2010-12-08

関東甲信山行・8日目 奥秩父縦走3

11月23日(火) 曇り

夜明け前に起床。5cmくらい積もった雪の上に今は雨が落ちてきています。降り方は強くはありません。すぐに止みそうな感じがします。昨日に続き今日も歩く距離は短く、所要時間はせいぜい6~7時間程度。あまり早く出発する必要もないので、のんびりお天気待ちをします。

すっかり雨が上がったのを見計らって出発。小屋の前からすぐそばに甲武信岳が見えていました。

木賊山を巻き鞍部を越え破風山手前から見返す甲武信岳。山は雲を纏っていますが青空も見えています。今日のお天気は期待できるかも。

標高2260mの東破風山はうっすらと積雪がありますが、

同2082mの雁坂峠では跡形もありません。このあたりでは昨夜も雪ではなく雨が降っていたのでしょう。その程度の冷え込みですから、雪が残っていてもびちゃびちゃと湿っていてかえって歩きにくい状態です。こういう雪の時は最も靴が濡れるんですよね。靴も靴下もしっとりと水を含んでしまいました。

ちなみにこの雁坂峠は北アルプス針ノ木峠・南アルプス三伏峠と並んで日本三大峠の一つだそうです。古くは日本書紀にも記述があるとか。江戸期には秩父から塩山まで繭を運ぶ交易の道となり、その後1998年に雁坂トンネルが開通するまでは雁坂峠を越える登山道が国道に指定されていたのだそうです。

雁坂峠を越えると稜線の標高はぐっと低くなり、鞍部では2000mを切るようになります。当然木々が立ち並びほとんど展望は効きません。といっても、好転するかと思われたお天気は期待を裏切ってまたガスがちになってきたので、どちらにしても何も見えはしないのですが。

苔や木や落ち葉やらを渋く堪能するしかないようです。こういうのもそれなりによいものではあります。

燕山から雁峠まで標高差200mを一気に下って、雁峠から広い林道を20分ほど歩くと数棟の建物が立つ広場にでます。笠取小屋です。標高は1700m台まで下がりました。小屋には誰もおらずカギがかけられています。管理人不在時には向かいの建物が開放されているようですが、今日はテント泊にしました。

どこを見回しても鹿糞だらけで設営場所を探すのにも苦労するほど。できるだけ糞密度が薄そうな場所になんとかテントを張ります。怪しいヤツが来たとばかりに、かなり近くで鹿がキョンキョンと鳴き声をあげていました。一晩だけお邪魔しますよ。


今日の行程
甲武信小屋-破風山-雁坂峠-笠取小屋
 07:05 甲武信小屋 発
 07:55 破風山避難小屋 着
 08:48 破風山 着
 10:33 雁坂峠 着
 11:52 古礼山 着
 13:33 笠取小屋 着
所要時間:6h28
歩行距離:12.2km
累積標高:+789m/-1378m

関東甲信山行・7日目 奥秩父縦走2

11月22日(月) 曇りのち雨

気温はさほど低くないはずなのに妙に寒さを感じる朝。先日の八ヶ岳と違って水が凍っているわけでもないし、おそらく気温は氷点下には至っていないと思われます。吹き抜ける風がテントを打ち続けているからこんなに寒く感じるのでしょうか。

昨日ラジオで聞いた天気予報によると、今日は午後から雨となるようです。降り出さないうちに目的地・甲武信小屋まで行ってしまいたいので、出発は6時30分といつもより早めにします。距離はあまりないので、さっさと歩けばお昼くらいには到着できそうです。

大弛小屋付近は深い霧に包まれていましたが、国師ヶ岳に向かって登っていくとやがて雲の上に出ました。登ってきた方を振り返ると確かに峠付近は雲に覆われています。

すでに太陽は昇った後だというのに、あたりはどんよりと暗く陰鬱な印象です。それでもそこそこ遠くまで見通すことができますので、雨が降り出すまでは時間があるのかもしれません。うまくいけば雨具を着ないで済むかも。

ところが国師ヶ岳を越えて富士見台との鞍部に向けて下りだすと、すぐにあたりはガスに包まれ、しばらくするとポツリポツリと雨粒が滴ってきました。

朽ちて苔生した樹木。瑞々しい林の中を歩いていきます。雨がしっくりくるような気持ちの良い風景です。でも、道産子としてはここが標高2200mを超えた稜線であることがどうしても腑に落ちません。

やがて雨は雪に変わりました。荒々しい岩が登山道を覆うようになれば甲武信岳はもうすぐそこ。

目の前の標識以外は何一つ見通せない甲武信岳山頂。一歩も立ち止まらずに素通りします。下り始めると雪は再び雨になりました。

山頂からほんの10数分。甲武信小屋に到着です。徐々に雨脚が強くなってきていますが、どうやら本降りになる前に歩き終えることができました。テント泊をするつもりでいましたが、小屋泊まりに変更。雨の中の設営が面倒というのもありますし、せっかくなので奥秩父の営業小屋も経験したかったというのもあります。

入ってすぐの様子。奥に自炊用のテーブルがあります。受付にはまだ時間が早いので、先に食事でもしているとよい、と管理人さん。ストーブの近くに雨具やら靴やらを干してしばらくくつろぐことにします。雨で濡れた日には暖房のありがたさがシミジミ感じられます。これで明日はカラカラに乾いた服と靴で出発できるのですから。

二階の様子。明日は祝日ということもあり、今日の宿泊者は私を含めて7人。賑わっています。ここでもやっぱり布団で寝られるだけでなく、すぐ寝られるように準備してくれるのですね。サービスいいなあ。

みなさん2食付きで宿泊していて、素泊まりは私ともう一人単独の男性のみ。自炊用のテーブルで向かい合ってじっくりお話することができました。年齢は同じかちょっと上くらい。いろいろな山を一人で登っているみたいで、南アルプスでの薮漕ぎとかテーマを決めて山に登るとか。北海道の山は登ったことがないというので熱烈にオススメしておきました。やっぱり単独行の人とお話しするのが一番楽しいです。晩ご飯の後は管理人さんが作成したビデオ上映会。とても手作りとは思えない本格的な映像でした。

消灯は20時。それまで電灯の明かりの下で読書の時間とします。気がつけばいつの間にか雨は再び雪となっていました。ぽってりとした牡丹雪。積雪は1cmくらい。明日の朝はどうなっているでしょうか。


今日の行程
大弛小屋-東梓-甲武信岳-甲武信小屋
 06:30 大弛小屋 発
 07:13 国師ヶ岳 着
 09:19 東梓 着
 10:42 富士見平 着
 12:11 甲武信岳 着
 12:23 甲武信小屋 着
所要時間:5h53
歩行距離:10.6km
累積標高:+968m/-974m

2010-12-07

関東甲信山行・6日目 奥秩父縦走1

11月21日(日) 快晴

昨晩無事に原稿を書き上げて、すっきりとした気分で迎えた山行の朝。今日から5泊6日の予定で奥秩父縦走に入ります。コースは瑞牆山荘から金峰山・甲武信岳・雲取山を経て奥多摩まで。頑張れば1~2日短縮して下山できるのですが、1日あたりの行動時間を短くして楽するといういつものパターンです。

いくつか荷物を送り返したので、ザックも少しは小さく軽くなったかと思ったら、全くそんなことはありませんでした。泊数が増えた分、食料が多くなっているのです。甲府駅までの10分足らずの道のりですでに疲れてしまいます。

甲府駅からJRに乗って韮崎駅へ。所要時間はほんの10分。韮崎駅で登山口行きのバスを待っていると、登山姿の人たちが続々とやってきました。さすが快晴の日曜日。今日の山は賑わいそうです。後から突然「瑞牆山荘ですか?」と話しかけられました。同じ山に登る人かと思いましたが、さにあらず。タクシー運転手さんの営業でした。バス待ちの人を4人集めて登山口まで乗って貰おうということのようです。バスよりも30分早く着いて料金は同じ。悪い話ではありません。私以外の3人は既に決まっていたのですぐに出発となりました。

道中色々な山が視界に入っては消え、運転手さんがそれぞれ解説してくれます。八ヶ岳は今日もやっぱり美しく、瑞牆山は岩峰荒々しく。山々を楽しんでいるうちに瑞牆山荘に到着しました。

なんとも小綺麗な瑞牆山荘。こんなに素敵な宿なら昨日はここに泊まれば良かったかも。駅から車で1時間かかる登山口までずっと舗装道路が続いていて、しかも一番奥にこういう宿泊施設があるなんて、ちょっと北海道では考えられません。温泉街とか観光地とかそういうわけでもないのに。登山人口の違いなのでしょうか。

瑞牆山荘の目の前から始まる登山道は、一面ミズナラの森。土色に変色した落ち葉はすでに乾ききり足を進める毎にカサコソと小気味良い音を聞かせてくれます。葉を落とした木々を通してたっぷりと注ぐ陽光も体をほんのりと暖めてくれて、これこそ晩秋の山の良さだよなあとシミジミ実感しました。

富士見平では色とりどりのテントが立ち並んでいました。縦走のためのテント泊というのではなく、山の中のキャンプを楽しんでいるといった風情。ここに泊まっている人たちも登山道ですれ違う人たちも、とにかく若い人が多い印象を持ちました。北海道の山とは明らかに客層(?)が異なります。

富士見平は瑞牆山と金峰山との分岐でもあります。瑞牆山も金峰山もそれぞれ百名山に名前を連ねますが、明らかに瑞牆山に向かう人の方が多いようです。私は金峰山へ向けて真っ直ぐ縦走路を進みます。

今日のルートは金峰山から西に延びる長い稜線をゆるやかに登っていく感じ。少しずつ標高を稼ぐに連れ、少しずつ遠望が効くようになり、そして岩が重なり合った尾根に乗った瞬間、ぐわっと展望が開けるのです!なんという絶景。この展望台はガイドマップによると「砂払の頭」と言うそうです。

ここから金峰山までは岩がちのすっきりとした稜線をたどることになります。山頂も見えています。今までに登ったことのないような山容で独特の魅力があります。山頂付近でよく目立っているのは金峰山のシンボル五丈石。

五丈石到着。稜線に出てから風が強めに吹き付けてきています。この大きな岩の風下には何組もの人たちが隠れるようにして休憩していました。

そこからすぐに金峰山山頂。山頂標識からでも充分見晴らしは良いのですが、ちょこっと岩の上に出ると何者にも遮られない360度の展望が得られます。

まずは八ヶ岳。手前右に見える岩を露出させた山が瑞牆山です。

これから進む稜線はこちら。平らで広くて景色が良くて、もろ好みです。

360度のパノラマ写真その1。国師ヶ岳を中心に北東~南方面。

その2。五丈岩を中心に南~北西方面。

その3。小川山を中心に北西~北東方面。快晴の空に所々に低い雲がたなびき、山々はすっきりと見えています。一昨日の硫黄岳にも劣らない素晴らしい景色です。今回の縦走コースはここから後はどんどん標高が低くなる一方なので、今日この景色が一番なのかもしれません。

15分ほど休憩してすぐに出発。先を急ぎます。すっきりとした稜線から正面にこれから歩く朝日岳が見えています。右奥に明日歩く予定の国師ヶ岳、左奥に同じく甲武信岳が控えています。こうやって連綿と続くトレイルを見せてもらうと俄然歩行欲が湧くというものです。

朝日岳を越えると国師ヶ岳がぐんと近く見えるようになりました。国師ヶ岳手前の鞍部に今日泊まる大弛小屋があります。残りの行程はもうほんのわずか。

今日は歩行時間こそ短いものの、出発が遅めだったため、すでに太陽は傾き影が長く伸びる時刻となってしまいました。登山道がやがて林道に出ると、そこは大弛峠。沢山の車が駐まっていました。人気のある登山口なのでしょう。峠の標高は2300mを越えていますから、ここから歩き出せば金峰山も国師ヶ岳もほとんど高低差なく登ることができますから。

大弛小屋は峠のわずか奥に。ここでテント泊の手続きをします。なにやらトラブルがあったとかで管理人さんは慌ただしくしていました。

夕日の差し込むテント場。なんとか暗くなる前に設営が終わりました。


今日の行程
瑞牆山荘-大日小屋-金峰山-大弛小屋
 09:38 瑞牆山荘 発
 10:21 富士見平 着
 11:17 大日小屋 着
 12:44 砂払の頭 着
 13:32 金峰山 着
 14:42 朝日岳 着
 15:38 大弛小屋 着
所要時間:6h00
歩行距離:10.5km
累積標高:+1390m/-538m

関東甲信山行・5日目 甲府

11月20日(土) 快晴

朝6時起床。まずは洗濯に取りかかります。併設のコインランドリーを利用して、昨日まで山中で着用していた服をきれいにしておきます。明日から始まる山行に着て行かなくてはならない服なのです。待ち時間で朝食を済ませ、洗濯が終了したらすぐに宿を出ます。

宿のすぐ裏にある舞鶴城公園を散歩がてら通り抜けます。お堀に映る空の色がきれいです。

城内にある武徳殿なる建物の中から、気合いの入った声が聞こえてきます。剣道の稽古をしているようです。お城の中にあるこんな建物で剣道をするなんて、あまりにもはまりすぎじゃないですか!やっぱり内地は一味違います。

お城を通り抜けて甲府駅も通り抜けて、向かう先はレンタサイクルのお店。1日たった400円で電動アシスト自転車を貸してくれるという破格のお店が甲府にはあるんです。これで甲府を走りまわり、いろいろ買い出しを済ませる算段です。

今日はサイクリングには最適な日。空は晴れ渡り、暑くもなく寒くもなく。適当に道を選んで颯爽と疾走していると、あれ?あそこで頭を飛び出させているのはもしかして富士山?それ以外にも、見渡す限りの山山山。低い山が町のすぐそばを囲み、その背後に高い山が控えています。見事な盆地です。これでは夏は暑くなるはずです。

開店直後の石井スポーツでフリーズドライなど食品の買い出しをして、大型スーパーやドラッグストアでその他の食品を買い、古本屋で本を補充します。

その移動中に見つけた標識。「東京から137km」と記されています。137kmって旭川-札幌くらいの距離ですよね。東京と山梨がこんなに近いとはちょっとした驚きです。県境をまたいでいるのに、この程度しか離れていないのですから。一度通り過ぎたのに、わざわざ戻って写真を撮ってしまいました。

午後早めに用事を全て終え、一旦宿に帰りしばし休憩。疲れを癒したら運送屋さんへ。明日から登る奥秩父の山は八ヶ岳よりも標高が低いので、防寒具などの不要物を送り返すことにします。それが済んだら後は日が沈むまで観光です。

自転車漕いで甲府駅から北に延びる坂道を登っていきます。電動アシスト自転車が本領を発揮して、座ったまま楽々進むことができます。快適。

やってきたのは武田神社。甲府と言えば甲斐の国。甲斐と言えば武田信玄。ここ武田神社は信玄も居住した躑躅ヶ崎館跡に建てられた神社だそうです。大正年間の創建で比較的新しいものなので、あまりありがたみはないかも。

朝方お散歩した舞鶴城も武田氏と関係あるのだろうとなんとはなしに思い込んでいましたがそれは誤りでした。舞鶴城は武田氏滅亡後に築城されたお城なのでした。

境内の木々は今が紅葉の見頃。見事な色合いを見せてくれています。

駐輪場には同じお店のレンタサイクルが並んでいました。結構利用されているのですね。やっぱり安くて快適ですから。ちなみに利用したのはこちら。甲府にお立ち寄りの際はぜひご利用ください。

武田神社の次は善光寺へ。基本下り坂なのであっという間です。夕陽に映える金堂はとてもきれいでした。

自転車の利点は気の向くままに細い路地にも入っていけるところ。北海道ではあまり見かけないこんな道を走っていると、今自分は見知らぬ土地に居るのだなあと実感できます。

後かたづけを終え、準備を終え、観光もして。これで今日やるべきことは全部済みました・・・とは行かないんです、実は。宿に帰ってからパソコンレンタルを利用して、部屋の狭い机に向かってなぜか原稿書きをする私。こんなところまできていったい何やってるんだと我ながらあきれ果ててしまいますが、北海道を発つ前にちゃんと終わらせられなかったのですから仕方ありません。締切にはまだ数日余裕がありますが、その日は確実に山の中に入っています。つまり今やらなければ間に合わないのです。ほんと、何やってるんだろう。はあ。

2010-12-06

関東甲信山行・4日目 茅野-甲府

11月19日(金) 快晴

美濃戸口のバスは15時40分に茅野駅前に到着しました。さて、今日はどこに泊まりましょう?茅野はほんの3日前に泊まったばかりなので除外するとして。次の奥秩父縦走のことを考えると登山口へのバスが出る韮崎が便利かとも思いましたが、そもそも宿があるかどうかわかりません。韮崎からほんの数駅離れて県庁所在地の甲府があるので、そっちなら当日飛び込みでもどこかは空いているでしょう。それに食料の買い出しとかおみやげ購入とかもありますし。そんなわけで、茅野から甲府へと移動することにしました。

最初は普通列車に乗るつもりで乗車券を購入しました。でも、次の便まで1時間待たなければならず、かつ特急であれば数分後の便に乗れるということで、急遽、特急券を買い増してあずさ24号に飛び乗りました。これだと明るいうちに甲府に着けそうです。宿が決まっていない時はできるだけ早く着くに限ります。

小淵沢駅通過前後、車窓からは八ヶ岳が見えていました。

韮崎通過前後では富士山が。他の乗客の方の話では、北岳やら南アルプスの山々も見えていたようで、結構盛り上がっていました。

16時30分甲府駅着。初めて訪れた甲府の街ではヴァンくんがお出迎えしてくれました。いつぞやのドームでは大変お世話になりました。今ではずいぶん差をつけられてしまって・・・。

それはともかく。

目星を付けた宿に電話をすると、一軒目で今日明日と2泊部屋が取れました。期せずして週末となってしまったので、ちょっと苦労するかと思いましたが、これで落ち着けます。

関東甲信山行 八ヶ岳全行程


 行程所要時間歩行距離累積標高
11/17石臼台-双子池6h4112.1km+1222m / -765m
11/18双子池-黒百合ヒュッテ8h1513.8km+1341m / -980m
11/19黒百合ヒュッテ-美濃戸口7h2314.8km+854m / -1756m

22h1940.7km+3417m / -3501m