2008-12-12

四国山行5日目 剣山-三嶺縦走3

11月24日(祝) 曇り一時雨


昨夕のあの爽やかな宵の空はいったいどこへ!?目を覚ますと避難小屋はどっぷりと深い霧に包まれていました。ラジオの天気予報によると、これから午後に向けてどんどん天候が悪化するようです。しかも雷に注意してくださいときました。

当初の予定では、今日はもう少し高山帯の稜線を歩いて天狗塚まで足を延ばし、そこから久保という集落に下山するはずでした。昨日、三嶺山頂から見た天狗塚へと続く稜線はなんとも魅力的だったものですが、どうもこの予報ではとっとと下山するのが良いようです。ガスと雨の中、無理して歩いても楽しくないというのもあります。

二つある下山路のうち、登山口の側に温泉のある方を選び、ぐんぐんぐんぐん下っていきます。高山帯はあっという間に終わり、すぐに広葉樹の林に変わります。フカフカの落ち葉とフワフワの雪。見ている分にはたいへん綺麗なものです。びっくりするほど滑るのが恐ろしいところですが。しかも急な下り坂ですから要注意。

植生はやがて針葉樹になり、パラパラと降る雨が当たらなくなった代わりに辺りは薄暗くなりました。スギなのやらヒノキなのやらはたまた他の何かなのやら、私にはさっぱりわかりませんが、真っ直ぐ延びた幹が立ち並び、その間に霧が入ってくるのは幻想的でいいものです。

遠くからガタンガタンとなにやら音がしています。発生源は林の向こうの赤いもの。「かの有名な」トロッコです。観光用に作られたこのトロッコ、連休などは朝から整理券が出て、その日のうちに乗れないこともあるほどの人気だとか。雨がそぼ降り、雪が地面を覆う今日ですら、結構乗っている人がいて驚かされます。乗っている人にとっては、こんなところ歩いている私に驚くのかもしれませんが。

トロッコが見えたら後はわずか。一気呵成に下山します。登山道は徐々に生活道に姿を変え、民家の裏手を通り抜けることに。北海道の場合、山を下ると林道に出てお終い、というのが一つのパターンで、生活の場と山というのは画然と分かたれているものです。ですから、こんな風に渾然一体、どこまでが登山道でどこまでが生活道なのかわからないというのは、新鮮な驚きがあります。

最後はちょっと道に迷いつつ温泉に出て、3日間の縦走はおしまい。予定を短縮したので、時刻はまだ9時30分。まあ、帰りのバスの本数がえらく少ないので、時間に余裕があるのはありがたいです。ゆっくりお風呂に入って、雨に濡れた体を温めるとしましょう。

今日の宿は再び阿波池田のユース。考えていたよりも早い便にのバスに乗れたので、途中下車してちょいと観光を。大歩危のあたりを歩くことにしました。ここは14年前にも同じように歩いたところ。あのころはまだ旅にも慣れていなくて、しかもまだ山にも興味がなくて。若かりし私は、この景色を見て何を思ったのでしょう。

今日の行程
三嶺避難小屋-癒しの湯
所要時間:2h06
歩行距離:5.5km
累積標高:+128m/-1178m

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