2005-12-10

今日から五年目

 きのうは山樂舍BEARの創立記念日で、山関係者を招いてささやかな誕生パーティーを行った。

 12月9日は「山樂舍BEAR」の創立記念日ということになっている。正確に「いつ」設立されたかは今となっては定かではないのだが、2001年から記している「十年日記」のなかに、はじめて「BEAR」という名称が出てくるのが、2001年12月9日なので、この日を創立記念日ということにしている。
 その年の夏から秋にかけて旭岳や層雲峡の山関係者の間で、なにか山岳ガイドのための組織が欲しいね、という話が出てきて、何回か話し合いを重ねるうちに、とりあえず山岳ガイドの組織として立ち上げて、徐々に保全や啓蒙普及活動などの方面に手を広げていこうという結論になった。という訳で、当時フリーでガイドをやっていた佐久間と斎藤しのぶ氏(旧姓)が「山樂舍BEAR」を立ち上げることになった。
 何回かの話し合いを経て練り上げられた『ガイド組織設立にむけて』という文書には、「BEARのめざすもの」として以下のような記述がある。

 現在わたしたち山案内にたずさわるものは、マスツーリズムの機能の一部として、大量の登山客を一時期に山に案内し、場合によっては生態系の破壊に手を貸してしまっています。しかも旅行業界においても価格破壊ともいえる低料金化がすすみ、登山客を受け入れる地元に落ちるお金が減り、地域全体として見たばあい、芳しくない状況にあると言えます。このような現状を改善し、持続可能でローインパクトな登山のありかた・自然の楽しみ方を提案し、エージェントツアーをもふくめて、マスツーリズムからエコツーリズムへの橋渡し役をわたしたちは目指します。

 五年目に入ったいま、これまでの歩みを振り返ると、完全ではないものの概ね「めざすもの」に沿った活動をしてきていると言えるだろう。
 マスツーリズムが衰退の方向に進み、エコツーリズムが横ばいという現状を考えると、これからも山岳ガイドという商売はけして楽ではないとは思うが、時代の先を読みつつ、プログラムに参加してくださる方々のためにも活動を続けていきたいと、思いを新たにするのであった。

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