2005-04-04

おめでとう、おめでとう

すっかり忘れていましたが、今日誕生日だったんです。30才になるまでは毎年がカウントダウンのようで、妙に意識していました。特に29から30になる時には訳もなくどきどきしたものです。でもおかしなもので、いざ過ぎてしまうとどうということないのですよね。逆に、年齢というものにすっかり無関心になってしまい、誕生日も忘れそうになる始末です。

誕生日といえば思い出すのが2年前。30を迎える時の話です。20代最後の1年は自分の年齢についていろいろと自省する年でした。こんな自分が本当に30才になってしまっていいのだろうか?30才というのはもっと人間として成熟しているべきではないのだろうか?そんなことを考えていました。当時の私にとって、30という数字はひとつの区切りであって、何かの象徴のようなものだったのでしょう。その時私はちょうどニュージーランドに行っており、誕生日をはさんで前後5日間山歩きをしていました。ほとんど人と会わない辺鄙なコースで、毎日簡素な山小屋でたった一人で夜を明かしていました。そして、当然のように誕生日の前日泊まった小屋でも一人きり。電気などきていませんから、照明といえばロウソクだけ。ゆらめく灯りを眺めながら、異国で、山奥深くで、たった一人で、来し方行く末を沈思黙考しながら日付が変わる瞬間を迎えました。幻想的で哲学的で孤独で。特別な意味を持った誕生日でした。

またいつの日かそんな誕生日を過ごしたいものです。

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