みなさんご無沙汰しております。冬眠中?の山樂舍BEAR代表・佐久間です。おかげさまで2011年12月で私ども山樂舍BEARは設立10周年を迎えることが出来そうです。そこで、というわけではありませんが、これまでのように、山を楽しむ/山を考えるプログラムだけではなく、何らかのかたちで、登山を楽しむ人たちと、愛して止まない大雪山のために、すこしでもお役に立てるような、ちょっと毛並みの変わった企画を提案することになりました。
北海道警のウェブサイトを見ると、ここ数年登山者による山岳遭難が増加傾向にあり、その中心を五〇〜六〇歳代の中高年層が占めていますのがわかります。また若年層での登山ブームの影響か、三〇代も年代別の遭難者数が三位となっています。
遭難の原因別では、道迷いが他を圧倒してダントツの一位、滑落と転倒がほぼ同数で二位、四位が疲労となっています。実際には複数の要因が結合して遭難事故になることが多いと思いますが、この統計から見えてくるのは、登山者の技術不足と体力不足です。
昔は登山といえば、山岳部や社会人山岳会で登山の基本を体系的に学びつつ、初心者向きの山から徐々にレベルアップして難しい山を目指すのが一般的でしたが、近年は、登山を始めたばかりの人がいきなり難しい山に挑戦する例も増えているようで、遭難者増加の背景には、登山者のレベルと山のレベルとのミスマッチがあると考えられます。
登山は、普通に歩ける人なら誰でも始められるので、なんとなくやさしいスポーツに見えますが、日頃のトレーニングや装備の選び方はもとより、気象やスポーツ生理学・危機管理など、人としての総合力を問われる"術"です。とくに大雪山は、日本最大の国立公園という広さとともに、気候的にも厳しい山域として知られています。
この連続講座は、そんな大雪山を安全に楽しく歩くための知識と技術を習得するためのシリーズです。どの回からでも参加可能なので、とくに興味のある分野だけを受講することも出来ますし、全回参加して知識と技術を体系的に習得すれば、"一人前の登山者"としてさらなる高みを目指す一助となるはずです。これから山を始めようとする初心者から、ひととおりの技術と知識を身につけていると思っている/思いこんでいる方まで、ご参加いただけます。
座学のみの参加もOK、しかも無料です(*実習は有料プラグラムになります)。是非この機会に、大雪山の歩き方を体系的に学んでみましょう!
講座1「服装 (Wearing)と装備」 座学のみ:5月2日
下着と素材
合羽選びのポイント
ザック〜容量とつくり
講座2「エネルギー補給とトレーニング」座学+実習:5月29日
登山は意外に激しいスポーツ
食糧と水
登山に適したトレーニングとは
講座3「死なない登山術」座学のみ:6月15日
リスクマネジメントと「生還点 Point of return」
天候判断
山えらびのポイント
パッキング考
講座4「靴と歩行術」座学+実習:7月10日
ペース配分
ストック
休憩のとり方
歩き方の実際
講座5「大雪山の気象」座学+実習
[座学]:8月19日
天気図の見方
気象情報の利用法
天気予報に挑戦
[実習]:8月21日
登山と観天望気
講座6「登山と環境保全」座学+実習
登山道崩壊の現場を見る
近自然工法による登山道修復
環境に配慮した歩き方とは
0 件のコメント:
コメントを投稿