2009-05-29

勉強会のため、はるばる然別へ

大学院時代の先輩が然別周辺で「自然ガイドのための地形・地質見学ツアー」なるものを主催するというので、ちょうど予定も空いていたため佐久間と二人で参加してきました。

自然ガイド向けのちょっと専門的な勉強会ということになるでしょうか。火山の地形と地質、風穴と永久凍土などについて、実際に現場で観察しながら事細かに解説してもらいました。

たとえばこれは「流れ山」についての説明を聞いているところ。「流れ山」なる言葉は初耳でした。火山地形の世界も奥が深いものです。

全部で5地点を巡り、さらに室内でまとめを行い、朝から晩までみっちりお勉強。その後先輩と夕食を共にして、帰途につくころには20時を過ぎていました。帰宅したのは24時近く。出発は朝5時でしたから、なんとも長い1日となりました。自己研鑽のためならこのくらい余裕だぜ!

と言えるようになりたいものです。あー疲れた。

2009-05-28

天塩岳のはずが・・・浮島湿原

来週末の下見ということで、天塩岳を渚滑コースから登りに行ってきました。

国道から外れて林道をしばらく進むと、ピンクテープが行く手を遮っています。登山口はもう少し先のはずですし、これはもしかしたら林道が崩壊でもしているのかもしれません。ここに車を置いて歩いていくことにしました。

ものの数十歩も歩いたでしょうか。林道がカーブしたその先で、現れたのはこんな光景。林道が川の流れを突っ切っていました。水量が少ないときには渡れるのでしょうが、雪融け時季の今は流れが深すぎます。車はここまでこられませんし、歩いては渡れなさそう。そんなわけで天塩岳の下見はものの数分で終わってしまいました。来週の本番どうしよう?

ともあれ、はるばるこんなところまで来て、これだけで帰るなんてあまりにバカバカしすぎです。近くの浮島湿原に寄っていくことにしました。ずっと気になっていたけれど、今まで一度も訪れたことがなかったのです。

人っ子一人いない静かな散策路。ウッドチップが敷き詰められ、たいへん歩きやすくなっています。

駐車場から20分ほどで湿原入口に到着。わずかに雪が残っていますが、木道は9割以上露出しています。

湿原の中には大小さまざまな池塘がありました。ぴたっと水面を止め、周囲の木々を映しています。

湿原をぐるりとまわって駐車場まで帰って、1時間20分。お天気の良い日にのんびりお散歩したら気持ちよさそうです。

2009-05-27

生まれたての姿見の池

“見る間に”と言ってもいいほど雪融けの早いこの時季。ほんの数日経つだけで景色が見違えるようになっていたりします。たとえば、旭岳の麓にある姿見の池。この一週間の移り変わりはこんな感じでした。

5月21日


5月24日


5月26日

写真左下に注目していただくと、21日には確かに何もなかったはずなのに、24日には小さな水たまりができ、26日にはそれが一回り大きくなっていることがわかります。

そう、これが姿見の池。雪の中から生まれたばかりの初々しい姿見の池なのです。 この小さな水たまりがこれからどんどん大きくなっていき、そして真夏にはこうなります。

昨年8月

短期間のうちに同じ山に何度も登ると、こんな小さな変化に気づかされます。同じように見える山の景色も、日々少しずつ変化しているのです。

2009-05-26

ここにもあった、幻の湖

先日、白雲岳で幻の湖を見てきましたが、季節限定で現れる幻の湖は他にもいくつかあるようです。

たとえば、旭岳の後に控える後旭岳。ここにも山頂直下に湖が現れていました。

ご覧の通り。ほんの小さなものですが、たしかに水がたまっています。

すぐお隣の熊ヶ岳にも。

こちらはまだ完全に「湖」とはなっていませんが、雪の上に水が浮いていて、あとしばらくすればちゃんとした湖になりそうです。

探せば他にもありそうですね。

高山帯でも花の季節

旭岳の麓・姿見平で咲き初めの花を見つけました。

一つはガンコウラン。本当に目立たない花で、短い葉の間にチラリと赤を覗かせているのがそれです。

もう一つはコメバツガザクラ。こちらはいかにも高山の花といった風情があります。

ともに花はたいへん小さく、特にガンコウランは目立たないため、歩いていても見逃してしまいがちです。山開きの頃にはほぼ咲き終わっていることもあり、登山者にはあまり注目されない花たちです。

もし見かけたら、季節を先取るお花たちを愛でてあげてください。

2009-05-25

恐怖の強風

最大瞬間風速24.8m/s。平均風速19.5m/s。この数字がどのくらいの強風を表すか、ご存じでしょうか。

それは、慣れていない人なら、歩こうにも歩けず、ストックにすがって身を低くせざるを得ないような風です。慣れている人は風に体を預けて中空によりかかることができます。離れて見ることができればさぞ面白い光景なのでしょうが、残念ながら悠長に他人を見ている余裕はありません。かけているサングラスがブルブル上下に震えるくらいなのですから、自分の体制を整えるので精一杯です。

こんなに良いお天気なのに、景色を楽しむこともできず、足下だけを見つめてそろそろと進みます。

ふと顔を上げれば、強風の時にできるというレンズ雲がこんなに沢山。

山に行くたび風速計で記録を取っていますが、今日の風は平均風速としては今までで一番です。個人的にはたまにこういう風の中にいるのも面白いのですが、ツアーにご参加のお客様にとっては辛く苦しい時間だったかもしれません・・・

幻の湖、あった!

この時季にだけ現れる白雲岳・幻の湖。2週間ほど前に「すでに消えかけている」という情報をもらったので、おそらくもうなくなっていると思っていました。さほど期待せずに行ってみると、はたして。

あった、ありました!きれいにありました!大きさこそ控えめですが、真っ青な空の色を映して、鮮やかにそこで待っていてくれたのです。

見る角度を変えると、隙間からトムラウシが覗けたりします。

お客様も皆大喜び。見ていただけて良かった良かった。あとどのくらい残っていてくれるのでしょうね。

日の出の時刻は今何時?

夏至に向かってまっしぐら。日に日に夜明けが早くなっていく今日この頃。

白雲小屋で夜を過ごし、2時45分ころ目を覚ますと、窓越しの景色はすでに薄明るくなっていました。しばらく寝袋の中でぐずぐずした後、思い切ってカメラをかかえて外へ出ることにしました。

小屋にもたれかかって風を避け、体を揺すって寒さをしのぎながら夜明けを待ちました。

3時27分


4時20分


6時13分


3時30分くらいから明らかに明るくなりはじめ、トムラウシの山頂に日が当たったのが4時ころ。最も紅色が鮮やかだったのは4時20分ころ。6時すぎには完全に明るくなりました。

よく考えれば夏至までもう1ヶ月を切っているのでした。日の出が早いのも当たり前ですね。

土足厳禁

昨日、山中泊ツアーで白雲小屋に一泊してきました。

この時季は小屋周辺もすっかり雪が無く地面が露出していますが、小屋開けまではハシゴを使って2階から出入りすることになります。

扉を開けて中へ入ると、とんでもないものが目に飛び込んできました。

なんと、泥だらけの足跡が床一面を覆っていました。おそらく、「寒いから」という自分勝手な理由で靴を脱がず、土足で歩き回ったのでしょう。

それだけでも最低な行為ですが、さらに輪をかけて悪いのは、利用後に掃除をしていかなかったこと。使わせていただいたものはキレイにする。こんな当たり前のこともできないというのは嘆かわしく恥ずかしい限りです。

小屋に入った私たち一行は、まず拭き掃除をすることになりました。

いつもスノーモビル愛好家のマナーの悪さを嘆いていますが、どうも登山者のマナーも決して良くはないようです。どういう手段で山に入るかはあまり関係ないのかもしれません。たとえ他人の目がなくても自らを律する。個々人の心のありようが問われています。

ただいま山行真っ最中

白雲小屋の朝。強風だけどお天気良し!詳しくは後日。

2009-05-24

白雲小屋のトイレ・最新事情

これから白雲小屋を利用する方は、ぜひともご注意ください!

白雲小屋のトイレは、二つあるうちの一つは閉鎖されてはいないのですが、扉が開かなくなっています。その理由は・・・

中に吹き込んだ雪。わずかに開いた隙間から雪をかき出そうとしましたが、なかなか上手くいくものではありません。早々に諦めてしまいました。

結局、念のため持ってきた携帯トイレを使うことに。この状態なら、もうしばらくはトイレを使えなさそうです。

雪融けの早さ

この時季、毎年驚かされるのが雪融けの早さ。毎年のことながら信じられないほど雪が融けるのです。びっくりです。

5月21日


5月24日


中二日で訪れた旭岳山頂で、標識の足がすっかり露出していました。上の写真のストックが120cmですから、おおざっぱに推定して50~60cmくらいは融けたでしょうか。21日は下界の最高気温が28.5度にもなりましたから、その一日だけでもかなり雪融けが進んだのでしょう。

今度旭岳に登るときには、もう雪が無くなっているかもしれません。

2009-05-21

熊ヶ岳への道 3)熊ヶ岳へ

長袖のTシャツ一枚で休憩していても全然寒くない、むしろ暖かな旭岳山頂。下界はさぞ暑いことでしょう・・・。

しばらく休憩したら、熊ヶ岳へ向かってスキー滑降。たぶんこれが今シーズン最後のスキーとなるはず。今年はほとんど滑りに行かなかったなー。

裏旭野営場からわずかに登り返して、熊ヶ岳の火口跡に出ます。あの正面あたりが山頂ということになるのかな?さて、どういうルートで登ろうか。

とりあえず左のほうから雪を伝っていくことに。ゴツゴツと荒々しい感じがします。

地形図上の山頂とは異なるピークに杭が立ててありました。たしかにこっちの方が山頂っぽい感じかも。ここからの景色は・・・

普段見ることのない角度からの旭岳。北海道最高峰。

普段見ることのない角度からの北鎮岳。北海道第二の高峰。

普段見ることのない角度からの白雲岳。北海道第三の高峰。

普段見ることのない角度からの後旭岳。北海道第四の高峰。

山頂を辞して、いったん裏旭に下り、そこから裾合平方向へ。旭岳の裾野を巻くようにして姿見を目指します。振り返れば、普段見ることのない角度からの熊ヶ岳。北海道第五の高峰にさっきまでいたのですね。

ここから旭岳温泉まではもう一滑り。雪の状態はあまりよくありませんが、シーズン最後のスキーを楽しむことにしましょう。

熊ヶ岳への道 2)旭岳からの景色

快晴の旭岳からの景色。

爆裂火口を見下ろして。

北の方角。裾合平を挟んで大塚・小塚・安足間岳・比布岳・鋸岳。

東の方角。正面にこれから向かう熊ヶ岳。その後に黒岳。左に北鎮岳・凌雲岳。

そこからわずかに右を見て、白雲岳。手前右に後旭岳。白雲岳の左遠方に武利岳・武華山。

さらに右を見て、真っ平らな高根ヶ原から忠別岳。奥に音更山・石狩岳・ニペソツ山。


南の方角にはご存じトムラウシ。いつ見ても素晴らしい景色です。

熊ヶ岳への道 1)旭岳へ

天気予報によると旭川の最高気温は28度になるんだとか。これは高山帯に退避するしかないと、向かった先は熊ヶ岳。北海道で5番目に高い山までいけば、きっと心地よい風が待っていてくれるはず。

スタートは旭岳温泉から。足下はスキーを選択。昨日から夏季運行が始まったロープウェイにはスキーを持ち込めないので、駅舎脇から登り始めます。 ゴールデンウィーク明けから2週間が立ち、すっかり雪融けも進んでいるようです。

第一天女が原から見る旭岳。まだ今のところ、スキーコースは雪に覆われていて、快適に歩くことができます。スキーの跡、ボードの跡、ツボ足の跡、色々な跡がついていました。

1時間ほどで姿見平に到着。まだ誰もいない、早朝の静かな旭岳。今くらい雪が残っている時季が、一番山を美しく見せるのではないでしょうか。

振り返ると、真っ青な空に浮かぶような山並み。十勝連峰と芦別岳。

かなり雪融けの進んだ旭岳。夏道は7割方露出しています。でも、残った雪を上手く繋いで、スキーを脱がずに8合目まで行けました。シールの効きも良く、快適快適。

8合目から上の景観は、もう夏寸前という感じ。

なのに、山頂はまだたっぷりの雪が残っているのでした。

そういえば、旭岳の山頂は随分久しぶりかも。例年、真冬でも月に1回くらいは旭岳山頂を踏むものですが、今シーズンはとんとご無沙汰してしまっていました。懐かしい北海道最高峰からの景色を楽しむとしましょう・・・。