雪山で登山者が亡くなりました。凍死だったそうです。

服装は登山用ではなくごく一般的な綿の上着にジーンズを履いているだけでした。雨具や防寒具は身につけていませんでした。寒気が来ていてかつ風が強く雪が降るという悪天候の中、入山するにはあまりにもふさわしくない服装です。

大雪山には地形的厳しさはなく滑落などの危険もほとんどありません。天候さえ良ければ、展望を眺めながらお散歩気分で登山を楽しめます。でも、気象的には大変厳しい山なのです。気温は低く、風が吹けば隠れる場所もありません。現に、今朝8時の旭岳山頂の気温は2.5℃。少し風が吹けばすぐに体感気温は氷点下となります。また、人工物がほとんどないのも特徴で、少し歩けば営業小屋がある山域とは勝手が違います。

こんな山で自らの身を守るには装備をしっかりするより他にありません。雨具は必携(明記する必要すらないほどに当たり前のことなのですが)、防寒具も必携。大雪山に慣れた登山者なら、真夏でもダウンジャケットを持ち歩いています。身につけるものは綿製品を避けて登山用の化学繊維のものを。帽子や手袋は暖かいものを替えも含めて。魔法瓶に入れた暖かい飲み物と、熱量の高い食べ物も。ごく当たり前のこの程度の準備をするだけでいいのです。今までに大雪山で起きた遭難死の多くが、雨で濡れ強風に吹かれた結果の低体温症なのです。

大雪山は、そのたおやかな外見の内側に、途方もなく厳しい一面を隠し持っていることを、決して忘れないでください。

2010-09-24

夕焼け空

ふと見上げた空は思いがけずきれいな夕焼けでした。

デジカメは持っていなかったので携帯電話でパチリ。意外ときれいに撮れるものです。

2010-09-23

氷点下、きた

9月23日9時22分十勝岳山頂にて、いつものように気温計を使って測定を行ったところ、計測値は-0.6℃となりました。

ついにきました、氷点下!今シーズン初の氷点下です。

思えば今年は暑い夏、暑い9月でしたが、これでようやく山の上にも秋が来たということでしょうか。

稜線の彼方此方

今日の十勝連峰は稜線を一本隔てて、右と左で全く季節が異なっていました。

このように。稜線の左(西)側には白い氷がびっしりと着く一方で、右(東)側は紅葉したチングルマが一面に広がっています。

別角度から。稜線の左(西)側を見下ろして。

右(東)側に広がる一面のチングルマの紅葉。

顔をわずかに左右に振るだけで、初冬と晩秋をいっぺんに楽しめるのですから、なんともぜいたくで、なんとも不思議な体験です。

氷の芸術

十勝岳から美瑛岳の間で見た氷の芸術色々。

大きな岩についたエビのしっぽは見ようによってはフクロウが羽を広げているようにも見えます。見えませんか?見えますよね。

ロープの支柱に着いた年輪上の極小エビのしっぽ。

これまた鳥が羽を広げたかのようなエビのしっぽ。

れき地にできた網目状のエビのしっぽ。

小さな種と萼が作り出す星状エビのしっぽ。

様々なものに着氷して、それぞれ特色のある形に成長するものなのですね。

積雪状況:十勝岳~美瑛岳

十勝岳から美瑛岳にかけての積雪(というより正しくは着氷)状況です。

十勝岳に向かう途中、1720mの標識を越えたあたりから小さなエビのしっぽが目につき始めます。

十勝岳山頂直下。びっしりと着氷しています。

十勝岳山頂標識。風上側にかなり長く成長しています。

十勝岳~美瑛岳縦走路。一面真っ白で、登山道がわかりにくくなっていました。

最低コルのあたりで一度氷は消えますが、美瑛岳山頂付近で再び真っ白な世界に戻ります。

美瑛岳西斜面はさほど氷がない印象です。午後になり気温が高くなったからかもしれません。