2009-06-27

長い一日

朝4時に家を出て、帰ってきたのが夜の8時30分。
お風呂に入ってご飯を食べて今日の片づけと明日の準備をしたら、もう10時過ぎ。
明日も早いし、とっとと寝ないと。

十勝岳(新得コース)の花

文章を書く時間が全然取れないので、とにかく写真だけでも。
忙しいからといって、旬を逃してはどうしようもありませんから。









一番きれいだったのは火山灰地に大きな群落をいくつもつくっていたメアカンキンバイ。いつもはあまり注目してもらえない花ですが、このコースでは完全に主役を張っています。一度は見て欲しい見事さでした。

2009-06-26

夕張岳の花

昨日、夕張岳で見たお花たち。お客様と一緒に数えていった結果、全部で70種近くの花が見られましたが、その中から今年初見のものを中心にご紹介します。

・登山口~望岳台
かなり標高の低いあたりから見られたミヤマハンショウヅル。樹林帯の緑の中で、濃い紫がよく目立っていました。

石原平付近では数え切れないくらいのシラネアオイ。わっさわさ咲いていて、見慣れているはずなのに思わず感嘆の声が出てしまいました。圧巻。

カラマツソウは白いホヤホヤが気持ちよさそうです。咲いていたのは一株か。

・望岳台~釣鐘岩
前岳の斜面にはまだ雪渓が何本か残っていて、その雪融け水が流れる箇所には決まってリュウキンカが咲いていました。6月末になって見るリュウキンカも良いものです。

ウラジロナナカマドも咲き始めていたようです。タカネナナカマドはほとんどが蕾のまま。同じ条件にあっても開花時期がずれるのでしょうか。

足下にはミヤマキンポウゲ。小さいくせによく目立つ鮮やかな黄色をしています。

ミヤマオダマキは足下に下向きに咲くので、写真を撮るのに一苦労します。花をよく見るためには、寝そべるようにして下から煽るようにしないと。

かなり遠くにぽつりと咲いていたユウパリコザクラ。110mmのレンズじゃこれが限界です。

葉っぱが特徴的なタカネタンポポ。意外にお客様から人気を博していました。

優美に咲き始めていたのはシナノキンバイ。開きかけの蕾の、黄色とも緑ともつかない色が本当に清楚です。

湿原の中にムシトリスミレ。スゲの中に埋もれていて、なかなかそれだけ綺麗に撮るのは難しいものです。

・吹き通し
エゾミヤマクワガタはまだ咲き始めたばかり。いつもよく見るエゾヒメクワガタとは、やっぱりどこか違います。

ほとんどの人がユウバリソウに注目するので、沢山咲いている割にはあまり目をかけてもらえないナンブイヌナズナ。鮮やかで目を惹きそうなものですが。

真打ち登場。やはりこの時季の夕張と言えばこれしかありません。ユウバリソウです。

一つ一つの小さな筒が花です。下から順に咲いていき、一番上の花が咲く頃には下の花は茶色く枯れてきます。だから、上まで咲ききらない状態が最も見頃の旬の時季。まさに今この瞬間です。

・山頂直下
ミヤマダイコンソウを見つけたら、山頂まではほんのわずか。

神社近辺はハクサンイチゲの群落となっています。背景に芦別岳を持ってくるとは、なかなか贅沢なイチゲではありませんか。

大きくみると、やはり美しい花です。

固有種を含め、たっぷり花を見て、大満足の一日でした。

2009-06-24

御大登場!

あるときは神聖にして侵すべからざる存在。またあるときは象徴にして君臨すれども統治せず。さらにあるときは幻のレアアイテム。山楽舎BEAR代表・佐久間が、今年もまた満を持して大雪山に降臨しました。

笠・籠・(にせ)ピッケルの三種の神器を携えて!

とはいっても、これ、残念ながら山楽舎BEARのツアーではなく、修学旅行の引率なのですが。信者の皆様は、佐久間がツアーに現れるまで今しばしお待ちくださいね。

2009-06-21

雪のあるなし

望岳台から雲の平を抜け、ポンピ沢に向かう途中、深く深くえぐれた涸れ沢があります。

登山道はその沢を横切っていて、通過するには鎖を使って下り、再び鎖を使って登り返さなければなりません。

足場はしっかりと沢山あるので特に危険ではありませんし、むしろ緊張感があって楽しいくらいなのですが、

それでもやっぱり、沢が完全に雪に埋もれている春先の方が、はるかに歩きやすくて快適です。

雪のあるなしで、通過に要する時間や労力に何倍もの差が出てくるものです。この時期はいつも「残雪サイコー」と思ってしまいます。

2009-06-19

山開き直前の旭岳

山開きを週末に控えた旭岳。 まだひっそりと静まりかえっている山を歩いてきました。

すっかり雪の溶けたロープウェイ駅舎脇の登山口。木道はすっかり埋まっています。何に?

満開のリュウキンカに!今は登山道に咲くリュウキンカが最も見頃かもしれません。

ぐいっと近づくとこんな花。今年最初にリュウキンカを見たのは4月25日。かれこれ2ヶ月も経つというのに、ようやく今になって咲き始める所もあるのですから、面白いものです。

週が明けて山開きが済んだら、今年もまた短い賑やかな夏がやって来ます。

2009-06-18

ピシカチナイ山の花

ピシカチナイ山で初見だった花。あまり花の目立たないコースでしたが、二つほど見つけてきました。

一つは林道沿いに咲いていたウコンウツギ。蕾から花開いた直後という感じで、瑞々しさに溢れていました。

もう一つはあまり目立たないミヤマハンノキの雌花。よく見ると真っ赤できれいなんですけど、ほとんど話題に取り上げられない花ではあります。たまにはじっくりと見てあげたいものです。

薮を漕いで行こう、ピシカチナイ山

とあるお客様の熱烈リクエストにお応えして、今年ツアー初登場となるピシカチナイ山。私自身はそんな山、名前も知らなければどこにあるか検討もつかない山だったのですが、お客様はいったいどこから情報を得てくるのやら。一般夏山登山道のない山なので、とりあえず地形図もってゴーです。

ピシカチナイ沢川沿いの林道終点まで車で行こうと思いきや、遙か手前で鍵付きのゲートに阻まれました。林道分岐から300~400mほどでしょうか。

その先も走りやすそうな林道だったのですが・・・。まあ歩いても30分弱です。いい準備運動と思いましょう。

地形図上の林道終点から先にも林道は続いていますが、かなり荒れた感じに変わります。再び30分弱歩いて、林道が上り坂になる手前で沢沿いに入ります。最初はこのくらいの水量。

1時間くらい沢沿いに歩くと、水量はぐんと減ってこのくらい。足下は沢靴ではなく、登山靴+スパッツ+防水のオーバーソックスとしました。靴が濡れることを厭わなければ、特に問題はありません。むしろ、沢前後のことを考えると登山靴のほうがいいような気がします。

沢から水がなくなり、沢形が不明瞭になると山頂は間近。比較的歩きやすい笹藪漕ぎです。

三角点のあるピシカチナイ山山頂。ちょうど週末から映画「劒岳・点の記」が公開されますが、よくもまあこんな山の上に三角点を設置したものです。国土地理院の点の記によると、大正4年に設置されたとか。ニペソツ川からオオタ川伝いに山頂に登ったそうです。

このピシカチナイ山、実は山頂は単なる通過点で、その先の岩峰が真の目的地なのです。なぜなら岩峰のほうが標高が高く、かつ景色も良いから。山頂から岩峰までは踏み跡がしっかりついています。

岩峰の突端はこんな感じ。岩の上に薄く土壌が乗っていて、そこにハイマツが根を張っているという、いささか不安定な状態です。ガスに包まれて景色は全くみられませんでした。本当ならさぞ絶景であることでしょう。

帰りはますます霧が濃くなり、最終的にはこんな水墨画の世界に。乾いた霧だったので濡れなくて済んだのは幸いです。

ルートには所々ピンクテープが貼ってありますが、それだけを頼りに登れるかというとちょっと疑問です。自信のない方は入らないのが無難ですよ。

2009-06-17

十勝岳(新得コース)の花

初めて登った十勝岳新得コースで出会った、今年初見となる花々。

まずはアカエゾマツの花。普通は高い高い枝の先に咲いていますから、おそらくあまり目にすることがないかと思います。これは珍しく目の高さに咲いていました。

露に濡れたイソツツジ。水滴が着いた花というのはどうしてこう瑞々しくも麗しげなのでしょう。

ハイマツの陰にこの花あり。ミツバオウレンも今年初めて出会いました。

開花まではもうしばらくかかるでしょうか。エゾノツガザクラもわずかにありました。

写真を取り損ねたのですが、エゾコザクラの蕾もあったりして、前半部は意外に花を楽しめそうな新得コースでした。

新得側から登る十勝岳

登山口となる望岳台まで短時間で行けることもあり、十勝岳はかなり身近な山のひとつなのですが、その“裏”側からのルートとなる新得コースは今まで歩いたことがありませんでした。一念発起、長い長いドライブを経て、初体験に行ってきました。

トムラウシ温泉に向かう途中で林道に入り、シカに会ったりクマに会ったりしながら奥へ奥へと進んでいくと、見逃しそうなそっけない登山口が現れます。ちょっと先の広くなった部分に車を停めます。

あまり人も来なさそうだし、登山道とはいえ薮漕ぎと化しているかと思っていましたが、実態はさにあらず。大変歩きやすく手が入っていました。こんな山奥まで・・・。ありがたいことです。

平坦な樹林帯をしばらく行くと、雪がたっぷり残った沢に出ます。テープなど標識はありませんが、ここは地形図通りに、沢沿い→尾根乗越→沢沿い、と行けば問題ありません。二つめの沢から尾根に取り付く急登部がややわかりにくいかもしれません。写真奥のハイマツの出っ張り部を引き返すように登ります。

尾根上はみっしりと生えたハイマツのトンネル。ここも整備が入っているのか、さほど歩きにくくはありません。

ハイマツ帯を出ると、急登→平ら→急登→平ら、と繰り返し、急登部がそれぞれ雪田となっています。ここもルートがわかりにくいと思いますが、地形図を良く読めば問題なし。地形図上の登山道の表示はとても正確ですし、植生がないため地形が読みやすく、しかも雪があるため地形の凹凸が強調されています。地図読みの良い練習ができそうです。

最後、雪の着いた急登を登りきると、いつもの見慣れた風景が待っていました。

おなじみの十勝岳。全然知らない登山道を歩いてきて、最後知っている場所に出るというのは不思議な気分です。お天気が悪いので早々に下山。山頂も踏みませんでした。

帰りは比較的遠望が効くようになりました。見返す十勝岳の山腹。ハイマツと雪。“表”側から見るのと全然違う山に見えます。

右手を見ると、頭を隠した下ホロカメトックから境山にかけての山々。新鮮な景色です。

左手はオプタテシケからトムラウシにかけて。お天気が良かったら素晴らしい展望が期待できそうです。

登山道は長いのですが、変化に富んで飽きることはありません。展望も良さそうです。今まで登っていなかったのがもったいないほど。ツアー本番が楽しみです。