2007-08-30

街中にも秋の気配

何日か前から、日暮れ後の窓の外から虫の音が聞こえてくるようになりました。

りりり、りりり

と。日中の暑さも一段落しましたし、朝夕涼しくなりましたし、そして虫の音。季節の移ろいを感じてしまいます。

2007-08-29

小さな秋

芦別岳山頂の岩場にて、ホソバイワベンケイ。たわわに種を実らせ、葉も赤く色づき始めています。

今週末にはもう9月。山の上には紅葉が訪れかけています。

2007-08-28

快晴!芦別・旧道から新道へ

天気が良さそうなので、芦別岳の下見に行くことにしました。旧道から登って新道を下る周遊コースです。旧道の長さを思うと朝から気合いが入ります。

登山口となる太陽の里は真っ青な空の下。暑すぎもせず絶好の登山日和です。

林道歩き・沢沿い歩き・樹林帯の登り・・・を経て北尾根に飛び出すと、夫婦岩の勇姿がずががががんと目前に。ああ、ほれぼれ。

そしてやっと目にする芦別岳。ここからがまた長く険しい道のりです。

アップダウンや急登やササ漕ぎを繰り返し、芦別岳も見えたり見えなかったりしながら、

ようやく遮るものなく間近に望めます。このそそり立ち具合。川を挟んですぐ近くにあるのに、大雪山系の山とは雰囲気が全く異なります。

最後の登りは岩を伝う箇所もありながら。いよいよ待ちに待った山頂へ。

やっと・・・着いた・・・。実は今まで芦別岳とは相性が悪く、山頂から景色を眺められたことがありません。期待がふくらみます。

ポントナシベツの向こうに夕張岳。ハイマツとササの緑が青空によく映えます。

空知川の向こうに大雪山系。雲の連なりが風景の広がりを強調しているような。

しばし景色を満喫し、新道コースに進路を取ります。さすがに旧道に比べるとあっという間の行程。良く歩いた一日でした。

2007-08-27

記念写真はニセイカウシペ

なんてことはない樹林帯を通る登山道の写真。でもこれ実は、私にとっては記念すべき写真。

どんな記念なのかというと。

一眼レフのデジタルカメラを買ってから、ちょうど1万枚目となる写真なのです。ツアーのときいつもぶらさげている例のカメラです。

去年のゴールデンウィークから山で使い出し、16ヶ月でこの枚数を撮りました。一ヶ月あたりになおすと625枚。一ヶ月のうちには、山に行かない日もあれば、行っても天気が悪くてあまり撮らない日もあります。それによく考えると私はコンパクトデジカメも併用しているのでした。やはりかなりの枚数を撮っていると言っていいでしょう。

1万枚の写真をあらためて眺めかえすと、あんなことやこんなことが思い出されたり、新しい発見があったり。自分の写真がほとんどないことがちょっと悲かったり・・・

次の1万枚目はどの山のどんな写真になるのかな?

2007-08-26

縦走し放題?

今日行ってきたツアーは、ニセイカウシペから平山への縦走

ニセイカウシペの登山口に車を置いて出発して、

平山の登山口に降りると、な・な・なんと!ニセイの登山口に置いてきたはずの車があるではありませんか!

これは運転代行サービスのおかげ。今回は登山専門の運転代行を行っているあーすワン・ワンさんに車の回送をお願いしました。利用するのは初めてでしたが、なかなか使えそうです。

縦走というのはやはり気持ちのいいもの。来年は武華山-武利岳なんかもやってみたいなあ。

2007-08-25

おはようからおやすみまで

徐々に日が短くなってきた8月下旬。朝4時前に起きるとまだ暗いし、帰りも7時を過ぎるときには車のライトを着けなければなりません。山の中でも当然・・・


朝6時30分の旭岳。


始発のロープウェイに乗り姿見駅から歩き出したあたりでようやく日の出という感じ。実際にはもっと早い時刻に明るくなっていますが、太陽はしばらく旭岳に隠れているのです。

夕方4時30分の旭岳


長々と歩いてきてようやくたどり着きました。夕方の太陽に照らされて旭岳が若干赤みを帯びている感じがします。

ちょっと前までは、歩き出す頃にはもうすっかり明るくて、歩き終えて帰宅するまでずっと明るかったのですが・・・。こういうところから徐々に秋の気配を感じざるをえません。

駅徒歩3時間絶景


大雪山にはいろいろ好きな風景がありますが、その中でも熱烈にオススメできるこの景色。当麻岳の山頂から見渡す裾合平とその向こうに旭岳。この山域の広さ・深さが凝縮されています。

当麻岳まではロープウェイ姿見駅からほんの3時間しかかからないというのに、訪れる登山者も少ないのが残念なところ。もっとたくさんの方にこの魅力を知って欲しいものです。特に本州からいらっしゃる方に見て欲しいなあ。百名山には入っていなくても、いやむしろ入っていないところにこそ素敵な場所があるのです・・・

2007-08-24

よく目にするのになかなか撮らない写真を

仕事柄、山ではかなりたくさんの写真を撮ります。でもありとあらゆるものを撮っているかというとそんなことはなくって、いつもよく目にする身近なものほど意外に撮ってなかったりします。

たとえばこれ。旭岳はロープウェイ姿見駅舎脇の鉄塔。一年のうち何度となく訪れる姿見平のどこからでもよく見える鉄塔ですが、たぶんこれを中心にして写すのは初めてだと思います。国立公園の中でひときわ高い建造物。なかなかフォトジェニックですな。

夏の天女が原もあまり写真を撮らない場所です。たまにロープウェイを使わずに歩いて下山するのですが、いつももくもくと歩くだけで湿原の風景を撮ろうとは思わないのでしょう。改めて見るとなかなか風情があるじゃないですか。

今日は何故か、いつも目を向けないものに注目してしまう不思議な一日でした。

2007-08-23

行けなかった幌尻岳

本当なら一昨日から2泊3日で楽しんでいたはずの幌尻岳。残念ながら今年のツアーは中止となってしましました。初日の21日は雨だったものの、幌尻に登る22日も最終日の23日も天気は晴れ。こんな時に限って晴れるのですから、恨めしいものです。

そもそもどうして幌尻岳ツアーが中止になったかというと、2006年から完全予約制になった幌尻山荘の予約が取れなかったからなのです。4月2日の予約開始からあっという間に希望日が完売御礼状態になってしまいました。幌尻岳は日本百名山の一つですから、本州からの登山ツアーも多く、旅行代理店がすぐに日程を押さえてしまうようなのです。

幌尻岳ツアーにはお客様からたくさんのお問い合わせをいただきました。来年こそきっちり予約を取りますので、ぜひお楽しみに。佐久間も私も楽しみにしています。

2007-08-19

秀峰・斜里岳

普段の行いが良いせいか、好天に恵まれた斜里岳ツアー。

浴びる陽光!
きらめく水しぶき!
そびえ立つ山頂!

てな感じで、普段あまり来ることのない道東の山をお客様と一緒になって楽しんできました。

下山後、清里から眺める斜里岳の姿がまた素敵でした。なだらかに広がる山裾が、秋を思わせる青空と防風林に飾られる畑をくっきりと切り分けるよう。

きっと夕景もきれいなのでしょう。このままずっと日の入りまで見ていたい気分にもなりますが、この後は旭川までの長距離ドライブが待っています。後ろ髪引かれる思いで山を背にしました。

2007-08-18

道東の夕焼け


斜里岳の中腹、清岳荘のテラスから見た夕焼け。海は雲に隠れていて見えなかったけれど、この空はオホーツクの海に広がっています。はるばる来たぜ道東。

明日は斜里岳に登る日。最近雨に降られ続けているけれど・・・好天に恵まれますように!

2007-08-17

ミヤマとリシリの違いは?

とあるお客様から、ミヤマリンドウとリシリリンドウの違いがよくわからないので写真で解説して欲しい、というご要望をいただきました。最近映した写真を探ってみると、ちょうど良いものがありました。百聞は一見にしかず。まあ、まずはご覧ください。


ミヤマリンドウ



リシリリンドウ


ぱっと見て気がつくのは「色の濃さ」でしょう。ミヤマリンドウは薄紫でリシリリンドウはより濃い色をしています。

さらによくよく見ると、ミヤマリンドウでは真ん中の白い部分(めしべ・おしべ)が目立っているのに、リシリリンドウではそれが隠れています。ミヤマリンドウもリシリリンドウも一枚の花びらに切れ込みが入り大5枚+小数枚に分かれるのですが、ミヤマリンドウは大小10枚全部が開き、リシリリンドウは大きい5枚だけが開き残りの小さい方は閉じているのがその理由です。

実際に見比べると、リシリリンドウの方が若干大きめなのも違いの一つ。

咲いている場所も、ミヤマリンドウは結構どこにでもありますが、リシリリンドウは表大雪だと赤岳~白雲岳~五色岳くらいでしか目にしません。

ミヤマリンドウもリシリリンドウも花期は長いのでまだもう少しお花を楽しめます。ぜひ山に行って両方を見比べてみてください。

2007-08-16

孤高の人

トムラウシ縦走の時に、お客様が撮ってくださった一枚の写真。ヒサゴ沼を見下ろす男の背中。

絵になってます。まさに「孤高の人」という感じ。背中で人生を語っているような。

これはきっとモデルが良いのではなく撮影者の腕が良いのです。お写真をいただき、ありがとうございました。

一転してとても寒い幌尻岳2日目

昨日の好天はどこへやら。朝からの小雨模様。雨具を着込んで出発します。最近雨具の出番が多いなあ。

ずぅーっと雨とガスの中を登っていきます。前線の通過に伴い、ぐっと気温が下がったこの日。雨に濡れ、風に吹かれると寒いくらいです。昨日の暑さがちょっとだけ恋しくなったりして。

何も見えないまま山頂着。少しだけ休憩をして逃げるように下山にかかります。だって寒いんですもの。もう本当に山頂に着いただけという感じ。

帰りも雨とガスの中。標高を下げると少しだけ暖かくなります。風もなくなりますし。

幌尻山荘まで下山して、これまたすぐに出発。川を渡っても昨日のように気持ちよさを感じられません。

気温が低い中、雨で濡れ川で濡れ。帰りの車では暖房を入れちゃいました。

2007-08-15

とても暑い幌尻岳1日目

北海道の至る所で観測史上最高気温を更新したこの日。朝も9時ころになるとふりそそぐ陽光でうだるような暑さに。こんな日は水に浸かるのが一番と、幌尻岳の下見に行ってきました。

賑わう登山口。林道ゲート前の駐車場。たくさん入山していますね。さあ、川!川!

といっても最初の2時間ほどは長ーい林道歩きが待っています。暑いし単調だし、もうイヤ!というころ取水ダムに到着。ここからようやく沢の中を歩けるのです。

川の中の気持ちいいこと!きらきら光る水面に見とれながら、ときおり水に浸りながら、ゆっくりと上流を目指します。水量は少なめ、大部分でスネ程度。ペンキやテープの指示に従うと、渡渉は計23回。

取水ダムから1時間半、幌尻山荘に到着です。清潔に管理された良い小屋です。要予約。平日ながらたくさんの登山者で賑わっていて、寝床には前後左右隙間がありません。寝返りもうてないほど。食事も外でしなければならないんですね。

幌尻山荘の標高は1000m。ここまで来るといかに暑い日といえ、さわやかで過ごしやすくなります。寝苦しくない夜を堪能して、明日の行動に備えましょう。

2007-08-14

下界の暑さ

4日間の縦走から帰ってきて、さて事務仕事でもとPCの前に座りましたが、すぐに断念。だって、暑すぎるんです!最高気温34.2℃なんて、しばらく山の上で風に吹かれていた身には辛すぎます。はぁ、山が恋しい。

旭川は今日も暑さが続くとか・・・。朝の涼しいうちに仕事を片づけることにします。夏休みの子供ですね、まるで。

2007-08-09

狐視眈々

登山道で出会ったキツネ。近づく私たちを気にすることもなく、何かに集中しているようです。その視線の先、木々の中には・・・鳥の声。そう、どうやらその鳥を狙っているようなのです。若干身をかがめ、獲物に飛びかかろうかという姿は、一般にイメージされる可愛いキツネのそれではありません。肉食獣の風格すら漂わせています。

結局、藪の中の鳥は飛び去り、キツネは餌にありつくことはできませんでした。キツネは「じろじろ見やがって」とでもいいたげな目で私たちを一瞥し、あくびをしながらすぐ脇を通り抜けていきました。

2007-08-08

クモイリンドウの艶姿

毎年8月のこの時季に行う小泉岳へのツアー。目的は、そうクモイリンドウを見に行くこと。今年も見事にお姿を拝むことができました。

濃きも

薄きも

どことなく和風な雰囲気をまとうクモイリンドウ。つぼみの時は先端全体に色が着いていて、花開くと絞り模様のようになるのが不思議美しいところです。

この時季このあたりだけで見られるこの花。今年も会えてよかった。

2007-08-07

過去へ遡れ

7月9日以降今日までの間の分が、過去に遡ってチマチマと更新されています。今日は思い出したように8月2日分を公開しました。7月分も書きたいことがたくさんあるのでいずれ更新するはずです・・・たぶん。

2007-08-06

とある稜線

知る人ぞ知るあの縦走路の下見をしてきました。

ややわかりづらい分岐から、ハイマツをくぐってトラバースして。特徴的な稜線が目の前に。あんな岩ごつごつで細いところを安全に歩けるものかなーと思えますが。

でも、実際には露出した岩場を歩くことはあまりなく、ハイマツ漕ぎと笹漕ぎがほとんど。斜面の傾斜はあるものの、腰くらいまでハイマツに覆われているので視覚的な恐怖感はありません。注意して上り下りすべき岩場は2カ所。それもロープを出すほどではないでしょう。歩く方向によっては迷いやすいところが2カ所ありましたが、登山道はほぼ稜線上にありますので、意識して探すとすぐにわかるでしょう。ところどころに赤や黄色のテープも巻いてあります。

核心部の岩場から表大雪の山並み。歩き始めは霧雨でしたが、思った以上に天気が回復してくれました。

反対側の分岐からたどってきた稜線を振り返って。分岐から分岐まで所要1時間。手足を駆使する楽しい縦走路でした。

初めて見る花

この時期毎日のように山に登り、花を見る機会も多いのですが、それでもまだ図鑑でしか目にしたことのないものもあったりします。そんな花に出会うことができました。

その1。ハイマツ帯直下の岩場で見つけたダイモンジソウ。

いや、たぶんそんなに珍しい花ではないと思うのです。でも初めて見る花との出会いはどんなものでもちょっとした感激があります。おお、これが噂に聞く“大”の字の花びらか!顔を近づけてしげしげ眺め回してしまいました。

その2。樹林帯の下草の中にアリドオシラン。

図鑑を見ると、「山麓~山腹の樹林内に広く分布」とあるものの、これもまた初めて。小さくて可愛いやつです。

次に会えるのはどんな花かな?

2007-08-03

台風がやってくる

週末にかけて北海道を横断するらしい台風5号。そのため、今日・明日・明後日と行うはずだったトムラウシ縦走を中止せざるを得ませんでした。残念。

まあ、無理して催行しても危険なだけですし、せっかくですからたまには体を労ることにしましょう。

2007-08-02

道に迷って

職業柄、車に乗る機会が多いので、だんだん飽きてくるわけです。同じ道ばかり走ることに。ですからたまに冒険してみたくなります。この細い道を曲がったらどこに出るのだろう・・・とか、この道はまだ走ったことがないぞ・・・とか。で、時間に余裕があったりすると思わず曲がっちゃうわけです。えいやっと。

結果、うまいこと近道になる場合も(希には)ありますし、近いような大して変わらないような微妙な場合も(よく)ありますし、むしろ遠回りになってしまうことも(かなり)あります。

でも、道に迷って現在位置がわからなくなり終いに道が行き止まりになるというのは初めてのことでした。昨日沼ノ原山の帰りのことです。

ちょうど夕方で通行量が増え国道が混み出す時間帯。美瑛の町を通らずに帰ろうと思い立ち、丘陵地帯を抜けることにしました。畑の中に細い道が張り巡らされていて、うまく選べば旭川に抜けられるはずなのですが・・・。道はだんだん細くなり、右に左におおきく曲がり、時にはT字路、おまけに丘の傾斜に沿って登ったり下ったり。ついには自分の向いている方角がわからなくなってしまいました!方向感覚には自信を持っているだけに、これは焦ります。挙げ句の果てに行き止まり。なんてこった。

そんな時、ふと顔を上げてみると、そこは丘陵地帯のてっぺんあたり。すぐ近くに山景色が広がっていました。
十勝連峰から旭岳までが遮るものなく丘の上にずっと続いています。この距離でこの角度の大雪山はあまり見ません。太陽が暮れかける時刻、急いで写真を撮ります。

道に迷ったおかげで、新しいお気に入りの場所を見つけることができました。これだから適当な道を走るのはやめられない!?

2007-08-01

沼ノ原山

ヌプントムラウシ温泉側からは初めての沼ノ原。ついでに沼ノ原山にも登ってきました。

新得町からトムラウシ温泉に向かい、途中で道を分け林道へ。上り下りの末たどりつくヌプントムラウシ温泉は河原の真ん中に。“野趣”という言葉がぴったりの露天風呂ですね。平日でしたが3組ほど利用者がいたようです。

現在、ヌプントムラウシ温泉から先は車両通行止めなので、15分ほど歩く必要があります。登山口からしばらくは登山道という感じではありません。川を遡ぼるというほうが近いでしょう。増水時は歩けるのかな?

流れが細くなったあたりで尾根に取り付き、ぐいぐいっと登りきると平らな台地が沼ノ原の端。石狩岳へ向かう分岐はワタスゲの湿地のただ中。

ここから20分ほど歩いて大沼へ。干上がりかけの沼のほとりでお弁当。帰りがけせっかくなので沼ノ原山に立ち寄ることにしました。 地形図には登山道の表記はありませんが、分岐となる場所にはピンクテープがあり、踏み後もわりあいはっきりしていました。

藪漕ぎを経て山頂。さすがの二等三角点。360度の展望が楽しめます。写真はトムラウシ方向。晴れていれば、さぞや。

沼ノ原山だけの往復ならゆっくり登っても4~5時間といったところ。秋に行くと気持ちよく登れそうです。来年あたりプログラムに組んでみたいですね。