2008-06-19

初ギンザンマシコ

6月17日、天塩岳からの下りのハイマツ帯で、今年初となるギンザンマシコにお目にかかることができました。ハイマツのトンネルを通っているときに、脇から飛んできてすぐ前の枝に止まったのです。ほら。

あれ? いない?カメラを取り出してファインダーを覗く直前まですぐそこに止まっていたのですが・・・

拡大してよく見ると、やっぱりいました。なんとなくわかりますよね?枝の向こうの赤いヤツ。ギンザンマシコのオスでした。一緒にいたお客様はギンザンマシコを初めて見た、とのことで大変お喜びです。思っていたより大きいと感想をおっしゃっていました。

上の写真だけではあまりにヒドいので、今年2番目のギンザンマシコ写真をどうぞ。6月19日化雲岳直下のハイマツ帯で出会ったオス。オリーブ色した雌とつがいで登山道の上にいましたが、私が近づいていくと、まずメスを逃がして、その後見通しの良いところで見張りを始めました。

これからの高山帯では比較的目にしやすいギンザンマシコです。

2008-06-17

天塩岳の花

天塩岳で出会った花々。キバナシャクナゲが最盛期を過ぎ、高山帯はやや寂しい感じでしたが、樹林帯のお花はいろいろ咲いていました。

登山口付近ではツボスミレが群生しています。すぐ足下に咲いていますが、小さい花なのでつい通り過ぎてしまいがち。でも、しゃがみ込んで目線を低くすれば、こんなに美人さんなんです。

ツボスミレよりさらに目立たない花をつけるのは、ミネカエデ。秋には艶やかな紅葉で主役となるミネカエデも花期に注目されることは稀です。よくよく近寄ってみると面白い花ですよ。

続いては派手目の花。今年初確認となるウコンウツギです。蕾から開いたばかりの瑞々しい花は、これから7月までが見頃になりそうです。


北海道では珍しくもありませんが、エンレイソウとオオバナノエンレイソウ。黒と白を一緒にどうぞ。エンレイソウもそろそろ終わる時季かもしれません。

雛鳥の受難

樹林帯でよく目にするエゾライチョウ。本州のライチョウより一回り小さく、夏冬で換毛しないのが特徴です。いまちょうど子育ての時季のようで、小さな雛鳥を5~6羽連れて歩いている姿をよく目にします。

人間が近づくと、親鳥が人間の目を惹きつけている間に、雛たちは一斉にピヨピヨ小さな羽をばたつかせて飛んでいきます。見事な連係プレーです。でも、それがうまくいかないと・・・

たった一羽逃げ遅れてしまった雛鳥が、手を伸ばせば届く距離の枝先でプルプル震えています。地面から水平方向に飛んでいけば逃げられたものを、垂直方向に飛んでしまったものだから、もうまさに顔の高さになるわけです。時折、身を隠すかのように首をすくめる仕草が胸を打ちます。

一方、親鳥は何をしているかというと・・・。やや離れた木の枝に止まって思案顔。ジッとこちらを睨んでみたりするものの、枝の上をウロウロするだけで何をすればよいかわからない様子。焦る気持ちはよくわかりますが、イジワルして敢えて立ち去らず、この親子がどうするのか観察することにしました。この状況を打開するのに、ライチョウ親子はどうするのでしょう。

はたして。2~3分経ったころ、不意に雛鳥が親鳥の方向に飛び立っていきました。ぴよぴよぴよ。さっきまであんなに震えていたのに、きっとありったけの力を振り絞って行ったに違いありません。親鳥が助けてくれない以上、自分の力で生き延びていかなければならないと、身をもって知ったことでしょう。本当の天敵に襲われた際には、ぜひ今回の経験を活かして欲しいものです。

2008-06-13

東大雪のお花さん

石狩岳・ニペソツ山では今年初めて見たお花も含めて、いろいろ咲きそろっていました。じゃんじゃん紹介しちゃいましょう。

マルバネコノメソウ・・・と思いますが、自信はありません。あまり目立ちませんが、小さくて可愛い花です。ネコノメソウの同定についてはこちらが詳しいです。

これも小さいお花。ミツバオウレン。山地の樹林帯に咲く代表的な花と言えるかもしれません。 白い花びらに見えるのが萼片だと知ったときには驚いたものです。真ん中にある小さな黄色が本当の花びらなのです。

石狩岳~音更山の高山帯ではキバナシャクナゲが今を盛りと咲きそろっています。

雪融け直後、登山者の多くない時季に早々と咲くウラシマツツジ。小さな小さな花もよくよく見れば可愛いもの。花の下の地面には昨秋の紅葉した葉がたまっています。

残雪期定番の花、ミネズオウ。これまた小さな花ですが、ピンクの星形がみっしり集まって咲くのは遠目にもよく目立ちます。

コメバツガザクラも今が旬。

音更山周辺の岩場ではミヤマキンバイの群落がありました。

二日通して咲いていたのはこれ一つだけ!咲き初めのエゾノツガザクラ。蕾はたくさん見かけましたから、これから一気に咲きそろってくるでしょう。

石狩岳直下とニペソツ山直下で咲いていたエゾコザクラ。この花の群落が見られるようになると、高山植物の季節到来、という気がします。

ニペソツ山で見たツクモグサ。萼片はまだ開ききっていませんでした。もう数日で見頃になるでしょうか。クリーム色の中にわずかに青みがかった色合いに風情を感じます。

大雪山の高山帯でも色々なお花が咲き出してきました。そろそろ夏山シーズンの始まりです。

2008-06-12

カミナリ一過、快晴のニペソツ山

石狩岳登山口で車中泊をして翌朝。4時少し前に目を覚ますと、頭上には雲一つ無い真っ青な空が広がっていました。 絶好の登山日和です。ニペソツ山の登山口へ急げ!

朝食・移動・準備でなにやかにやと時間を食い、歩き出したのは5時40分になっていました。せっかく登山口に泊まったのに少しもったいない気もします。

長い長い樹林帯の登りはちょっとした岩場まで。岩場を越えると一気に視界が開けて、この景色!なんという青空!これだけで充分貫禄を備える前天狗です。

コース中唯一雪の残る天狗のコルを越え、前天狗へ登る途中。振り返ると小天狗。その奥に昨日歩いた石狩岳~音更山の稜線。 昨日歩いたコースを眺められるというのはいいものです。

昨日とはうって変わって青空バックのトムラウシ。周囲にたくさんの山が見えますが、やはり一番目が行くのはこの山。特別な魅力を持った山です。

ナキウサギ賑やかな前天狗の岩場。ゆるやかに波打つ岩れき帯は独特の景観を呈しています。そして、この岩場を登りきると・・・

ニペソツ山!ここまで来て初めて見える山頂。ここまで来ないと見ることができない山頂。何度来ても、前天狗に出る直前のわくわく感と、出た直後のどきどき感はたまりません。

今まで隠れていた十勝連峰も見渡せるようになります。この段階でほとんど360度の展望が得られるのですから、前天狗は所要時間的にも展望的にも登山対象となる独立した山と言ってもいいでしょう。

そこからさらにもう一つ別の山に登るかの如く、遠く聳えるニペソツ山。この山が如何に奥深い山であるかがよくわかります。

天狗岳から下る途中のニペソツ山。よく使われる構図ですが、それも納得のこの山容。重量感があって、それでいて高度感もあって、しかも端正で。なんならここで引き返してもいいほどの満足感が得られます。

いったん下ってからの登り返しは、最後に待っていた最大の急登。でも見た目から考えるほどの時間はかかりません。

山頂近くから振り返ると、天狗岳・天狗平・前天狗がどっしりとそこにあります。この連なりを歩いてきたのかと思うと感慨無量です。

ニペソツ山山頂に到着。まだ8時50分。下界の基準だとまだ朝が始まったばかりのこの時刻に、既に山頂にいるというのは、何とも言えない素敵な気分です。

山頂からの景色はこちら↓の動画でどうぞ。

2008-06-11

石狩岳-音更山周遊コースに雷鳴が轟く

月末にツアーで登る石狩岳の下見に行ってきました。せっかくなので単純に往復するのではなく、石狩岳から音更山までぐるっと周遊することにしました。

登り始めは8時30分。まずはシュナイダーコースを利用して石狩岳山頂を目指します。時折ポツポツ降る雨に雨具を着ようか悩みながらも、名物の急登を両手を使ってぐいぐい登ります。

傾斜が緩くなったかと思うと音更山に続く稜線に飛び出し、その瞬間間近に迫る石狩岳。劇的な石狩岳との出会いは、シュナイダーコース最大の見せ場とも言えるでしょう。さっきまで山頂を覆っていた雲は素晴らしいタイミングでどけてくれました。青空までのぞいています。

どんどん見えてくる山景色に気をよくして、一気に石狩岳山頂着。やはり雲がちではありますが、十分に遠望が効きます。向かいの表大雪が見事。

山頂標識が置かれているのは地形図の標高点1966m。すぐそこに見える同1967mまでは10分弱の道のりですから、ついでに行ってきます。

ほんの少し場所を変えただけで、これだけ景色が変わります。川上岳・ニペの耳・ニペソツ山がグンと近づきました。ぽかぽか太陽も照ってきたのでここでお昼休憩。

沼ノ原越しにトムラウシも良く見えます。今日は佐久間担当の沼ノ原ツアーが行われていて、今ちょうど沼ノ原のあたりにいる時刻でしょう。こっち見てるかな?おーい!

お昼ご飯を食べたら、ここからが今日の本番。音更山へと縦走路を繋ぎます。この稜線をずっと歩いていくのです。以前歩いたときには霧雨で全く景色が見えなかったので、今日は楽しみです。

石狩岳からの下りと音更山への登りがありますが、その間はほとんど平坦な稜線です。たまりません。左右が切れ落ちているので景色も抜群です。音更山直下から振り返って石狩岳。

音更山に登り返しているあたりから、どうも雲行きが怪しくなりカミナリに巻かれることが予想されました。といっても音更山近辺は身を隠す場所も逃げる場所もない高山帯です。ここでカミナリに鳴られると大変危険です。唯一、相対的に安全といえるのは、はるか眼下のコル。この長い縦走路の中で、あそこだけわずかに樹林帯になっています。

写真も撮らずに走るように下っている途中、ついにポツポツ降り出しました。すでにカミナリ雲の中に入ってしまったようです。急げ急げ。登山道がダケカンバに覆われているのはほんの短い区間だけ。10m程度です。息せき切ってそこに飛び込み、強まる雨脚にさらされながら雨具を着こみ、地面に座り込んで身を低くします。途端、かなり近くでゴロゴロゴロとイヤな音が聞こえました。瞬間的にあたりが明るくなります。稲光です。1秒・2秒・・・9秒。まだそんなに近くない。光と音の時間差を計測しながら小一時間。カミナリが落ち着くまでじっとしていました。一番近かったのは、光ってから鳴るまで2秒。生きた心地がしないとはこのことです。

びゅーっと冷たい強風が何度か吹くと、雨は上がりカミナリも鳴りやんでくれたようです。 カミナリ一過、抜けるような青空が再び現れました。十勝三股の向こうにクマネシリの山々がすっきりと見えます。ああ、生きてるって素晴らしい。

十石峠付近からのニペソツ山。今日はこのまま登山口で車中泊し、明日ニペソツに登る予定です。明日の天気はどうなるかな?

十石峠から十勝方面への下りは初めて歩くコースです。ダケカンバの疎林、苔むした林床と、最初のうちは快適と言えますが、後半は延々これでもかというくらいの笹藪漕ぎ。反対側のコースはあんなに素敵なのに・・・。

最後は林道歩きで締め。歩きごたえのある周遊コースでした。

2008-06-09

手術

早朝、右手がむず痛がゆく感じました。何気なく目をやると、そこにはなにやら黒い粒。こんなところにカサブタなんてあったかな?徐々に目の焦点が合っていき、細部まで見えるようになり、するとその黒い粒には足があって・・・。え、足?

って、これ「ダニ」じゃないですかー!

肘の裏側の柔らかい部分に頭をめり込ませ、私の大切な血を吸ってどす黒く膨張したお腹から数対の足が出ています。昨日笹を漕いだときに付いたのでしょうか・・・。

さて、このがっちり食い込んだダニをどうするか。人によってはピンセットを使って自分で取ってしまうとも聞きますが、生来不器用でしかもきき腕に食いつかれている状況では、そんなチャレンジをする気にはなりません。失敗すれば、口の部分だけが残り炎症が起こる危険があるとか、まかり間違ってダニの体を潰してしまうと体液が逆流して感染症の危険があるとか、なんとかかんとか。

おとなしく朝一番で皮膚科に行きました。お医者さんはダニを見るなり深刻な顔をして、「手術です。肉ごとダニをえぐり出します」。手術!えぐり出す!!言葉だけ聞くとものすごいことをされそうな感じです。ベッドに横になって腕を伸ばし、麻酔を打って消毒して、彫刻刀の丸刃を二枚向かい合わせたような道具で、ぐりぐりぐり。くりぬかれた傷口は、開かないように二針ほど縫います。最後に、取ったダニを見せてもらい、診察室を後にしました。

今までダニに食われたことがなかったので知りませんでしたが、結構大事になるものなんですね。これから低山や薮漕ぎするときには気をつけることにします。病院での処置自体は短時間で済んでも、その前後の待ち時間やらで確実に半日潰れてしまいますから・・・。