2009-03-23

イス掘りの季節

スノーシューツアーでお昼休憩を取るときには、たいてい掘りごたつ風に雪を掘ってイスを作ります。

こんな風に。ただ四角く掘るだけの単純なものですが、春になって雪が締まってくると、ブロック状に掘り出すことができるので、積み上げて風よけにできます。

風向きに注意すれば、たったこれだけでも風を防ぐことができ、かなり暖かく感じるものです。

もう少し季節が進むと、風よけなんていらないくらい気温が高くなるので、今だけのお楽しみと言えるかもしれません。

座談会の夜

今日は山楽舎BEAR事務所で地元ガイドを招いて座談会が行われました。

山では顔を合わせることが多いのですが、下界で一堂に会するなんてことは滅多にありません。とりとめもない話をしているだけでも楽しくなってきます。

軽食として佐久間お手製のカレーも登場。市販のルーなんて使わないぜ!というこだわりのカレーでした。

みなさん次の日も早くから仕事だというのに、結構遅くまで話し込んでしまいました。またこういう情報交換の場を設けたいですね。

2009-03-22

今年の初フキノトウ

2006年は3月8日
2007年は4月7日
2008年は3月16日
そして2009年は・・・今日3月22日でした!

フキノトウの初確認の日です。

南向きの崖という、日当たりが良く雪が少ない環境に二つほど頭を覗かせていました。

これを見つけると春が来たという実感がわきますね。

2009-03-21

雪崩こわい

ポロシリ山の吊り尾根コース。尾根の東面は春になると全層雪崩が起きる場所です。

西面側を歩けば安全なのですが、間近にこんな亀裂を見せられると、やはりぞっとします。

吊り尾根を上から見下ろすとこんな感じ。ちょうど中央あたりが上の写真の部分です。大きな雪庇ができていて今にも崩れそうなのがわかります。

全層雪崩は発生の前兆がわかりやすいとはいえ、注意の上に注意を重ねた山行にしたいものです。

再び山頂標識

今日ツアーで登ったポロシリ山で、こんな標識を見つけました。一見してものすごく違和感を感じたのは、一昨年登ったときにはこんなものがなかったから。

裏を見ると、ご丁寧に「平成19年4月」と書かれています。どうやら私が登った直後にこの標識を置いていったようです。

以前、私は自己顕示的な山頂標識はまっぴらと書きましたが、今回の標識もまたその類のようです。自作の和歌が詠まれていて、雅号も落款印までもありました。一言言わせていただけば、「ここはあなたの展覧会場ではありません」。

ポロシリ山は山頂からの展望が有名で、おそらくかなりたくさんの登山者に登られていることと思います。でも平成19年4月に至るまでは、誰一人として自分勝手な標識などを残さなかったのです。その意味をよく考えて欲しいものです。

山頂標識を設置してよいのは、たとえば登山道を開削し維持管理を行っている地域の山岳会ですとか、同じく登山道の維持管理にあたっている市町村など、ある山に対して責任を持って取り組んでいる主体のみなのではないでしょうか。

そうではない通りすがりの登山者がそれぞれ好き勝手に標識を置いていくなら、どういう事態になるかは以前書いた通りです。

山に残して良いのは思い出だけ、とはよく言われる言葉です。「ゴミを捨てない、食べ残しを置いてこない」のと同様に、これからは「自己顕示的な山頂標識を残さない」というのも登山者の常識になるべきなのかもしれません。

浮く人・沈む人

同じようにスノーシューを履いて同じ道を同じように歩いたとしても、雪の上に浮いたままの人と雪に沈み込んでしまう人が厳然と別れてしまうこの格差社会。

お客様はすいすいらくらく歩いているというのに、いったいどうして私だけズボズボ埋まるのでしょう!?

まあ、背負っている荷物が重いという単純な話なのですが、それでもこの足跡を見ていると、どうにも釈然としません・・・

記念撮影

写真はいつも撮るばかりで、自分が写るということはほとんどありません。だから、たまにこんなものを見つけたりすると思わず記念撮影してみたくなったりして。

ぎりぎりまで雪に埋もれたカーブミラーに、歩く私たちが映っていました。

これは撮らねば。ということで、お客様にちょっと止まっていただいて、パチリパチリ。良い記念になりそうです。

2009-03-17

狩勝山

前日は落合岳に登り、道の駅で車中泊。今日は午前中に経歳鶴へ登り、お昼ご飯を食べながら移動して、午後は狩勝山に登ります。三座ともわりと近くにありますので、まとめて下見を済ませておこうという算段です。

国道脇の雪に埋もれた「保安林」の看板から歩き始めます。ここよりわずかに峠側に、除雪車の転回場のような駐車スペースがありますので、車はそこに。

標高点711mに向けて登っていくと、やっぱり現れました、整然とした植林地。間隔が広く、下枝も刈ってあるようなので、歩くのには支障ありません。ただ、植林の方向と、登りたい方向が微妙にずれているのが、ちょっとやっかいではあります。

植林地はすぐに終わり、そこからはダケカンバの疎林となります。標高点711mまでくると、目指す狩勝山が眼前に現れました。

木々を縫って登っていくと、すぐに雪庇の尾根となり、やや右手から回り込むように進むと、あっという間に山頂です。

360度ぐるりと見渡せる山頂から、登ってきた方向を見返して。

反対側、狩振岳方面。どの方向を見てもガスがかかっていて遠望が効きません。


下りは西に延びる尾根を使って。標高点879mから見る狩勝山は見事な三角錐でした。そこからの下りに一苦労・・・。湿った雪がスキーを絡め取り、全く思うように滑れません。途中からはお約束のように密な植林地にぶつかるし。これならスノーシューの方がはるかに歩きやすいかもしれません。

二等三角点・経歳鶴

東大演習林の外れにある二等三角点「経歳鶴」。アイヌ語への当て字が多い北海道の地名ですが、これは強烈です。いったい何と読んだら良いのやら見当もつきません。

国土地理院の基準点成果等閲覧サービスで調べてみても、点の記図なしとなっているので読み方はわからず。東大によると「けいさづる」だそうですが、これは当て字に引きずられた読み方で、元のアイヌ語とはかけ離れていそうです。どうも、こちらの方が調べられた「ペトツルンペ」というのが良さそうな気がします。

さて、その経歳鶴ですが、歩き始めるのは北落合から。除雪最終点に車を置き、まずは標高点799mへ向けて出発です。ある程度登ったら、途中で標高点872mとの鞍部をめざし、複雑な谷地形を巻くようにして標高点762mへ。

標高点762mは広い台地状となっていて、ここまで来ればようやく経歳鶴が視界に入ります。

あとは淡々と平らな尾根を歩くのみ。ガスなどで視界が悪いときにはちょっとやっかいな地形です。

時折垣間見える山頂が徐々に大きくなり、植生がトドマツからダケカンバに変わり、傾斜がついてきたら、それが最後の登り。スキーで直登できる程度の斜度を標高差100m弱で山頂部に到着です。

あまり遠望は効きませんが、振り返って登山口方向。正面が標高点799m。真っ平らな地形を歩いてきたことがよくわかります。


北西には大麓山から延びる尾根。その他は霞んでいて、山らしい山は見えませんでした。晴れてさえいれば、きっといろいろな山が見られるはずです。

2009-03-16

吹雪の落合岳

南富良野町にある電波塔の山、落合岳へ下見で行ってきました。

「越中団体の沢川」の西にある林道を利用して登り始めようと考え、国道38号をウロウロしたものの、付近に駐車適地がありません。結局、通行の支障にならないよう路側帯を除雪して、国道脇に車を停めることにしました。交通量が多くないとはいえ、そんなところに車を停めるのはあまり気が進みませんが・・・。

当初の予定通り、歩き始めからしばらくは林道をたどります。雪は締まっていてスキーが快適です。標高510m付近で林道から外れ、標高点816mと同1023mとのコルを目指して一直線。

と思いきや、植林された松が密生していてとても登れる状態ではありません。植林を避けて南へ南へと逸れていくうちに、標高670m付近で地形図に載っていない林道に出ました。これ幸いと林道を利用し、

コルを越えたあたりで尾根に乗ります。歩きやすい広くて傾斜の緩い尾根です。

たらたらと尾根を進むと、正面に落合岳の左肩(?)が見えてきました。ちらほら雪は降っていますが、これだけ視界が効けばまずまずのお天気だ、と思っていたのですが。


標高点1023mを越え、左肩に出た途端に吹雪!思わず立ち止まってしまうほどの強風が吹き荒れていました。

右から吹き付ける風に難儀しながら電波塔の立つ稜線をたどり、標高1166mの山頂へ。もちろん何も見えやしません。風を背中に受けながらスキーのシールを外して、あっという間に下山にかかります。

下山は東に延びる尾根へ向かって。標高点993m直前で北へ進路を取り、標高800mあたりまでは快適に滑り降りることができました。その後はまた植林に行く手を阻まれて右往左往。なんとか林道に出て、でもその林道がクネクネくねくねと曲がりまくっていて、なかなか思う方向に進んでくれません。

途中でこんな看板を見つけて思わず納得。「迷沢林道」だなんて、できすぎです。

素直に登りに使った尾根を降りるのが良いようです。

2009-03-14

初雨の日

目的地変更で登ってきた社満射岳で、今シーズン初の雨に見舞われました。

もちろん、里ではもう何度か雨になっているのですが、標高の高い山の中でも雨だったのはこれが初めて。だいたい標高700m付近までは雨粒で、標高700~900m付近では湿った雪、標高900m以上で雪、という感じでした。

私の使い込んだアウターでは乾いた雪は防げても、雨には全く役に立ちません。下山する頃にはすっかり濡れそぼってしまいました。そろそろ夏用の雨具を出さなければならないかも・・・

確実に春は近づいてきています。

目的地変更のお知らせ

3月14日(土)に予定していた富士形山ツアーですが、諸般の事情により、目的地を“社満射岳”へと変更いたします。

富士形山については、来年をお楽しみにしてください。
社満射岳については、先月延期の末に中止になっていましたので、ふるってご参加くださいね。

2009-03-10

ホワイトアウトの信砂岳

暑寒別岳の展望台として名高い信砂岳。月末に控えたツアーの下見に行ってきました。

ネットの山行記録を見ると、一般的には共栄橋から登られているようですが、通行の邪魔にならないよう駐車することを考えると、駐車帯が近くにある恵比寿橋からスタートするのが良いように思われます。若干歩行距離が長くなりますので、敬遠されているのかもしれません。

恵比寿橋からは、スノーモビルの走行跡が賑やかな林道を、しばらく小川沿いになだらかに標高を上げていきます。目指すは標高点697m。

標高400mを超えたあたりで深い深い霧に包まれてしまいました。これでは周囲の地形がさっぱりわかりません。ある傾斜を登るのに、直登でいいのか、右から巻くべきか、それとも左から行くか、そういう判断がつかないのは大変困ります。

標高530m付近で広い尾根に出て、あとはほぼ一直線に山頂を目指すのみ。若干視界が回復してきたかな?

やや急な登りを三回終え、ダケカンバの疎林が広がる台地に出たら、信砂岳山頂はもうすぐそこ。・・・ここ。なにやら雪の降りが激しくなってきて、ほとんど何も見えません。取り合えずデジカメのシャッターは押してみたものの。豪快な展望は3月29日(日)のツアーまでおあずけです。

下りはスキーでらっくらく、と思いきや、水の浮く湿った雪の上にさらに湿った新雪が積もり、とても快適に滑れるとは言い難い状況。今時期が一番滑りにくいかもしれませんね。

2009-03-09

みんな同じ

昨日の察来山ツアーは、参加者4名様。私を入れて全5名パーティーでした。車から降りて準備しているみなさんの足下を何気なく見てみると・・・

なんと、全員が同じメーカーのスノーシューでした。

MSRライトニングアッセントのオレンジ×2、同じくレッド×2、MSRデナリEVOアッセントブルー×1。たしかに以前からMSRのスノーシューをお使いになる方は多かったのですが、全員そろってというは初めてでした。軽くて傾斜に強い、というのが支持される理由のようです。

これでもう少し強度があれば・・・

2009-03-05

意外と初めて、幣の滝

年に何度も、というか、月に何度も旭岳温泉界隈を歩いているというのに、実はまだ“幣の滝”には行ったことがありませんでした。そのすぐ脇にはよく訪れているのですが、どうも足が向かないままずるずると年月ばかりが過ぎていき。そんなんではいかん!ということで、今日は重い腰を上げました。

旭岳ビジターセンターからクロスカントリーコースへ入り、しばらく圧雪路を行き、カモ沼手前でコースを外れます。

ヒザまである重い雪をかき分け、ほぼ真東に進路を取ります。一段、二段と斜面を登り、平坦な台地を抜け、雪に埋もれた川に行き当たったら、そこはもう滝の上。

慎重に川を渡り高台に出ると、この絶景。ガスがかかっているのがとても残念ですが、晴れていれば旭岳がきれいに見えることでしょう。

高台から急斜面を一気に下ると、右手に見えてくる雪の滝壺。底まで降りてお昼休憩とします。間近に見上げる滝はなかなかの迫力です。直線距離にすれば、ほんの50mくらいの所までは何度も来ているのですが、ほんの少し離れただけで全く違う地形となり、漂う風情までも別物になります。こんなに良い場所だったんだ・・・。もっと早く来ておけば良かった。

帰りはワサビ沼経由でクロスカントリーコースに出ました。ぐるりと一周したことになります。

黒と白、二色の写真ばかりでしたから、最後は色のあるものを。夕方、東川町で見た落日。今日も一日よく歩いた!

2009-03-04

察来山は雪のち晴れ

週末ツアーの下見に察来山へ行ってきました。

国道451号沿いの林道入口に車を停め、四番川沿いの林道へと足を踏み入れます。今日の足回りはスキー。しばらくは川沿い送電線沿いのほぼ平坦な歩きです。わっさわっさと気持ち良いくらい大粒の綿雪が降り、視界は真っ白。

標高250mあたりで進路を右にとり、ここから林道は坂となります。正面に見えるのが察来山。意外と近くに見えますね。どうやら雪は止んでくれたようです。

100mほど標高を上げたら林道に別れを告げ、分岐する林道の間を直登していきます。おお、青空が見えてきました。この分だと山頂に着く頃には・・・。それにしても、いかにも“春!”という感じの綿雲です。気がつけばもう3月ですものね。

ぐいっと一登りで雪庇の目立つ稜線に出ました。あまり右に寄れないので、稜線歩きなのにほとんど展望は得られません。

最後にもう一登りが待っていました。この上が察来山山頂です。スキーで登るには辛い斜度・雪質・植生でした。途中で脱ごうかとも思いましたが、最後は気合いで登りきりました。

山頂ではぬっくぬくの陽光が降り注ぎ、展望もまあまあありました。ピンネシリ山と神居尻山は仲良く並んで。

黄金山はひたすら尖って格好良く。

増毛山地がほとんど雲に隠れていたのが残念ではありましたが、晴れていたらどれほどのものか、想像しただけでヨダレものです。ツアー本番は8日(日)。晴れてくれるといいですね。