2005-02-18

エゾマツの墓場

 二月も半ばを過ぎ、日の出がすっかり早くなった。六時過ぎにはうっすらと外が明るくなってくる。NHK-FMでバロック音楽を聴きながらコーヒーを落とし、窓を開けると、トムラウシから十勝連峰にかけての稜線が見える。ネットで天気図をチェックしたところ、一日保ちそうなので、出かけることにした。
 以前から気になっていた旭岳山麓の湿原に足を伸ばしてみることにする。クロスカントリーコースからすこし南に行ったあたりで、もちろん地図上にコースはない。例によって、地図と磁石とカンをたよりに深雪を踏み分けて進んでいく。
 地形図上で確認できるように、たしかにそこには湿原らしきものがあった。水温が高いらしく、ところどころ地面が露出していて、オオカナダモらしき植物が見える。それよりも目についたのは、樹齢150〜200年くらいのアカエゾマツの大木が、同じ方向を向いて、文字通り「枕を並べて」倒れている姿だ。去年の九月にこのあたりを襲った19号台風で倒れたものらしい。樹齢から考えて、おそらく150年に一回あるかないかの暴風だったのだろう。さながら「エゾマツの墓場」とでも形容したくなる光景だった。
 駒止の滝を眼下に見下ろし、急斜面をジグザクをきって登り、二時間ほどの"探検"を終えた。

0 件のコメント: