普段はほとんど訪れることのない白金温泉。それがなぜかここ数日で二度も仕事があって行ってきました。せっかくなのでかの有名な青い川をご覧ください。
白金温泉街から美瑛川にかかる橋、その名も「ブルーリバー橋」から見る白髭の滝。
水の色は透明感のある青。碧という方がイメージに近いかもしれません。
空の色もどことなく春めいてきたような。
おまけで不動の滝。この周辺の散策は、登り下りがなく水を楽しむことができるので、いつもと全く異なる楽しさがあります。
2012-02-28
2012-02-26
2012-02-20
怒濤の三週間
ここ3週間は通常業務にいろいろな仕事が重なって、ちょっと冬とは思えないほど忙しく過ごしていました。気がつけば2月も半ばを過ぎていて呆気にとられてしまいました。普段2月なんて一年でも楽な時季なんですが・・・
ツアー:7回
下見:2回
講座:3回
会議:3回
通信紙作成:4日間
と、ここまでが通常業務で、
会議:2回
原稿:2本
こちらが外部のお仕事。
特に11日から19日までの9日間に関しては、夏でもここまで忙しいことはなかったくらいでした。昼間ツアーに行って夜は原稿書いて、寝て起きて下見に行って帰ってきて日付が変わるまで原稿書いて、翌朝早起きしてツアーに行って一旦帰宅して夜は講座で指導して・・・
でもよく考えてみると、山に行ったり文章書いたりしてそれで生活していけるのですから、全部自分の好きなことしかしてないんですよね。実はこんなに幸せなことはないのかもしれません。
あ、そういえばそろそろ確定申告が・・・さすがにこれは好きなこととは言えませんが。
ツアー:7回
下見:2回
講座:3回
会議:3回
通信紙作成:4日間
と、ここまでが通常業務で、
会議:2回
原稿:2本
こちらが外部のお仕事。
特に11日から19日までの9日間に関しては、夏でもここまで忙しいことはなかったくらいでした。昼間ツアーに行って夜は原稿書いて、寝て起きて下見に行って帰ってきて日付が変わるまで原稿書いて、翌朝早起きしてツアーに行って一旦帰宅して夜は講座で指導して・・・
でもよく考えてみると、山に行ったり文章書いたりしてそれで生活していけるのですから、全部自分の好きなことしかしてないんですよね。実はこんなに幸せなことはないのかもしれません。
あ、そういえばそろそろ確定申告が・・・さすがにこれは好きなこととは言えませんが。
2012-02-19
食痕
ミステリーツアーで訪れた忠別湖沿いのとある山。鹿の食痕が盛大に残されていました。
きれいに丸裸の木もあれば、
鉛筆のように削られた木もあり。
大勢で休憩した跡もありました。
これは角をこすった跡かな?
食痕繋がりでこちらはキツツキ。おそらくクマゲラ。新しいものもあり、
古いものもあり。
人間が入ってこないときには動物たちで賑やかなんでしょうね。
きれいに丸裸の木もあれば、
鉛筆のように削られた木もあり。
大勢で休憩した跡もありました。
これは角をこすった跡かな?
食痕繋がりでこちらはキツツキ。おそらくクマゲラ。新しいものもあり、
古いものもあり。
人間が入ってこないときには動物たちで賑やかなんでしょうね。
2012-02-18
2012-02-16
コシモザラメとシモザラメの北見富士
週末ツアーの下見ではるばる北見富士まで行ってきました。北見富士は旭川方面から国道39号を東に向かい、石北峠を越えてすぐにあるきれいな形の山です。山楽舎のスノーシューツアーとしては初めての石北峠越えになるのかな?
国道から分岐して始まる50号林道。ここから歩き出します。
すぐに北見富士の全貌が露わに。端正な山です。こんな形をしているくせに火山ではないというのがまた面白いところ。
林道をてくてく歩いて無加川にかかる橋を渡り、雪埋もれたパオマナイ川も渡り、作業道を使って尾根に取り付きます。
最初はほどほどの斜面ですが、標高点830mを越えると突如として急登に変わります。
辺り一面樹木に覆われていて展望には恵まれていませんが、時折木々の間から遠くの山が望めます。クマネシリ山塊や、
武利岳。北大雪の山々をこの角度から眺めるというのは新鮮なものです。
さすが石北峠を越えて道東に入ると積雪は少なめです。2月だというのにところどころ地表が見えていたりして、積雪深は概ね50cm程度でしょうか。
でも、雪が少ないからと言って歩きやすいわけでは全くありませんでした。むしろこんなに大変なのはいつ以来だろうというくらい苦労しました。というのも、雪質が登るのに適していないのです。積雪の表面はわずかに固く、その中はぐずぐずのモナカ状態。一歩踏み出すと、一瞬雪の上に立てるのですが、次の足を踏み出す前に踏み抜いてしまいます。中の雪はグラニュー糖状ですから地表近くまで達して初めて足場ができる感じ。次の一歩を踏み出すには足を膝上まで蹴り上げないとなりません。
さらさらの深雪なら腿を使って雪をかき分けることもできるのですが、上部が固い層になっているのでそうもいかず。それが登山口から山頂まで延々続いていました。
表面がクラスト、その下に標高1000mまでがこしもざらめ雪、標高1000m以上でしもざらめ雪が詰まっていました。
しかも、難敵はそれだけでなく、上部ほど濃くなる薮が行く手を阻みます。雪+薮+急登で、標高差100m・距離500mを進むのに1時間たっぷりかかってしまいました。
山頂直下で今日一番の見晴らしが待っていてくれました。武利岳・武華山が間近。若干雲が出てきましたが、石狩岳・緑岳あたりが視認できました。高根ヶ原を歩いている時に、北見富士を眺めることができるので、そのあたりも晴れていればきっと見えるのでしょう。
5時間近くかかってようやく山頂に到着。さすがに疲れました・・・。でもこれがツアー本番じゃなくて良かったのでしょう。今日これだけ踏んで道をつけておけば明後日のツアーでは楽に登れるに違いありません。
国道から分岐して始まる50号林道。ここから歩き出します。
すぐに北見富士の全貌が露わに。端正な山です。こんな形をしているくせに火山ではないというのがまた面白いところ。
林道をてくてく歩いて無加川にかかる橋を渡り、雪埋もれたパオマナイ川も渡り、作業道を使って尾根に取り付きます。
最初はほどほどの斜面ですが、標高点830mを越えると突如として急登に変わります。
辺り一面樹木に覆われていて展望には恵まれていませんが、時折木々の間から遠くの山が望めます。クマネシリ山塊や、
武利岳。北大雪の山々をこの角度から眺めるというのは新鮮なものです。
さすが石北峠を越えて道東に入ると積雪は少なめです。2月だというのにところどころ地表が見えていたりして、積雪深は概ね50cm程度でしょうか。
でも、雪が少ないからと言って歩きやすいわけでは全くありませんでした。むしろこんなに大変なのはいつ以来だろうというくらい苦労しました。というのも、雪質が登るのに適していないのです。積雪の表面はわずかに固く、その中はぐずぐずのモナカ状態。一歩踏み出すと、一瞬雪の上に立てるのですが、次の足を踏み出す前に踏み抜いてしまいます。中の雪はグラニュー糖状ですから地表近くまで達して初めて足場ができる感じ。次の一歩を踏み出すには足を膝上まで蹴り上げないとなりません。
さらさらの深雪なら腿を使って雪をかき分けることもできるのですが、上部が固い層になっているのでそうもいかず。それが登山口から山頂まで延々続いていました。
表面がクラスト、その下に標高1000mまでがこしもざらめ雪、標高1000m以上でしもざらめ雪が詰まっていました。
しかも、難敵はそれだけでなく、上部ほど濃くなる薮が行く手を阻みます。雪+薮+急登で、標高差100m・距離500mを進むのに1時間たっぷりかかってしまいました。
山頂直下で今日一番の見晴らしが待っていてくれました。武利岳・武華山が間近。若干雲が出てきましたが、石狩岳・緑岳あたりが視認できました。高根ヶ原を歩いている時に、北見富士を眺めることができるので、そのあたりも晴れていればきっと見えるのでしょう。
5時間近くかかってようやく山頂に到着。さすがに疲れました・・・。でもこれがツアー本番じゃなくて良かったのでしょう。今日これだけ踏んで道をつけておけば明後日のツアーでは楽に登れるに違いありません。
2012-02-11
木々を飾る雪
直前四日間で合計32cmもの降雪があった旭川市と同52cmもの降雪があった深川市。その境界にある三角点・上江丹別はさすがにたっぷりと雪にまみれていました。
標高が低いからか日本海に近いからか、雪に湿り気があるようで、木々にはぽってりと雪が着き近くを見ても、
遠くを見てもきれいです。
もはや一つの作品のように見えるものもあります。
上を見上げるのも幻想的です。
その中を通り抜けるなんていうのも、今時季ならではの楽しみ。
晴れたら晴れたで絵になります。
これだけ積もると歩くのに難儀するのですが、それでもいいと思えます。
標高が低いからか日本海に近いからか、雪に湿り気があるようで、木々にはぽってりと雪が着き近くを見ても、
遠くを見てもきれいです。
もはや一つの作品のように見えるものもあります。
上を見上げるのも幻想的です。
その中を通り抜けるなんていうのも、今時季ならではの楽しみ。
晴れたら晴れたで絵になります。
これだけ積もると歩くのに難儀するのですが、それでもいいと思えます。
2012-02-09
フィールドノート
地形図(+コンパス)、カメラに並んで、山に入るときに欠かせないものの一つとなっているのがフィールドノート。フィールドで使うノートということで日本語では野帳ともいうようです。
山に入った日付、目的地、天気、気温、風速、出発・到着・各ポイントにおける時刻、発見したこと、気になったことなどを1日あたり1ページに書き入れています。特に重要なのが時刻で、これによって過去の山行の所要時間がわかり、数回の山行を平均して歩くペースの目安としています。市販のガイドブックやガイドマップにも所要時間は書いてありますが、(自分にとっては)それよりはるかに正確なデータがフィールドノートから得られるのです。
この度、買い置いてあったノートを全て使い切りました。2004年6月から2012年1月までの約7年半で使ったノートは14冊。1冊約90ページとしてざっと計算すると、年間170ページ程度使用していることになります。つまり1年のうち半分ちょっと山に入っているということで、まあ感覚的にもそんなものかと。
それだけデータが蓄積されてきたのかと思うと感無量になります。この情報を有効活用するためにも、スキャンしてデジタル化してクラウドに上げておきたいと思っているのですが、14冊×90ページ=1260ページ分となると、さすがに手間が・・・。暇をみつけてチマチマやりましょう。
写真を撮ったついでに初期のノートからペラペラめくってみると、あんな山に行ったなーとか、こんなこと考えてたんだなーとか、様々なことが思い起こされます。ある意味、写真以上に記憶が刺激されるのです。
で、今回新たに注文したフィールドノート。今まで黄色一筋できましたが、ものは試しと、売っている全色を一冊ずつ購入してみることに。一色で揃っているのも壮観ですが、色違いもきれいですね。これからもたくさんの山に行ってどんどんデータと思い出を積み増していきたいものです。
山に入った日付、目的地、天気、気温、風速、出発・到着・各ポイントにおける時刻、発見したこと、気になったことなどを1日あたり1ページに書き入れています。特に重要なのが時刻で、これによって過去の山行の所要時間がわかり、数回の山行を平均して歩くペースの目安としています。市販のガイドブックやガイドマップにも所要時間は書いてありますが、(自分にとっては)それよりはるかに正確なデータがフィールドノートから得られるのです。
この度、買い置いてあったノートを全て使い切りました。2004年6月から2012年1月までの約7年半で使ったノートは14冊。1冊約90ページとしてざっと計算すると、年間170ページ程度使用していることになります。つまり1年のうち半分ちょっと山に入っているということで、まあ感覚的にもそんなものかと。
それだけデータが蓄積されてきたのかと思うと感無量になります。この情報を有効活用するためにも、スキャンしてデジタル化してクラウドに上げておきたいと思っているのですが、14冊×90ページ=1260ページ分となると、さすがに手間が・・・。暇をみつけてチマチマやりましょう。
写真を撮ったついでに初期のノートからペラペラめくってみると、あんな山に行ったなーとか、こんなこと考えてたんだなーとか、様々なことが思い起こされます。ある意味、写真以上に記憶が刺激されるのです。
で、今回新たに注文したフィールドノート。今まで黄色一筋できましたが、ものは試しと、売っている全色を一冊ずつ購入してみることに。一色で揃っているのも壮観ですが、色違いもきれいですね。これからもたくさんの山に行ってどんどんデータと思い出を積み増していきたいものです。
2012-02-07
湿雪に濡れる上江丹別
週末ツアーの下見に行ってきました。目的地は三等三角点・上江丹別。旭川市・深川市の境界線上にある1ピークですが、地形図を見ても三角点が記されているだけで、山名が書いているわけではありません。そんな渋い山です。
出発点は湯内峠。トンネルの深川側にある駐車帯から歩き出します。昨年、ここから伊納山に向かって南下しましたが、今回は反対に北上します。
おそらくプラス気温になっていると思われる暖かさ。スキーはほとんど雪に潜らず、その意味では歩きやすいのですが、手入れしていないシールに団子状の雪がつき、滑りが悪くてかないません。お天気はまずまず。雲を通してうっすらと太陽が見えていたりします。
と、思ったら稜線に出た途端に悪化する空模様。ガスが濃くなり低くたちこめ視界を奪うと同時に雪が降り始めました。
広く緩やかな稜線は、晴れていれば気持ちよく歩けることでしょう。でも今は特に変化もなく単調さだけが際だちます。上江丹別への最後の登り。
三角点があると思しき地点。展望が効きそうな場所は三角点の前後にありました。
気温が高いだけあって今日の雪は湿っています。ザックやウェアに触れるそばから融けてしまう感じです。しばらく寒い日が続いていたので、こんなのは新鮮です。
今日歩いていて目立ったのは、立木に積もった雪。元の形がわからないほど丸々と肥え太っています。
当然そうとうな重量になるわけで、太い枝すらも折れて落ちていました。こんなのがあちらこちらにあり、歩いている最中にもその瞬間を目撃。こんな状況では下手に木の下は歩けません。右に左に進路を変えながら恐る恐る歩いていました。
三角点・上江丹別に向かうツアーは今週土曜日。お天気になりますように!
出発点は湯内峠。トンネルの深川側にある駐車帯から歩き出します。昨年、ここから伊納山に向かって南下しましたが、今回は反対に北上します。
おそらくプラス気温になっていると思われる暖かさ。スキーはほとんど雪に潜らず、その意味では歩きやすいのですが、手入れしていないシールに団子状の雪がつき、滑りが悪くてかないません。お天気はまずまず。雲を通してうっすらと太陽が見えていたりします。
と、思ったら稜線に出た途端に悪化する空模様。ガスが濃くなり低くたちこめ視界を奪うと同時に雪が降り始めました。
広く緩やかな稜線は、晴れていれば気持ちよく歩けることでしょう。でも今は特に変化もなく単調さだけが際だちます。上江丹別への最後の登り。
三角点があると思しき地点。展望が効きそうな場所は三角点の前後にありました。
気温が高いだけあって今日の雪は湿っています。ザックやウェアに触れるそばから融けてしまう感じです。しばらく寒い日が続いていたので、こんなのは新鮮です。
今日歩いていて目立ったのは、立木に積もった雪。元の形がわからないほど丸々と肥え太っています。
当然そうとうな重量になるわけで、太い枝すらも折れて落ちていました。こんなのがあちらこちらにあり、歩いている最中にもその瞬間を目撃。こんな状況では下手に木の下は歩けません。右に左に進路を変えながら恐る恐る歩いていました。
三角点・上江丹別に向かうツアーは今週土曜日。お天気になりますように!
2012-02-06
春プログラム
ようやく終わりました・・・。3月以降のツアー予定を決めて、予定表を印刷して発送して、ウェブ上の情報を更新して・・・。この作業だいたい1週間かかります。つまり先週の好天続きの時に私は室内で作業し続けていたということです。解放された明日はぱーっと下見に行ってきます。気持ちよく晴れてくれれば疲れも吹き飛ぶのですが。
2012-02-03
雪を踏む音
冬の特に寒い日に雪道を歩くと「ぎゅっぎゅっ」という少しくぐもった音が足下から聞こえてきます。経験的には気温がマイナス10℃を下回ると鳴り出すような気がします。「しばれ」を皮膚からだけでなく耳からも感じることができる、雪国特有の現象です。
今日、旭岳温泉・ロープウェイ駅駐車場で、あまりに良い音がしたので撮影してみました。北海道にお住いの方には珍しくもないことですが、南国のみなさんに向けてお送りします。
今日、旭岳温泉・ロープウェイ駅駐車場で、あまりに良い音がしたので撮影してみました。北海道にお住いの方には珍しくもないことですが、南国のみなさんに向けてお送りします。
姿見の噴気口
日本全体で110、北海道内に31ある活火山の一つ旭岳。山体を削って開いた火口にはいくつもの噴気孔があり、いつももくもくと噴煙を上げています。
その噴気口の一つに近寄って様子を眺めるのは、スノーシューで姿見平を歩く際の楽しみとなっています。旭岳の鼓動を聞いているかのような気分になれます。
その噴気口の一つに近寄って様子を眺めるのは、スノーシューで姿見平を歩く際の楽しみとなっています。旭岳の鼓動を聞いているかのような気分になれます。
2012-02-02
広報『ひがしかわ』2月号
連載の最終回。今回は登山道についてです。
================================
”八方ふさがり”の登山道
「大雪山は登山道が整備されていない」と、本州から来られたお客さんによく言われる。しっかり整備されて迷う心配もない本州の「百名山」コースばかり歩いていたら、大雪山の登山道が良くないと感じるのは当然かもしれない。
本州の登山道が歩きやすいのは、山小屋が登山道を整備しているからだ。ヘリコプターによる荷揚げが一般的ではなかった時代、山小屋に物資を運ぶのは人力が頼りだった。そのため登山道は、登山者が歩くだけではなく、山小屋にとっては「生活の道」でもあったし、「道が悪い」という悪評が立てばお客離れも進むので、「道直し」は山小屋の重要な仕事の一部になっている。
ところが大雪山では、前回述べたように、営業目的の山小屋が一軒しかない。そのため、国内最大の22.6万haの面積を誇る大雪山国立公園の登山道整備は行政の手にゆだねられている。もちろん行政もそれなりに努力はしているのだが、弱小官庁(失礼!)の環境省や、巨額の債務にあえぐ我が北海道では、登山道整備にまわすおカネや人材は限られてしまう。下手をすると行政仕分けの対象になりかねないご時世でもある。野球やサッカーのように大きなおカネが動くことのない登山のような営為には、日本の行政は基本的に冷淡だ。八ッ場ダムに使うおカネはあっても、登山道整備におカネを出すなど論外なのかもしれない……。
悪い話はさらに続く。一昨年・去年と続いた洪水災害で、主要な登山口へつながる林道が数カ所寸断され、いまだに復旧されていない林道もいくつかある。森林管理署にしてみれば、施業計画(木を切る予定)のない林道を修復しても意味がない、ということになるが、登山者にとっては、登山口へ行きつく手前で門前払いを食った形だ。この状況を放置すると、登山者の減少が今後も続くことが懸念される。
残念ながら、気候変動によると思われる集中豪雨傾向はここ数年顕著になってきており、登山道も林道もあちこち傷だらけ、まさに「八方ふさがり」の状況だ。大雪山は受難の時代に入ったと言っていいだろう。
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”八方ふさがり”の登山道
「大雪山は登山道が整備されていない」と、本州から来られたお客さんによく言われる。しっかり整備されて迷う心配もない本州の「百名山」コースばかり歩いていたら、大雪山の登山道が良くないと感じるのは当然かもしれない。
本州の登山道が歩きやすいのは、山小屋が登山道を整備しているからだ。ヘリコプターによる荷揚げが一般的ではなかった時代、山小屋に物資を運ぶのは人力が頼りだった。そのため登山道は、登山者が歩くだけではなく、山小屋にとっては「生活の道」でもあったし、「道が悪い」という悪評が立てばお客離れも進むので、「道直し」は山小屋の重要な仕事の一部になっている。
ところが大雪山では、前回述べたように、営業目的の山小屋が一軒しかない。そのため、国内最大の22.6万haの面積を誇る大雪山国立公園の登山道整備は行政の手にゆだねられている。もちろん行政もそれなりに努力はしているのだが、弱小官庁(失礼!)の環境省や、巨額の債務にあえぐ我が北海道では、登山道整備にまわすおカネや人材は限られてしまう。下手をすると行政仕分けの対象になりかねないご時世でもある。野球やサッカーのように大きなおカネが動くことのない登山のような営為には、日本の行政は基本的に冷淡だ。八ッ場ダムに使うおカネはあっても、登山道整備におカネを出すなど論外なのかもしれない……。
悪い話はさらに続く。一昨年・去年と続いた洪水災害で、主要な登山口へつながる林道が数カ所寸断され、いまだに復旧されていない林道もいくつかある。森林管理署にしてみれば、施業計画(木を切る予定)のない林道を修復しても意味がない、ということになるが、登山者にとっては、登山口へ行きつく手前で門前払いを食った形だ。この状況を放置すると、登山者の減少が今後も続くことが懸念される。
残念ながら、気候変動によると思われる集中豪雨傾向はここ数年顕著になってきており、登山道も林道もあちこち傷だらけ、まさに「八方ふさがり」の状況だ。大雪山は受難の時代に入ったと言っていいだろう。
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