2008-05-31

マッカリヌプリ(羊蹄山)で強風にあう

7月頭にツアーで行くマッカリヌプリ(羊蹄山)。結構遠い山なので、いつ下見に行く時間がとれるかと思っていましたが、週末の泊まりのツアーが中止となり急遽行けることになりました。

真狩から見上げるマッカリヌプリ。お天気はいまいちでしたが、いちおう山頂は見えています。このままもってくれればいいのですが・・・

独立峰の周囲を4等分するようにつけられた登山道のうち、南向きの真狩コースを登ります。キャンプ場の奥にある登山口から4合目くらいまでは樹林帯。3合目あたりで木々の間から山頂を目にすることができます。まだ道のりは長いですな。

4合目から8合目まではダケカンバの巨木が目立つ九十九折り。視界が開け、下界を見下ろせるようになるので、疲れも吹き飛びます。

流れゆく雲の下に真狩の町が見えています。最近話題の洞爺湖が意外なほど近くにあることに驚きです。

8合目から山頂まではようやく高山帯。ガレあり、雪あり。避難小屋を左に見ながら最後の登りを終えると火口壁に飛び出し、向こう正面に山頂。この雄大な眺め、初めて登った時に受けた感動は今でも忘れられません。火口底には雪融け水の池ができています。

火口壁を時計回りで一周しようとしたものの、避難小屋跡からわずかに進んだ辺りで、これ以上進むことができなくなりました。

というのも、とてつもない強風が吹き荒れていたためなのです。8合目あたりから風が強いとは思っていたのですが、まあ歩くことはできました。でもここはちょうど風の通り道となっているのか、最大瞬間風速はご覧の通り25.4m/s。今まで計測してきた中では最大となります。

この数字がどのくらいの風を表すかというと、立っていられないのは当然として、膝立ちで背中を向けていても上半身が倒されるくらい。しかも平均風速が10m/s程度で、風の強弱が激しく、ぐらりぐらりほんろうされてしまいます。

10分ほど様子を見ましたが、さすがに身の危険を感じて頂上間近にして撤退とあいなりました。まさにこんな時のためにあるような避難小屋に避難します。

小屋は冬季閉鎖されているので、二階の冬季用入口から中に入ります。小屋内は明るく小綺麗な感じで、落ち着いて休憩することができました。ときおり強風で小屋が揺れるのはご愛敬。雪渓の水はまだしばらく取れそうな感じです。

山頂部の景色の広がりがあまりに素敵なので、合成パノラマを適当に作成しました。雄大ですね。登ってみたくなりますね。

2008-05-30

とりあえず復旧?

あまり時間がなかったので細かいところは確認していませんが、とりあえずHP復旧したはずです。
これから日曜日夜まで点検できませんので、また障害が発生した場合は悪しからずご了承くださいね。

HP不調

現在、山楽舎BEARのHPへアクセスできない状態となっています。
原因はなんとなくわかっているのですが、日曜日の夜まで対処できない環境です。
ご迷惑をおかけしますが、復旧するまでしばらくお待ちください。

2008-05-29

アポイの花たち

いかに今年の雪融けが早いとはいえ、大雪山はまだまだ残雪の下。お花の季節はもう少し後のことになります。でも、昨日行ってきたアポイ岳は、すでにたくさんの花たちが咲き競っていました。

まずは登山口~避難小屋。山麓の樹林帯です。

もう少しで開花?フデリンドウがひっそりと。 他にいくつか見つけましたが、まだ花開いているものはありませんでした。帰りもまだ閉じたまま。

エゾオオサクラソウ。山麓のものは9割がた種になっています。馬ノ背~幌満お花畑間の樹林帯が見頃でしょう。

次いで避難小屋~馬ノ背。ここで咲く花の種類ががらっと変わります。

黄色い小振りの花をたくさんつけるのは、名前が面白いヒロハヘビノボラズ。葉の周囲にトゲがあるため、ヘビも登ってこられないのだとか。

エゾシモツケはまだまだこれから。普段見慣れたマルバシモツケよりも好みかも。

ヤマツツジは避難小屋周辺が特に見頃!大きめの花がぎゅっと寄り集まって咲いていて、密度も重量感も豪華な感じもたまりません。派手になりすぎない色もいいですね。

アポイタチツボスミレもよく見かける花の一つ。他にもタチツボスミレ、ツボスミレ、ミヤマスミレ、フイリミヤマスミレなど、たくさんの種類のスミレが簡単に見られます。

岩場一帯で最も咲き誇っていたのはアポイアズマギク。岩の間から顔をのぞかせたりして、いじらしさが胸を打ちます。かと思えば辺りを埋め尽くすほど咲いていたり。色もピンクから紫っぽいのまで様々で飽きさせません。

これも登山道脇でなかなか目立っていました。アポイクワガタ 。茎の下についた蕾から秩序だって順々に咲いていくようです。

馬ノ背~幌満お花畑~山頂一帯では・・・

5月にチングルマが見られるなんて、大雪山では考えられません。それなのにアポイでは早くも見頃となっていて、この季節感の差には毎度驚かされます。

庭に植えられているオダマキはどうしても好きになれないのですが、山に咲くミヤマオダマキは好きです。大好きです。形は同じように見えますが、やはり大きすぎないほうが愛らしいのでしょう。下向きにつく花を寝そべって潜り込むように撮影しました。

ほとんど咲き終わっている中、なんとか残っていてくれたヒダカイワザクラ。やはり今年の花はどこでも早いようです。

こちらは咲き初めのキンロバイ。花をつけていたのはまだチラホラ。一面に咲くときれいでしょうね。

9合目付近を飾るのはエゾキスミレ。光沢のある紫がかった葉が特徴的です。

エゾキスミレと咲き競うように、サマニユキワリも見頃を迎えていました。大雪山でサクラソウと言えばエゾコザクラ一択ですが、アポイではこの狭い一帯だけで3種類も見られるのですからお得です。

ヒダカソウ・アポイキンバイなどアポイ岳を代表するお花は既に咲き終わっていたようで、残念ながら見ることができませんでした。それでも5月からこれだけのお花を見られれば満足という他はありません。年に何度も来られる山ではありませんが、この時季くらいは毎年訪れたいものです。

2008-05-26

燃料を消費する日々

この季節は夏山求めて遠くの低山に通う日々です。片道100km超は当たり前、往復300km以上になることも多々あります。そうなると当然燃料代もかかるもので。

こまめに給油しているからというのもあるのですが、今週は5回もガソリンスタンドのお世話になってしまいました。3日連続で行ったときなんかは、こんなに化石燃料を燃やしていいものかと自問自答するとともに、レシートに印字された金額をじっと見つめざるをえませんでした。この原油高のご時世、ガソリンスタンドにとっては、お得意様・上客なのでしょうけど・・・。

仕事柄長距離移動は仕方ないとはいえ、なんとも心苦しく財布も苦しいものです。

2008-05-25

トドマツの新芽

ウドやタラなどの新芽は山菜としても人気がありますから皆さんよくご覧になっていると思います。では、トドマツの新芽はどうでしょう。それと意識して見たこと、ありますか?

トドマツの新芽で特にカワイイのは、新芽を守る赤い殻。枝の先端に複数まとまってつき、朱色っぽいものから花と見まごう鮮やかな赤のものまであります。徐々に徐々に大きくなっていき、そしてパカッと割れて、中から出てくるのが、

これまた鮮やかな若草色の新芽。 いかにも活力に満ちた色で、イキイキと輝いています。

上の写真は5月24日撮影(標高1000m)、下の写真は5月25日撮影(標高200m)。標高によって発育状況が異なるのも面白いものです。

今度山に行ったら、トドマツの枝先に注意してみてください。とってもキュートですよ。

2008-05-24

ささやかな気持ち

ツアーで片道2~3時間かかる遠くの山に行くときには、途中休憩に道の駅をよく利用します。トイレを利用させてもらうのはもちろん、その土地ならではの“もの”を物色するのも楽しみの一つ。たとえばこれからの季節は、地物の新鮮な野菜が安く手に入りますし、ご当地ソフトクリームなんかも食指が動きます。

今日は東大雪の帰りに南富良野の道の駅に寄り、こんなものを買ってきました。
平飼いにわとりの卵で作ったプリンです。

“平飼い”という言葉も魅力いっぱいですが、それ以上に瓶に施されたヒヨコの装飾がたまりません。私のファンシー欲を刺激しまくりです。気がつけばヒヨコ2羽を握りしめ、レジへと向かっていました。

ツアーで遠くの山に行くとしても、ガソリンは旭川で入れお昼や行動食も旭川で買うというのでは、その地域には何も残すものがありません。ただトイレを使いただ山を歩いて下りてくるだけでは、場合によっては迷惑になる可能性だってあります。

山への感謝や山を維持管理してくれる人への感謝の気持ちを込めて土地のものを買う。それは、もしかしたら登山者のマナーの一つなのではないでしょうか。

私が買えるものなんてほんのささやかなものですが、これからもできるだけ地域の物産を買うようにしたいものです。

2008-05-20

何もこんな日に

あからさまに大荒れとなることがわかっているこんな日に、それでもどうしても行っておかなければならない山があって、登ってきました。


風はびゅーびゅー、雨はばちんばちんでした。不思議なものでこれだけ荒れるとむしろ楽しくなってくるのですよね。風に負けないよう「うわー!」とか叫んでみたり。どうせ他に登山者もいませんし。

ただ、お昼ご飯を食べているときは、ちょっとツラくてちょっと侘びしかったかも。

2008-05-19

春の花盛り

週末歩いた樺戸山地の低山は、すっかり花盛りとなっていました。

おひたしにすると美味しいらしいニリンソウ。花まで食べられるのだそうで。

カタクリも丸ごと食べるのですね。今年ごまみそ和えをごちそうになりました。

名前が素敵なヒトリシズカ。咲いている姿も可憐です。

花色に力があり、人目を惹くムラサキヤシオ。白系の花が多い春にあって、格別に目立っています。

色の割に目立たないハウチワカエデ。ふと頭上に目をやると、大きな若葉の下に佇んでいたりします。

これまた目立たないオクエゾサイシン 。マイヅルソウにも似た葉を探し、根本をよく見ると黒い実のような花が咲いています。

山上のチシマザクラはまだ5分咲きくらい?まだまだお花見を楽しませてくれそうです。

今年初めてのハクサンイチゲは神居尻山山頂付近で。咲き初めの初々しさ・瑞々しさにあふれています。

林内の木漏れ日の中にはエゾイチゲ。ちょっと萼片の枚数が多めですね。

柔らかそうな葉の下にぶら下がるのはキバナイカリソウ。派手なような地味なような不思議なお花です。

ここでは紹介しきれないお花たちがまだまだ沢山咲き誇っていました。これからますます見頃になることでしょう。長い冬を終え、ようやく始まった北海道の夏山シーズン。春のお花を愛でに出かけませんか?

2008-05-16

社会科見学?

今日は朝から大雪消防組合東消防署に行ってきまして・・・

救急車の中を見せていただいたり・・・

消防車の装備を見せていただいたり・・・

格納庫の壁に吊された備品を眺めたり・・・

ちょうど地元の幼稚園児が見学に来ていましたが、それよりもはるかにキラキラした眼差しであらゆるものにくいついてきました。だって普段こんなに間近で見られないですからね。

1年ぶりの救命講習を受けに行って、休憩中の楽しい一時でした。

2008-05-15

標高1900mのハート

山中を歩いていると、時折面白いものに出くわすものです。たとえば・・・

小化雲岳と化雲岳との間、稜線が広くなっているあたり。昨晩降ったばかりに見える新雪がまだらに植生を覆っていて、辺り一面がヒョウ柄に埋められているようでした。

でも、ひとつひとつをよーく見てみると
真ん中をイワウメとウラシマツツジとで真っ赤に染めた見事なハート型があったりして。若干左に傾いているのも計算尽くに思えるほどの完成度。先を急いでいるはずなのに、ついつい眺め入ってしまいます。

山の中には面白い自然の造形があるものです。

日焼けヒリヒリ

昨日・一昨日と泊まりで山に出かけてきて、帰ってきてお風呂から上がったら、顔がヒリヒリで痛いのなんの!鏡を見ると顔が赤黒く焼けていました。

二日通じて確かに行動時間は長かったのですが、さほど太陽が照っていたわけでもなく、どうしてこんなに日焼けしたのやら・・・。たしかに、この季節は紫外線そのものも雪の照り返しも強いのでしょうけど。

黙っていても痛い日焼けなんて久しぶりのことで、ちょっと驚いてしまいました。

2008-05-14

天人峡からトムラウシ往復・2日目

今日の行程は、ヒサゴ小屋からトムラウシを往復し天人峡に降りる長丁場。一歩ごとに踝~脛まで埋まる昨日の雪の状態を踏まえ、気温が低く雪が締まって歩きやすい内にできるだけ距離を稼いでおくことにしました。

4時前に起きると、すでに小屋の前はほのかに明るくなっていました。出発の準備を済ませている間に薄桃色の朝焼け。そういえば夜は驚くほど暖かかったし、この空だと陽光も強そうなので、あっという間に雪が柔らかくなってしまいそうです。早く出発しないと・・・

雪に覆われたヒサゴ沼を5時前に出発。夏道は通らずに、正面左側の沢地形から天沼方面に直接突き上げることにします。これでかなり時間短縮ができるはず。

北沼直前の岩場の登り。さてどのルートをたどろうか・・・。遠くから見るとわかりませんが、近くまで行くと意外に雪が繋がっていて、ほとんど雪だけを踏んで登りきることができました。

途中振り返ると、この景色。岩から成るとんがりが行儀良く整列して独特の景色を作っています。遠くに化雲岳、さらに奥に旭岳が望めるのも大雪山の広さを感じさせます。

岩壁を登ると風衝地の緩い斜面に出ます。ここをゆるっと歩いていくと、徐々に頭が現れてやがて全身が・・・

ご覧の通り。雪の北沼を抱くトムラウシです。左下から中央にかけてうっすらと夏道が見えています。さて、最後の一登り。

と、その前に。左手を見ると雲海の上のニペソツ・ウペペサンケ。山頂まで行くと、東大雪の山は隣の岩峰に遮られてしまうのです。ここでたっぷり堪能しましょう。

途中まで夏道をたどって結局見失い、最後は適当に雪を伝って、ついに山頂が見えました。山頂からの景色はどんなかな?

ヒサゴ小屋から2時間弱で到着。時刻はまだ6時台。早朝の山頂は山中泊の特権です。爽やかで気持ちよいですな。

山頂からの景色は絶品。旭岳~白雲岳の表大雪方面。

反対方向には遠く日高山脈。十勝幌尻岳からチロロ岳まで真っ白に浮かび上がっています。

北大雪方面は逆光のシルエットで。屏風岳から武利岳・武華山。ぽつんと北見富士も判別できます。

十勝連峰方面はやや雲が出てきたか。オプタテシケが間近に、そこから十勝岳・境山・下ホロカメトック。芦別岳も見えています。

せっかくですからここでのんびりしたいところ。でもやっぱり雪の状態が気になります。堅く締まっているうちに小化雲岳くらいまで行けると一安心です。陽光・気温との競争ですね。

昨日ずぶずぶ埋まった足跡がそのまま堅く凍っているのを見ながら、化雲岳~小化雲岳間をなんなくクリア。これでほっと一息つけました。ここから天人峡まではまだ遠い道のりですが、青空と山景色を眺めてのんびり下りましょう。