2008-12-16

四国山行9日目 石鎚山-笹ヶ峰縦走3

11月28日(金) 曇り時々雪


昨日の昼過ぎ、天気予報通りに降り出した雪は、夜には雨に変わりました。テントを片づけるにせよ雨具を着て歩くにせよ、雨よりははるかに雪の方が好ましいのになあ、と夢うつつに考えていたら、朝には再び雪になっていました。

湿った雪がテントを覆い、フライシートの裾は雪に埋もれています。しかもバリバリに凍りついていて、収納するのに骨が折れそうです。それにしても今回の四国山行は随分と雪に縁があること!

お天気は大変悪いです。基本曇り空で雲底は低く、ほとんどガスとなって山を覆っています。雲の動きが速いので、一つの雲が行きすぎればチラッと太陽が見えたり景色が見えたりするのですが、すぐに次の雲がやってきて視界を遮ったり雪を降らせたりします。再び瓶ヶ森山頂に立ったときには海岸線と街並みが見えました。伊予西条になるのかな?

束の間の晴れに行く手が見えて。正面は西黒森。奥の右手が伊予富士、奥左手が笹ヶ峰。西黒森の山腹についた白い筋が車道です。ごらんの通りほぼ水平に走る車道に沿って、一つ山を登っては下り、下った一番低いところで車道に接し、また登って下って車道・・・今日はそれを繰り返して進んでいきます。特に激しく雪が降っているときなどは、車道に出るたびに「楽してこっちを歩こうか」なんて思ってしまいます。

だって車道ですらこんなに景色がよいのです。 というかむしろ木に邪魔されない分、車道からのほうがなにかとよく見える気さえします。

瓶ヶ森を下り、西黒森を登って下り、ジネンゴノ頭を登って下り、そして次に待ち受けるのは東黒森と伊予富士。これまた登り甲斐のありそうな・・・

東黒森を越え、近づいた伊予富士。立派な山です。

伊予富士山頂ではガスに囲まれ、残念ながら景色は見えず。わずかにこれから下っていく先が見えているのみ。せっかくここまで登ったのに、急転直下で標高を下げないとならないなんて。もったいない。

今日は笹ヶ峰まで行く予定でしたが、あまりお天気がよくないので行程短縮。桑瀬峠の雪の上にテントを張らせてもらうことにしました。笹ヶ峰も私の好みの山っぽいので、できれば晴れたときに歩きたいのです。桑瀬峠手前から振り返ると、伊予富士がガスから抜け出していました。

昨日に続きまたしても行動時間の短かった今日。結局、1日で歩ける距離を2日に分けたことになります。お天気が良くないからしょうがないのですが・・・。明日こそ晴れて欲しいものです。

今日の行程
瓶ヶ森キャンプ場-伊予富士-桑瀬峠
所要時間:5h16
歩行距離:10.4km
累積標高:+953m/-1226m

2008-12-15

四国山行8日目 石鎚山-笹ヶ峰縦走2

11月27日(木) 晴れのち曇り


昨日聞いた天気予報では「午後から崩れる」とはっきり言っていたので、今日は午前中に歩き終える短い行程としました。目指すは瓶ヶ森。ここからなら往復したって午後にはならないでしょう。そんな短い距離です。

小屋を出て歩き出すと、すぐに石鎚山が見えました。昨日のガスは消え、すっきりときれいに見えます。本当にこれからお天気が悪くなるのか、ちょっと信じがたいくらいの景色です。

で、あっという間に目的地瓶ヶ森のキャンプ地に到着。ほんの1時間30分の行程でした。こんなに短いのは普通ないですよね。私も初めてです。でもまあいいのです。瓶ヶ森周辺は氷見二千石原と呼ばれる広く平らな一帯となっているというので、高くて平らな山好きとしてはここでゆっくり時間を過ごすのは願ったり叶ったりなのです。キャンプ地だってご覧の通り。背の低いササが密生して独特の景観をなしています。

テントを張ってちょっと休憩したら、まだ天気が持っているうちに辺りを歩きまわっておきましょう。瓶ヶ森山頂に向かって登っていって、振り返れば石鎚山。手前が氷見二千石原。

瓶ヶ森山頂、いわゆる女山からの景色。明日歩いていく方向です。まだ山景色は見えていますが、さすがに空模様が怪しくなってきました。正面の西黒森に雪雲のようなものがかかっています。

次いで男山を目指し、ぐるっとまわってテントに帰ることにします。降り出さないうちに早く早く。

ついさっきまで、あんなにどんより雲がたれ込めていたのに、突然青空が見えてきたりして、どうにも不安定な感じです。氷見二千石原のまっただ中は、平らで高くて見晴らしがよくて、散歩には最適です。

お散歩終了、テント着。それでもまだお昼前。近くの沢で水も補充できましたし、では心おきなくゴロゴロしましょう。読みかけの文庫本はまだ2冊あります。お湯を沸かしてコーヒー淹れて。至福の午後の始まりです。

今日の行程
シラサ峠避難小屋-瓶ヶ森キャンプ場
所要時間:3h27
歩行距離:7.4km
累積標高:+779m/-445m

2008-12-14

四国山行7日目 石鎚山-笹ヶ峰縦走1

11月26日(水) 快晴のちガス


伊予西条7時43分発のバスに乗って1時間弱、まだ陽が射さない冷たい空気の中、石鎚ロープウェイ前なる停留所に降り立ちました。山間の小さな集落という感じで風情がある町並みですね・・・って、「ロープウェイ前」で降りたはずなのに、周囲を見回してもそれらしき建物がありません。まさか降りる場所間違えた?・・・はずはないのですが。

ちょうど通りかかった地元の方に訪ねると、建物と建物の間の路地風の狭い階段を登らなくてはならないとのこと。ロープウェイと言えば広い駐車場がタクシーや観光バスで賑わっていると思っていたので、まさか路地に入るとは思いも寄りませんでした。しかもすごく狭い。あぶなく車道を行ったり来たり探し回るはめになるところでした。

駅舎自体も賑やかさとは無縁で、もう9時になるというのにロープウェイに乗ったのは私一人。山頂駅で降りても一人。売店の人も後に引っ込んでいて人の気配がまるでしません。人工物に囲まれた中で一人きりというのはなぜか無性に心寂しくなるものです。もしかして、石槌山はとっくにシーズンオフに入っているのでしょうか。

しばらく林道風の道を歩き、その間は一人きりだとしてもいつも通りなので特に何も感じず、でもまたこんな建物が出てくると孤独が身に沁みたりします。山頂駅から20分ほどで成就到着です。 神社があったり旅館があったりお土産物屋があったりと、ちょっとした町になっています。ほとんどシャッターが下ろされているので裏寂しい感じはしますが、夏などは賑わうのでしょう。ロープウェイを降りて歩いたその先にこんな町があるなんて、道産子的常識からは考えられないことです。異文化異文化。

成就からはこの立派な門をくぐって再び登山道が続いていきます。こういうのを見ると、もともとが信仰の山であって、レクリエーションとしての登山は新参者なのだと感じさせられます。この先の木立の道にも鳥居が立っていますし、登るに連れて自然と厳かな気分になったりして。

鳥居を越えると次第に急登となります。今回はいつになく荷が重いため、歩みもゆっくりゆっくりと。4泊分+αの食料はそれだけでずっしりとしていますし、しかも水場が枯れている可能性を考慮して飲み水を2リットル余分に持っています。だから重い。たしかに重い。でも、これが旅している実感ともなるし、楽しさ・自由さの象徴ともなっているのです。体がきつければきついだけ心は軽やかになるのですからおかしなものです。

いったん登りを終え道が平らになったとき、急に視界が開けて目の前に現れたのはそそり立つ峰。うっすらと雪をまとった石鎚山でした。思わず息を飲み、次いで声が出る。これは・・・キレイだ・・・。

急傾斜でそそり立つ壁を白い樹氷が飾り、しかも背後から陽光を浴びてチラチラと輝くのです。見とれては写真を撮り、撮ってはまた見とれ。なかなか足が先に進みません。

そこから一登りで二の鎖小屋の分岐に到着します。ここで重たいザックを下ろし、サブザックに持ち替えて山頂を往復してきます。このあたりから登山道上が完全に雪に覆われるようになりました。

さきほど下から見上げた氷の木々は間近にするとこの通り。逆光の陽を透かして、柔らかく発光しているかのようです。何度でも言いますが、今は11月です。ここは四国です。

二の鎖小屋から上は名物の鎖が連続して現れます。ま、岩が凍っていたので登らなかったんですけど。鎖を使わない場合は階段の迂回路を。ここまできたら山頂はもうすぐ。

ここまでの登路はずっと北斜面。雪がびっしり着いていて若干危ない箇所もありました。でも山頂付近で南斜面に出ると、日だまりとなっているそこにはほとんど雪はありませんでした。むしろぽかぽか暖かそうなほど。山頂の一番高いところを占める石鎚神社では信者の方々がなにやらお参りをしていました。

二の鎖小屋までは一人きりで静かに寂しく登ってきましたが、その分岐から突然他の登山者と出会うようになり、ここ山頂ではざっと10人くらいが休憩していました。どうもロープウェイを使って登ってくるコースはあまり人気がないようです。二の鎖小屋の分岐から先、私がこれから歩いていく土小屋方向から登ってくるのが一般的ということなのでしょう。

山頂からの風景。最高点はここからもう少し先、あのそそり立っている天狗岳です。岩を伝ってあそこまで行くことはできるようですが、今回は見るだけで満足。だって凍っていて怖いでしょう?

山頂からの風景その2。天狗岳から90度左を向けば瓶ヶ森。その奥には笹ヶ峰。綿雲を被っているようです。予定では、明日瓶ヶ森まで、明後日笹ヶ峰まで移動することになっています。なかなか大きな山塊で、まだまだはるかな道程です。

ザックを置いた分岐まで戻り、再び重荷を背負って土小屋に向かいます。そそり立つ石鎚山の北壁をトラバース。これで今日はもうほとんど登りがないはず。

ほとんど標高の変わらないトラバースと、その後のゆるゆる稜線歩きが終わると、そこは舗装路でした。建物もいくつも建っています。駐車場もあり、車が何台か駐まっています。石鎚山に登るには、確かにこちらからの方が断然楽でしょうね。ほとんど標高差がありませんから。

実は今日は目的地をはっきりと決めていませんでした。結構近い距離に泊まれる場所が複数あるので、まあどこでもいいわけです。候補としては、1)さっき通り過ぎた二の鎖小屋分岐付近にあるキャンプ場、2)ここ土小屋、3)もう少し先の避難小屋、の三つがあります。1)ではあまりに一日の行動が短すぎるので不採用。2)まで来てもまだまだ時間に余裕があるし、なにより今日は天気がいい!体調もいい!もっと歩きたい!と言うわけで3)のシラサ峠避難小屋まで足を伸ばすことにしました。

土小屋からシラサ峠までは、はっきり言ってあまり良い登山道とは言えません。なぜなら、車道が平行してつけられていて、そっちを歩く方がはるかに楽なのです。しかも登山道を歩いたからと言って特に景色がいいわけでもなく、なんら優位な点がありません。今回は初めてだから意地になって登山道を歩きましたが、もし次の機会があれば間違いなく車道を歩くでしょう。というか、こんな山の上に車道なんてつけるな!なのです。せっかく山の奥深さを楽しめるというのに、車がブーブー走っていては興ざめもいいところです。

なんてブツブツ言いながらやってきたシラサ峠避難小屋。さっきまでの快晴はどこへやら。すっかりガスに包まれてしまいました。

就寝直前に聞いた明日の天気予報は・・・午後から崩れる。やれやれ。

今日の行程
山頂成就駅-石鎚山-土小屋-シラサ峠避難小屋
所要時間:6h55
歩行距離:14.3km
累積標高:+1357m/-1246m

2008-12-13

四国山行6日目 伊予西条

11月25日(火) 晴れ


今日は阿波池田から伊予西条まで移動するだけの日。バスとJRを乗り継いで3時間弱ですから、まあ楽な部類です。山を下った後の後かたづけ(主に洗濯)と次の山への準備(主に食料の買い出し)は昨日全部終わらせてあります。朝方宿の予約も済ませたし、何一つ気にかけることなく移動を楽しみましょう。

バスの車窓からお遍路さんが歩いているのを見たり、あんぱんまん列車とすれ違ったり。四国ならではですな。

伊予西条は石鎚山の麓の町。駅前から石鎚ロープウェイ駅までのバスが出ているので、それを利用すべくやってきたわけです。どれが石鎚山かはわかりませんが、町中からも容易に山並みを見ることができます。

昼過ぎには到着したので、ぶらり散策をば。寡聞にして知りませんでしたが、西条は水の都として有名なのだそうで。町中いたるところに地下水の自噴井があり、おいしい水が豊かに湧き出していました。小さいものはこんなものから、

大きくなるとこんなものまで。奥に白く湧いているのがわかるでしょうか。あそこで湧いた水が池をつくり川となり流れ出しているのです。こういう自噴井を「うちぬき」と言うそうで、たくさんあるうちぬきやうちぬきから流れ出す川を巡る散歩道が整備されていました。 ゆっくり回っても2時間程度。お散歩にはちょうど良い長さです。

道中一番の見所は、この門。大きなお堀の中に建っていましたから、元はお大名のお屋敷でもあったのでしょう。驚かされたのは、現在この門の中に高校があり、高校生達がこの門を通り抜けて通学していること!堀があって門があってその中に学校・・・ここでもまた歴史が生活の中に息づいているではないですか。

こういうものを当たり前のこととして育った四国始め内地の人間と、私たち北海道の人間では、きっと日本史に対する感じ方・考え方が違っているのでしょうね。道産子にとっての日本史というものは他人の歴史に過ぎないのではないかなどと思ってしまったりもします。

明日から4泊の予定で石鎚山に入ります。瓶ヶ森・笹ヶ峰と伝って縦走です。しばらくまともな食事にありつけないから、今日はいいものたくさん食べておかなくちゃ。

2008-12-12

四国山行5日目 剣山-三嶺縦走3

11月24日(祝) 曇り一時雨


昨夕のあの爽やかな宵の空はいったいどこへ!?目を覚ますと避難小屋はどっぷりと深い霧に包まれていました。ラジオの天気予報によると、これから午後に向けてどんどん天候が悪化するようです。しかも雷に注意してくださいときました。

当初の予定では、今日はもう少し高山帯の稜線を歩いて天狗塚まで足を延ばし、そこから久保という集落に下山するはずでした。昨日、三嶺山頂から見た天狗塚へと続く稜線はなんとも魅力的だったものですが、どうもこの予報ではとっとと下山するのが良いようです。ガスと雨の中、無理して歩いても楽しくないというのもあります。

二つある下山路のうち、登山口の側に温泉のある方を選び、ぐんぐんぐんぐん下っていきます。高山帯はあっという間に終わり、すぐに広葉樹の林に変わります。フカフカの落ち葉とフワフワの雪。見ている分にはたいへん綺麗なものです。びっくりするほど滑るのが恐ろしいところですが。しかも急な下り坂ですから要注意。

植生はやがて針葉樹になり、パラパラと降る雨が当たらなくなった代わりに辺りは薄暗くなりました。スギなのやらヒノキなのやらはたまた他の何かなのやら、私にはさっぱりわかりませんが、真っ直ぐ延びた幹が立ち並び、その間に霧が入ってくるのは幻想的でいいものです。

遠くからガタンガタンとなにやら音がしています。発生源は林の向こうの赤いもの。「かの有名な」トロッコです。観光用に作られたこのトロッコ、連休などは朝から整理券が出て、その日のうちに乗れないこともあるほどの人気だとか。雨がそぼ降り、雪が地面を覆う今日ですら、結構乗っている人がいて驚かされます。乗っている人にとっては、こんなところ歩いている私に驚くのかもしれませんが。

トロッコが見えたら後はわずか。一気呵成に下山します。登山道は徐々に生活道に姿を変え、民家の裏手を通り抜けることに。北海道の場合、山を下ると林道に出てお終い、というのが一つのパターンで、生活の場と山というのは画然と分かたれているものです。ですから、こんな風に渾然一体、どこまでが登山道でどこまでが生活道なのかわからないというのは、新鮮な驚きがあります。

最後はちょっと道に迷いつつ温泉に出て、3日間の縦走はおしまい。予定を短縮したので、時刻はまだ9時30分。まあ、帰りのバスの本数がえらく少ないので、時間に余裕があるのはありがたいです。ゆっくりお風呂に入って、雨に濡れた体を温めるとしましょう。

今日の宿は再び阿波池田のユース。考えていたよりも早い便にのバスに乗れたので、途中下車してちょいと観光を。大歩危のあたりを歩くことにしました。ここは14年前にも同じように歩いたところ。あのころはまだ旅にも慣れていなくて、しかもまだ山にも興味がなくて。若かりし私は、この景色を見て何を思ったのでしょう。

今日の行程
三嶺避難小屋-癒しの湯
所要時間:2h06
歩行距離:5.5km
累積標高:+128m/-1178m

2008-12-11

四国山行4日目 剣山-三嶺縦走2

11月23日(日) 高曇りのち快晴


雪の上でのテント撤収は、たとえば雨の日や土の上などに比べて、濡れも汚れもないためはるかに簡単快適に行うことができます。日の出る前に食事を終え、テント内でパッキングをして、明るくなったらすぐにテントを片づけ、そして出発。

冷え込みはそう強くなかったようで、夜もよく眠れました。氷点下までは下がらなかったのではないでしょうか。それでも、昨日たくさんの登山者に踏みしめられたであろう雪道は、朝の冷気に硬く締まっています。

剣山山頂は昨日行ってあるので今日は立ち寄らず、まっすぐ次郎笈へ向かいます。途中、登山教室らしきグループと出会いました。山頂ヒュッテに宿泊し、朝一番で山頂を踏み次郎笈へ向かうところなのでしょう。私のザックを見て、ヒソヒソ、テントよ、ヒソヒソ、縦走ね、ヒソヒソ、重そうだわ、と囁きあっていました。 直接話しかけてくれれば応えの返しようもあるのですが、仲間内でヒソヒソされるとどう対応して良いものやら困ってしまいます。結局ニコニコと皆さんを見送るだけになってしまいました。

朝一番のまだ暖まっていない体には若干きつい次郎笈の登り。雪も堅めでキックステップでギリギリなんとかなるくらい。重い荷物を背負っていますからちょっと神経を使います。登りきって風の強い山頂から見返す剣山。こっちから見ると、左右に大きく裾を引いてどっしり構えて堂々としたものです。稜線にわずかに着いた雪がまた格好良い。

南に目をやると、ん?あの光っているのは、海?太平洋?こんな近くに見えるとは。

あまりの風の強さにじっくり景色を眺めるのは断念し、再び振り返って縦走路。正面奥が三嶺。白い雪を目で追えば、それがほぼ三嶺までの縦走路になる形です。今日中にあそこまでかあ。結構長いかも。

朝から高曇りで、景色は見えるもののどことなくどんよりとしていましたが、徐々に青空が広がってきて11時を過ぎるころにはすっかり快晴となりました。灌木に覆われた高ノ瀬山を越え、一瞬展望がひらけたとき見えたその山は。左に剣山、右に次郎笈と並んだ姿は、まるで双子のような鏡映しのような。

今日最も景色が良く、そしてゆるやかで、歩いていて楽しかったところ。一日ずっと尾根通しの縦走路とはいえ、少し標高が下ると樹林に囲まれるので、これだけすっきりと周囲を見せてくれる箇所はそう多くはないのです。しかも意外に登り下りがあり、同じ標高を保って水平に歩かせてくれる箇所もありません。そう言う意味では、今回の縦走のハイライトはまさにここ。

背の低い笹原は周りの景色の邪魔をせず、山々をそのまま見せてくれます。360度見渡す限り山並み。素敵な場所だなあ。どことなく大雪山風でもあり。ずっとここでぼぉーっとしていたい・・・。

その後も登り下りを何度か繰り返し、やってきたカヤハゲ。「ここから見る三嶺がいい」と何かに書いてありましたが、確かにその通り。間近にぐわーっとそそり立ち、重量感というか存在感というか、そういうものを感じます。そして同時に、まだこれを登るのか・・・と。ぶつぶつ言っても始まりません。あの青空に向かって登れ!

三嶺への登りが今日最後の登りで、これさえ終われば山頂直下の小屋でお休みできるというのに、その最後の登りがなかなか難物です。急登なんです。ときにはこんな鎖があるほど。空身ならどうということもない鎖場も、縦走装備だと一苦労。

でもそこを頑張れば、ほら。三嶺ですよ。明日歩く予定の稜線には白い雪。ほのかに夕焼け色に染まりつつあるようです。

はるかに遠くへ行ってしまった剣山。そこからすうっと続く稜線。今日歩いてきた峰々を一目で見られます。良く歩いた!

ここまでくれば小屋まではわずか。山頂直下の広いテラスの端に建つ三嶺避難小屋。隣には池(凍っていますが)。昨日のキャンプ場に続き、この小屋もまた、なんと立地に恵まれているのでしょう。

中も清潔で広くて明るくて、もうサイコー。しかもそこを独り占め。どこでも寝放題。いい夜になりそうです。

ただ一つの難点は、水が取れなかったこと。幸い小屋の周りは20~30cmの積雪があるので、雪には事欠きません。冬山方式で雪を溶かして水を作りました。・・・冬山登山に来たつもりはないんですけどね。

今日の行程
西島キャンプ場-次郎笈-高ノ瀬山-カヤハゲ-三嶺-三嶺避難小屋
所要時間:7h22
歩行距離:15.6km
累積標高:+1465m/-1314m