2006-08-28

山の動物たち

のんびり登山道を歩いていると、いろいろな動物に会えたりします。

エゾユキウサギやら、

エゾシマリスやら、

キタキツネやら。

秋の実りにありつこうと、あっちでモグモグこっちでモグモグやっています。ある程度の距離離れていると、人間がいてもほとんど気にしないようです。これだけ離れていればどうせ追いつかれっこない、とでも思っているのかな?

リンドウ満開

旭岳近辺では、ただいまエゾオヤマノリンドウが見頃です。特に、鏡池の周辺と、そこから裾合平に向かって涸れ沢を渡ったあたりの2箇所がおすすめ。

鏡池脇のリンドウ。朝露の中。

涸れ沢近くのリンドウ。白花もちらほら。

そんなに歩かなくても見られる場所ですので、散策ついでにリンドウ見物はいかがでしょうか。

2006-08-26

たわわたわわたわわ

暑かった8月も残すところ1週間を切りました。山ではどことなく秋の気配が感じられます。

たとえば、たわわになったハイマツの実。すっかり茶色が濃くなっていて、色から判断するに、もう食べられるほど熟しているようです。

その実を狙うのがクマです。たわわなハイマツ林のすぐそばに、これまた立派なクマ糞がありました。といっても、中身にハイマツの実は見あたりません。腹ごなしを終え、これからハイマツの実に取りかかるところだったのかもしれません。

登山道上では、最近、足跡や糞などクマの痕跡が目立つようになってきました。朝早く行動される方は、鈴や笛などで人間の存在をアピールしつつ山歩きを楽しんでくださいね。

2006-08-25

ピウケナイ沢

裾合平から当麻乗越に抜けるには、途中でピウケナイ沢という川を渡らなければなりません。以前は渡りやすく整備されていたという話ですが、いまや見る影もなく、増水時にはどうやって渡ろうかしばし思案してしまう難所です。

今日は去年の秋以来久々にピウケナイ沢の状況を見てきました。しばらく雨続きでしたので、もう少し水量が多いかと思っていましたが、さほど増水はしていませんでした。それにも関わらず、昨年より渡りにくくなっているように感じました。

2006年8月25日


2005年8月24日


写真を見比べてみると、写真中央・川の流れの中に杭がありますが、去年2本ある杭が今年1本減っていることに気づきます。去年は2本の杭を伝うような形で石を渡っていました。しかし今年は杭が無くなったこともあってか、伝うべき石も無くなっているようなのです。もともと杭のあたりは流れが狭く深くなっているので、飛び石がなければ渡るのに適しません。

昨年の写真で見ると、写真中央右手の枝のあたりから川に入り、写真中央にある右岸の蛇篭に向かって渡るのが一番良さそうでした。もっとも流れの幅が広く遅くなっているあたりです。水の深さは成人男性のスネやや下くらい。5~6歩もあれば渡りきれるでしょう。防水の効いた靴にスパッツをしていれば、ほとんど足を濡らさずにすむくらいです。ストックがあると安心です。

当麻乗越は紅葉の名所として知られます。ピウケナイ沢を渡る方も多くなる時期です。これからピウケナイ沢を渡る予定のある方は、くれぐれも準備と注意をお忘れなく。

微妙に秋色

久しぶりの好天がやってきた大雪山。長雨の後には、徐々に秋色に染まりつつある草花の姿が。

もうさすがに花弁をつけている株はないようです。裾合平のチングルマは見渡す限りの綿毛畑。顔を近づけて見ると、一つ一つに個性があって色も形も千差万別。

綿毛だけでなく、紅葉も美しいのがチングルマの素敵なところ。といっても紅葉の見頃はまだもうちょっと先になりそうです。気の早い葉だけ赤くなりかけている、というような状況です。

一方、エゾオヤマノリンドウは今が最盛期かもしれません。姿見園地から裾合平に向かってほんの10分行ったあたりで大群落で咲き乱れています。ちょうど後に旭岳が写るので、写真撮影には適した場所です。今日もツアーの団体さんが思い思いに写真を撮っていました。

8月末にもなると山では紅葉の兆しが見え始めます。これからしばらくは「今年はきれいな紅葉が見られるのだろうか?」と気を揉む時期が続きます。

2006-08-23

思い出とこんにちは

別れがあれば、新しい出会いもあるということで。

この前、本屋さんで偶然見つけた書籍。どうしても欲しかったのに背表紙の価格を見て購入をあきらめざるを得ませんでした。その価格、7500円(税別)。

見るからに高価そうでしたが、常識的に考えて3000円、高くともせいぜい5000円程度と思っていたのです。洋書のハードカバーだと100ドルを超える価格も珍しくはありませんが、和書でここまで高いのはちょっとお目にかかったことがありません。本代にはあまり糸目をつけない方ですが、さすがにこれでは手が出ません。泣く泣く本屋を後にしたのですが・・・

次の日、大量の蔵書処分で、臨時収入がありました。7500円払っても充分お釣りが出るくらいの。これはきっと何かのお告げ。本を買えと言っているに違いありません、その夜すぐにネットで注文。ポチっとしました。届いたのが今日の夕方。


落ち着いて読書に勤しむ時間はまだ取れそうにありませんが、それまで表紙を眺めてニヤニヤすることにします。ウフフ。

2006-08-22

山の夜の楽しみ

8月20日・21日、1泊2日でオプタテシケに行き、美瑛富士避難小屋で夜を明かしてきました。そもそもオプタテシケは、頑張れば日帰りできるコース。そこを敢えて1泊にするのには理由があります。それは、こんな景色が見たいから。

美瑛富士の向こう側に落ちる夕陽が照らす雲。刻一刻と色を変え、そしてあたりを暗闇に誘います。

石垣山の岩塊斜面をも染める朝焼け。夜から朝へ変わる一瞬だけ見られる色です。

山の中で、夕陽・朝陽を見たいなら、山中泊に如くはありません。早めの晩ご飯を食べ、陽が落ちるまでの一時、コーヒーなど飲みながら変わりゆく空の色を眺める。下界では考えられないくらいの早起きをして、天候の確認がてら外に出て、空が明るくなるのを飽かず眺める。なんとも贅沢な時間ではありませんか。寝付けない夜には、一面の星空を独り占めすることさえできます。

どうです?山に泊まってみたくなったでしょ?素敵な景色が待ってますよ。

2006-08-18

思い出とさよなら

おそらく、高校卒業したくらいからのものになると思いますが、たまりにたまった本を売りました。その数、558点。文庫から新書からハードカバーから、小説から教養書から専門書から辞書まで、ありとあらゆる形・内容の本が出てくること。できるだけ選別せずにじゃんじゃん処分しようと決意したものの、昔なつかしの本を手に取るとついつい本気で読み始めちゃってなかなか作業がはかどりません。ぱらぱらページを繰っているとその本を読んだ時のことが思い出され、処分するのがためらわれたりもします。心を鬼にしてほとんど一日仕事で選別を終えました。

選り分けられた本は、段ボール箱7箱分、古本屋さんの見立てで買取価格2万円強。10年分の思い出としては多いのか少ないのか。1冊あたり40円と考えるともの悲しくもなりますが、臨時収入としては悪くない値段です。心機一転また新しい本達を買い進めるとしましょう。

2006-08-15

今日は降ってもいいのに

今週末に控えているオプタテシケツアー。余裕を持って山頂を踏むために、美瑛富士小屋で1泊する行程です。昨年は残念ながら雷雨で中止になっていますので、今年こそは好天を期待したいところ。今日はその下見です。

天気予報によると今日からしばらく雨がちな日が続くとのこと。車での移動中、パラパラと降ってきたので、濡れることを覚悟していました。登山口から1時間ほど。天然庭園に着くと視界が開け、

あれ、意外にも美瑛富士の後に青空が見えています。

週末泊まる予定の美瑛富士避難小屋。1990年に改築された、まだ新しい建物です。中もこぢんまりとしていてきれい。ここから美瑛岳方面に向かう登山道と分かれ、オプタテシケを目指します。

小屋のあたりでガスが出てきたので、いよいよ降るか最低でも視界が効かなくなるかと思っていたのに、美瑛岳ははっきり見えています。

石垣山からベベツ岳。まだ見えています。

ふと登山道脇に目をやると、これは珍しいものがありました。イワギキョウの白花です。大きな群落をつくっていましたから、近くを通れば見落とすことはないでしょう。ハッとするほどの色合いです。

ベベツ岳とオプタテシケの鞍部で濃いガスにまかれましたが、どうも今日は山の姿を見せたいようです。一瞬晴れて山頂まで見渡すことができました。

そして山頂。オプタテシケは登りごたえがあってなかなかいい山です。ここを目的地にする仕事があまりないので、1年に1~2回登るかどうかなのですが、もっと頻繁に来たい山です。

下見の今日はじゃんじゃん降ってもらって構わなかったというのに、意外に良い天気になってしましました。さて週末の天気はどうなるでしょう。

2006-08-12

雷が鳴る前に、ニセイ

朝から暑く天気がよい今日、ニセイカウシペの下見に行ってきました。登山口までも時間がかからず歩行時間も短いので、やや遅めに出発できるのはありがたいことです。

登山口までの長い林道の途中から。空の青さが目に痛いくらいです。このまま車で1100mまで標高を稼ぎます。以前は国道39号沿いから登っていたといいますから、なんとも楽な山になったことです。

登山口からしばらくはダケカンバの目立つ明るい林の道が続きます。

標高1600m付近で「見晴台」に到着。その名の通り、表大雪の山々が間近に見晴らせます。今日は白雲岳が特にきれいに見えていました。

反対側に目をやると、向かう山頂が。どっしりとして良い姿です。右手から回り込んであの山頂を目指します。

このあたりから大槍に至るまでの間、お花が目立ち始めます。可憐なウメバチソウ。

沢地形に発達したお花畑。

なんていうのを見ながら大槍を通過。振り返って大槍の勇姿。

大槍を越えると登りはなだらかになり、ゆるゆると山頂へ。所要1時間半から2時間半くらい。広い山頂からは上川の町並・表大雪の山並・平山から比麻良山への稜線が見渡せます。

帰りに見つけた小さな秋。やはりここでも徐々に紅葉の季節に向かいつつあるようです。

ちょうど下山した1時頃。もくもくと黒雲が湧きたってきました。ゴロゴロとイヤな音も聞こえてきます。車に乗ってしばらくすると激しい雨が降り出しました。AMラジオをつけると、ガリガリ雑音が入ります。稲光こそ見えませんが、完璧に雷です。

ここのところ毎日のように午後になると雷が鳴ります。太陽で暖められた空気が上昇することで起こる熱雷だと思いますが、これ、大雪山では今まであまり経験がなかったことです。そもそも北海道は日本中でもっとも雷の少ない地域なのですが、これだけ暑いとそうも言っていられないのでしょう。早出早着の重要性を再確認しました。皆さんもお気をつけください。

2006-08-11

汗だくの結晶

猛暑の中、机にかじりついて、ようやく9月~11月の秋山プログラム予定表を完成させることができました。印刷と封筒詰めと発送も終えました。それに伴うHPの更新もやり遂げました。一連の作業によって、もしかしたら山に行くより汗をかいたかもしれません。まさに汗の結晶です。

くわしくは山楽舎BEAR・HPをご覧ください。予定表ダウンロードはこちらから。

真夏の山が終わったら、すぐに秋山が始まりますよ!

2006-08-10

赤岳の夏、クモイリンドウの夏

1ヶ月ぶりに赤岳に行ってきました。前回は、キバナシオガマ・ホソバウルップソウ・チョウノスケソウ・エゾオヤマノエンドウなどが咲き乱れる花の最盛期7月上旬でしたが、8月に入り、いったいどんな様子になっているでしょうか?

気の早いナナカマドが紅葉しかけてたり、ウラシマツツジが既に赤くなっていたりと、随所に秋の気配が見られた赤岳。山頂付近でも、

チョウノスケソウがすっかり綿毛になっていました。チングルマとはどことなく異なる感じで風情があります。ほんの1ヶ月前には瑞々しい花弁を愛でていたものですが・・・。山の季節が過ぎるのはあっという間です。

そんななか、気を吐いていたのがクモイリンドウ。ほとんどの花が終わった頃に咲き、登山者の目を楽しませてくれるニクいヤツです。しかも、大雪山固有種(と言われています。トウヤクリンドウと同じとする見解もありますが、せっかくですから「固有」ということにしちゃいましょう)。白いお花に濃緑の模様をいれ、まるで涼しげな浴衣のようにも見えます。まだ蕾の方が多いようでしたから、今週末あたり、見頃を迎えるのかもしれません。よかったら見に行ってあげてくださいね。

2006-08-09

灼熱、ウペペサンケ

というわけで、暑い中登ってきたウペペサンケであります。

登山口の標高は910m。ダケカンバやナナカマドなどの木々を縫って登山道は始まります。朝から早速暑いこと。すでに汗が止まりません。途中、小沢を渡りつつ、ぐいぐい標高を上げ、1390m間で行くと展望が開けます。

目の前に結構高く見えるのは1610mピーク。目的地・ウペペサンケはまだまだ見えません。そこまでまた200mほどの登りが待っています。しかも一度下るのがツラいところ。

色づき始めたナナカマドを発見。まだ8月のこの暑さなのに、という気もしますし、あと1ヶ月もすれば紅葉の見頃時期ですから、当然といえば当然な気もします。

200mの登りを終え、1610mピークにたどり着くと、ようやくウペペサンケの全貌が現れます。まだ、これだけ登るのですか?

このあたりからハイマツ帯に入り、展望が良くなります。そこそこ涼しい風も吹きます。あー生き返る。そしてここにも秋の気配。ウラシマツツジがいい色出してきています。今年も期待してますよ。

ピークをいくつか越えつつまだまだ登って、やってきました標高1835m。糠平富士に到着です。ここは最高地点ではないものの、「ウペペサンケ」という表示もあり、ここまで登って帰る登山者が多いようです。

というのも、最高地点である1848mピークまでは、ここから片道1.5kmもあり、しかも一旦下って登りかえしがあるからなのです。

まあ、そこまでは行かないにしても、細尾根を歩いてもう少し先に足を延ばしてみましょう。

ケルンの目立つ地点まで行くと、糠平富士よりも周囲が見渡しやすくなります。ケルン越しにニペソツ山。あれ、どうもイヤな雲が湧いてきていますね。

と、思ったら、下っている間にモクモクと。この後、雷がゴロゴロ鳴りだし、下山後、強烈なにわか雨に遭遇します。これはきっと暑さのせいですね。

登山口まで下りてくると、汗だくでぬるぬるべたべた気持ち悪さ満点。途中の小沢で軽く水を浴び、ややさっぱりしたところで家路につきました。

ウペペサンケはとにかく登りまくる山らしい山と言えるかもしれません。樹林帯を抜けるとハイマツ帯に出て展望が開ける、というのもなかなか良いですし、登れば登るだけ見える景色がよくなるというのも乙なもの。真夏の猛暑の時期でさえなければ、快適に登れる山らしい山、それがウペペサンケなのでした。

下見の選択を

昨日・一昨日と暑い中、部屋にこもり作業したおかげで、今日は晴れて山に行くことができました。避暑ですよ!ん?いえ、仕事です。下見です。

今週・来週中に下見に行かなければならない山のリストというものがありまして、その中から一つ選んで行くわけです。

 山名登山口までの所要時間登山口標高山頂標高
北鎮岳~当麻岳1時間1600m2244m
オプタテシケ1時間 820m2013m
ニセイカウシペ1時間30分1146m1879m
ウペペサンケ2時間30分 910m1835m

で、今回は、遠くの山から行けるうちに行っておこうと、4番ウペペサンケに向かいました。旭川から片道2時間半もかかりますから、たどり着くのも一苦労の山です。大変なところから片付けようだなんて、殊勝な心構えではないですか。夏休み中の小学生たちに見習って欲しいくらいです。

でも、そんな殊勝さがかえって仇になってしまうとは。

遠くから、とばかり考えていたため、避暑のことをすっかり失念していたのです。つまり、山の高さを考えていませんでした。高所に行くほど、気温が下がるのですから、より高い山へ行くのが正解。なのに、今日登ったウペペサンケは、4つの候補の中で最も低い山だったのです。しかも登山口は1000m以下。今年一番の暑さを更新した今日、よりによってそんな選択をしてしまっただなんて。

登山口について、登り始めて、すぐに汗だくになってから、ようやく自分の間違いに気がつきました。山頂についても26℃もあるし、これじゃあ避暑になりません。ああ、もっと早く気がつくんだった・・・。

2006-08-07

下界の洗礼

午後6時現在、室温31.1℃。あ、暑い・・・


今日は久々に山に行かず、部屋にこもって事務仕事をしています。9月以降のツアー計画策定およびダイレクトメール作成が焦眉の急となっているので、山に行っている場合ではないのです。9月の計画を8月2週目になってから立てるだなんて、なんという泥縄的な、なんという自転車操業的な仕事っぷりでしょう。我がことながら呆れてしまいます。

とはいえ、それはいつものこと。大仰に書きたてるほどのものではありません。それよりも、今日は一つ気がついたことがあったのです。知識として知っていたことをようやく実体験できたというか・・・。

なんせ、暑いんですよ!下界の昼は!

天気予報で、旭川地方が連日30℃を越える気温となっていたのは聞いていました。2000m以上の山の上にいても暑いくらいですから、下界はさぞや、と考えてはいました。でも、頭で考えるのと実際に体感するとの間には埋めがたい溝がありました。昨日までは、暑い日中は山の上で、涼しくなる頃に帰っていましたから、日が差し込む部屋の中に一日いるなんてことはなかったのです・・・。写真の気温計だって、今までせいぜい20℃くらいまでしか計ったことがなかったというのに。30℃なんて見たこともありません。

明日も今日並みの気温になるようです。早く事務仕事を終わらせて、昼間は山の中に行きたい・・・

2006-08-06

厄落とし

今週末に催行された2つのツアー。両日とも幸い素晴らしい天候に恵まれました。これもひとえに私のおかげ。だってほら。

8月3日。緑岳下見。第二花畑にて。

8月6日。緑岳ツアー。第二花畑にて。

7月31日。愛別岳下見。山頂にて。

8月5日。愛別岳ツアー。山頂にて。


風景だけ見たら、とても同じ場所とは思えません!人知れない、悪天の中の苦行があってこそ、週末ツアーの好天が訪れるのです。